繰越欠損金の繰越について

M&A相談掲示板詳細

2016-08-02 07:26

会計・税務相談

繰越欠損金の繰越について

買収しようと考えている法人が、繰越欠損金を持ち越しているのですが、買収した場合その繰越欠損金の扱いはどのようになるのでしょうか?

閲覧数:2625

回答数:2

役に立った:2

2016-10-05 20:25

回答者

小木曽 正人 / 小木曽公認会計士事務所

初めまして。会計士の小木曽です。
繰越欠損金ですが、基本以下のように考えていただくのが一番わかりやすいと思います。(買収会社をA 買収される会社をB ここに資本関係はない)
①買収される法人Bの株式を前のオーナーから買う場合:買収される法人B内であれば、この繰越欠損金はそのまま使えます。ただ、買収会社Aの利益とぶつけることはできません。
②買収される法人Bの事業のみを事業譲渡もしくは会社分割し、買収する場合:基本この繰越欠損金は引き継ぎできません。
③買収される法人Bを合併する場合:基本繰越欠損金は引き継げないと思っていただいたほうがよいと思います。例外的にみなし共同事業要件を満たせば、繰越欠損金を引き継げる場合がある。

繰越欠損金が引き継げるか、繰越欠損金が買収後も利用できるのかは、その後のキャッシュフローに大きく影響しますので、具体的な状況を専門家に見てもらうことをお勧めします。

一般的な話ではなりますが、参考にしてみてください。

役に立った

事務局に相談する

2016-08-03 10:55

回答者

トランビ事務局

事務局から、事業再生とM&Aを専門に扱う公認会計士に回答を依頼し、以下のコメントを頂きましたので、ぜひご参照ください。

結論からいうと、かなり制限されるようです。


1.買収後合併しない場合(法人税法57条の2)

赤字の会社の事業を止めて、そこで新規事業を始めた場合は繰越欠損金は使えず、事
業の相乗効果を狙って、赤字の会社を立て直す目的で買収した場合は、基本的には繰
越欠損金は使える。

下記の①~⑤に該当すると、繰越欠損金は消滅。

①事業を止めて休眠していた会社の株を売買したあとに、新規に事業を開始した場合
②株の売買前に行っていた事業は止めて(止めることが見込まれていて)、売買後の
新規事業が、旧事業の売上等のおおむね5倍を越える資金を借り入れた場合
③株の50%超を保有している個人やその関連会社が、赤字会社に対する債権を買って
きたときに(その債権を債務免除又は現物出資することが見込まれていれば除かれ
る)、旧事業のおおむね5倍を超える資金を借り入れた場合
④上記の①から③の場合において、その赤字会社を被合併会社とする適格合併を行う
こと、又はその赤字会社の残余財産が確定した場合
⑤株の50%超を売買したことで、赤字会社の常務取締役以上の役員がすべて退任し
て、かつ、赤字会社の社員の20%以上が退職した場合において、新事業が旧事業規模
のおおむね5倍を超えることになった場合

2.買収後合併する場合(法人税法57条の3)

買収後5年たってない場合は原則繰越欠損金の引継ぎ不可。なお、特定資本関係にあ
り(法人税57条第3項かっこ書き、施行令112条第4項)、みなし共同事業要件を満た
せば(施行令112条第7項1~5号)、
繰越欠損金の引継ぎが可能。

●特定資本関係
① いずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式の総数または出資の総額(当該他
方の法人が有する自己の株式または出資を
除く)の50%超を直接または間接に保有する関係
② 二つの法人が同一の者によって、それぞれの法人の発行済株式の総数または出資
の総額の50%超を直接または間接に保有される関係。この場合、発行済株式等の総数
の50%超の株式を直接または間接に保有するかどうかの判定は、直接保有の株式の保
有割合と間接保有の株式の保有割合を合計した割合によって行われる。

●みなし共同事業要件
① 事業関連性要件
事業関連性要件とは、合併法人の合併事業と被合併法人の被合併事業が相互に関連し
ていること
② 規模要件
合併事業と被合併事業それぞれの売上金額、従業者数、合併会社と被合併会社の資本
金の額、もしくは、これらに準ずるものの規模の割合がおおむね5倍を超えないこと
③ 被合併事業の規模継続要件
被合併事業が、特定資本関係の生じた時から合併の時まで継続して営まれており、か
つ、その両時点での被合併事業の規模の割合がおおむね2倍を超えないこと(②で用
いた指標で判定)
④ 合併事業の規模継続要件
合併事業が、特定資本関係の生じた時から合併の時まで継続して営まれており、か
つ、その両時点での合併事業の規模の割合がおおむね2倍を超えないこと(②で用い
た指標で判定)
⑤ 経営参画要件
被合併法人の特定役員(常務クラス以上の役員)のいずれかの者と合併法人の特定役
員のいずれかの者が、合併後に合併法人の特定役員になることが見込まれていること

以上です。

役に立った(2)

事務局に相談する

類似のM&A相談

タイトル カテゴリ 閲覧数 回答数 役に立った数 登録日時
買収金額の経費計上 会計・税務相談 2128 1 1 2016-08-02
事業譲渡の際の課税について 会計・税務相談 1093 1 0 2017-10-06