【売り手用】交渉メッセージの書き方

M&Aの成約率を高めるポイントをまとめました。

交渉で失敗する3つの行為

返事が遅い…

M&Aに際して、相手に意思の強さを伝える有効な手段は回答の早さです。 1週間経ってからの回答では遅く、本気度が低いと相手は判断するでしょう。 通常のビジネスと同様に、基本的には当日中の回答を心掛け、正式な回答が遅れる場合には、追って連絡する旨だけでも先に相手に伝えるようにしましょう。

ビジネスマナーに欠けている文面でのやり取り…

交渉相手は、あなたがどのような年齢、性別、立場、バックグラウンドの方なのかが一切わかりません。 文面から、あなたの性格や目的などを知ろうと慎重になっています。
ビジネスマナーに沿って正しく敬語を用いた丁寧な文面で、相手に誠意が伝わるように心がけましょう。

情報開示を求め過ぎる…

M&Aで最も大切なことは、自社の大切な会社や事業の情報が安易に外部に漏洩せず、適切な秘匿性が守られることです。
あなた自身の情報を伝えないまま過度に情報を求めると、相手が敬遠する可能性があります。まずは信頼関係の構築を大切にし、詳細な情報を求める・提示する際は必ず秘密保持契約を締結しましょう。

交渉メッセージの基本形

メッセージの基本形はビジネスメールの構成と同じ「①挨拶・②本文・③締め」です。

① 挨拶

宛名のあとに1行空けてから、挨拶文を入れます。 初めてのメッセージであれば「初めてメッセージを送らせていただきます」、2回目以降のメッセージでは「お世話になっております」などが一般的です。
こちらからの質問に対する返信であれば「ご返信ありがとうございます」などでも良いでしょう。
実名交渉に移行した場合は、挨拶文の後に自分の名前と肩書を付けくわえると親切です。

② 本文

本文は簡潔に分かりやすく記載します。
初回のメッセージでは、簡単にこの買い手に興味をもった背景などを伝えます。
2回目以降は、その都度メッセージの目的を本文の最初に記載すると、読み手に取って分かりやすいメッセージにすることができます。

③ 締め

最後にメッセージの締めとして、一文を加えます。
「お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします」「お忙しいところ恐縮ですが、何卒宜しくお願いいたします」など今後対応してもらうことへの感謝の気持ちを込めて締めることが一般的です。

シチュエーション別 交渉メッセージ例文

売り手様の初回交渉メッセージ

この度はご連絡いただきまして、ありがとうございます。

また、本件にご関心をお持ちいただき、感謝申し上げます。不慣れな点もございますが、よろしくお願い申し上げます。

事業に関する質問へのご回答は、匿名交渉内で開示できる範囲のみになりますが、気になるところがございましたら、
どうかお気軽にご質問いただければと存じます。

それでは、引き続きよろしくお願いいたします。

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条件提示

この度はご連絡いただきまして、ありがとうございます。

また、本件にご関心をお持ちいただき、感謝申し上げます。不慣れな点もございますが、よろしくお願い申し上げます。

円滑にお話を進めさせていただくため、予め弊社の希望をお伝えさせていただきます。

~条件面~
・ 譲渡金額としては○○万円(税込)を希望しております。
・ 譲渡対象が事業ではなく、会社でのM&Aをお願いしたいです。
・ 従業員は自宅勤務にてリモート管理をしております。 もし、ご縁があればこの雇用形態はそのまま引き継いでいただきたく存じます。

誠に僭越ながら、これより先の情報につきましては実名交渉に進んでからの開示とさせていただければ幸いです。

それでは、引き続きよろしくお願いいたします。

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質問への回答

お世話になっております。

早速ではございますが、ご質問いただきました件について回答いたします。

Q.●●~~~
A.○○~~~

Q.●●~~~
A.○○~~~

Q.●●~~~
A.○○~~~

以上となります。さらにご質問等ございましたら、お答えできる範囲内とはなりますが、
可能な限りお伝えさせていただきますので、遠慮なく仰っていただければと存じます。
それでは、引き続きよろしくお願いいたします。

