2019-08-20

小児科看護師から保育園園長に。夢を叶える手段としてのM&A。

みゆきひかり保育園様

M&Aの動機として根強いのが、憧れていた職種・業界にチャレンジしたいという想い。食に興味があるため脱サラして飲食店の店頭に立ちたい、ものづくりに関心があるため製造業の経営に携わりたい……。M&Aは、夢を実現する手段にもなり得ます。
今回お話を伺った林直通さんも、まさに夢を叶えた一人。愛知県内の病院で小児科看護師として勤めていた林さんは、この春から同県豊田市で保育園「みゆきひかり保育園」(https://www.miyukihikari.com/)の経営をはじめました。異業種からの挑戦に、どんな期待を抱き、またどんな不安を抱えていたのでしょうか?

チャレンジの元手は、看護師時代に貯めた貯金。

林さんは愛知県内の複数の病院で看護師として10年以上勤めてきました。担当してきたのは一貫して小児領域。一般小児科はもちろん、危険な状態にある新生児への治療を行うNICU(Neonatal Intensive Care Unit、新生児集中治療室)を担当した経験もあります。そんな林さんですが、M&Aには以前から興味を持っていたそうです。

「もともと自分の裁量で働きたいなという思いがあったんです。ただ、経営に携わった経験がまったくなかったので、0から事業をつくるのは難しいだろうとも思っていました。そこで考えたのがM&Aという手法です。すでに事業として運営されているものを引き継ぐことなら、自分にもできるのではと考えたんです。株などの資産運用はしていたからでしょうか、抵抗感はなかったですね。元手は100%貯金だけで借り入れをしないことが、自分なりのリスクヘッジでした」

挑戦に使える金額は、買収費用と当面の運営資金を合わせて1,000万円程度。そのなかで手が届く案件を探しました。最初に探したのは、看護師のキャリアを活かしやすい訪問看護の案件。しかし看護領域では予算内の事業が見つかりませんでした。

「資格」という壁は、思い込みだった。

そんな林さんの転機は情報収集する中である情報を見つけたことでした。それは、保育園のオーナーになるには、保育士資格は必要ないという情報。

「子どものことはずっと大好きで、小児科を希望したのもそれが理由でした。より長期間に渡って子どもと関係を築ける保育の仕事は、まさに夢でした。ただ、資格のない自分にはムリだろうと思い込んでいて、よく調べずに諦めていたんです。その前提が覆ったことで、気持ちが一気にそちらに傾きました」

夢が叶い、看護師としての経験も活きる。そんな保育園経営は、林さんにとって理想の仕事でした。

市からの認証があることが大きな後押しに。

そこから、保育業界の案件を探しはじめた林さん。準備や生活のことを考えて、地元・一宮市から近い範囲で探して見つかったのが、今回M&Aした保育園でした。

「インターネットで「愛知県 保育園 M&A」というようなキーワードで検索したように記憶しています。それで出てきたのがトランビであり、この園でした。欲を言えばもっと一宮市に近い場所で見つかれば最高だったんですが、保育園の案件はまだまだ数が限られているようで。東京や大阪、県外の出ることも覚悟していたので、そういう意味ではこの園に決められて良かったです」

エリアとしても、企業のお膝元だけあって他地域よりも若いファミリー層が多い=待機児童も多い、保育園経営には好条件。何より、魅力に感じたのが、同園が豊田市から認証を受けた施設であったことです。

「認証を受けていると、子どもの数に応じて助成金が出るんです。私自身、経営はまったく未経験なので、いつどんな理由で売上や出費が増減するか読み切れていない部分はあると思います。その状態では、できるだけ出費を削ろうという方針にならざるを得ません。助成金があることで、経営上の不安が減って園運営を良くするための改善に集中できています」

残看護師としての知識や経験は、保育の現場でも活きる。

看護師の経験は、保育現場でどのように活きますか?という質問の答えは3つ。1つめは、ご家庭で用意するものをなるべく減らす“手ぶら保育”を実現すること。

「保育園は医療機関に比べて、園内で必要なもののうち、保護者にご用意いただくものが多いなと感じます。例えばおむつ。保育園では、子どもを預けていただく際におむつもご用意いただく園がほとんどのようですが、病院では病院側が用意するのが普通でした。私としては、ご家庭の負担が少ない病院の常識を取り入れたいと思っています。そこで当園では、“持ち物がほぼゼロ宣言”と題して、保護者のみなさんには連絡帳のみをお持ちいただければ、他のものは園側で用意することにしました。おむつやおしりふきもこちらで用意します」

2つ目は、徹底した衛生管理を行うこと。

「保育園で病気をもらってきて、それが親御さんにも感染し……。という話はよくありますが、そういったことが起こりづらいように細心の注意を払っています。医療機関並とまでは言いませんが、正しい知識に基づいて園内環境を整えています。また大人たちがしっかりと衛生管理を行うのはもちろん、子どもたちにも上手に手洗いできるよう指導します」

3つめは、体調や健康についての相談により正確に回答できること。

そのほか、アレルギー対策や服用しているお薬のこと、体調や健康に関する相談には的確に回答できると思います。気軽に相談していただきたいですね」

コツコツと丁寧に。園内環境を整え、信頼を積み重ねたい。

最大25名まで預かれる園には、まだ空きがあります。しかし、林さんは焦って増やそうとはしていません。

「建物自体が長い間運営されてこられたものなので、引き継ぎ時には、片付いていない部分や、傷んだ備品も散見されました。これまでコツコツと掃除したり、修理や買い替えをしたりしてきて、やっと整って来たかなという状況です。子どもたちには常に良い環境で過ごしてほしいので、その環境を維持しながら保育できる範囲で増やしていきたいと思っています」

当面の目標は、コンスタントに12~13名を預かる状態。先々を考えても、20名預かれるようになったら万々歳だと言います。

「園内環境に気を配っていることは、保護者さんにも伝わっていると思うんです。実際、定期保育でお預かりしはじめてから、利用を途中で辞めた方はいらっしゃいません。今はまだ、外に向けてアピールするよりも、信用を積み上げていくことのほうが重要なタイミングだと感じています」

あなたもM&Aで夢の仕事に就けるかも?

小児科看護師のキャリアを存分に活かしながら、保育という新しい場で活躍される林さん。経営業務を含めたはじめての業務に苦労しながらも、満足そうに笑います。

こうして子どもたちと毎日接して、その成長を感じられている時点で、もう夢は叶っているんです。後はどうやって利益を出していくかという部分がこれからの課題ですが、それもこの仕事を続けるためなら頑張って取り組んでいけるだろうなと思っていますね」

M&Aは、就きたかった職業に就くための手段としても使