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他の買い手候補からの質問共有

○○株式会社 ○○様

お世話になっております。○○です。

他の買い手候補の方々からいただいた質問に対する回答を下記に列挙いたしました。
これより詳しい資料などは、お会いした際に直接お渡しさせていただきます。

Q.事業を譲渡するに至った理由
A.新規事業立ち上げを行っており、そちらに注力するためになります。

Q.現在のスタッフの方は引き継げるということでよろしいでしょうか
A.はい。多くの方が長く業界に携わっておりますので、引継ぎの際もサポートしていただけるかと存じます。

Q.直近の3年間の損益計算書
A.年間売り上げは○○-○○万、営業利益は○○-○○万となっております。詳細は直接お会いしたときに、お見せいたします。

Q.事業売却額の根拠
A.5年間分の営業利益(3500万円)、固定資産(400万円)敷金(400万円)自社在庫(250万円)で4500万円を想定しております。

以上になります。 恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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連絡が遅れるとき

この度はご連絡いただきまして、ありがとうございます。

また、本件にご関心をお持ちいただき、感謝申し上げます。不慣れな点もございますが、よろしくお願い申し上げます。

今後の交渉の件ですが、お陰様で現在かなり多数の買い手候補の方からメッセージをいただいております。
本業を進めながらの交渉にでもございまして、申し訳ございませんがご返信にお時間を頂戴する場合もございます。

一件一件丁寧に対応できればと考えておりますので、今しばらくお待ちいただければ幸いです。

それでは、引き続きよろしくお願いいたします。

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今後のスケジュール確認

株式会社○○ ○○様

お世話になっております。

株式会社○○の○○です。

この度は、実名交渉に移行していただき、誠にありがとうございます。 引き続き、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

早速ですが、今後のスケジュールを以下に記載させていただきました。

1.実名ベースでの情報交換(お電話でも可)
2.トップ面談
3.基本合意書の提出
4.デューデリジェンス
5.最終契約

上記1~5の流れを、およそ●週間程度で進めさせていただけたらと存じます。

お手数をおかけしますが、何卒宜しくお願いいたします。

株式会社○○ ○○

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申し込み多数による交渉の保留

株式会社○○ ○○様 

お世話になっております。

株式会社○○の○○です。

ご連絡が遅くなり、大変申し訳ありません。

現在、想定を超えるお問い合わせをいただいており、数社さまと最終の条件交渉まで進んでいる状況です。

こちらから改めてご連絡させていただきますので、今しばらくお待ちいただければと存じます。

ご迷惑をおかけしますが、何卒宜しくお願いいたします。

株式会社○○ ○○

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面談日程調整

○○様

お世話になっております。

株式会社○○の○○です。

ご質問へのご回答ありがとうございます。

もしよろしければ、実際に○○様にお会いして、事業に対する想いなどをお伺いできればと存じます。

以下に希望の日程を記載させていただきました。

・ 〇月〇日(〇)〇時~〇時
・ 〇月〇日(〇)〇時~〇時
・ 〇月〇日(〇)〇時~〇時

場所に関しましては、○○様の事業所近辺とさせていただけたらと存じます。

ご都合がつかないようでしたら、再度日程調整できればと存じます。

お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします

株式会社○○ ○○

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交渉中止

お世話になっております。

誠に申し訳ありませんが、貴社との交渉を中断させていただきたく存じます。

大変ありがたいことに、公開当初から複数の買い手様からメッセージをいただいております。
すべての方とご交渉をさせていただきたい思いはあるものの、現実的な時間的制約もある中で、
本件交渉を条件が合った方のみとさせていただきたく存じます。

勝手申し上げて恐れ入りますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

この度はご検討いただきましてありがとうございました。
また、なにかの機会がございましたら、その際はどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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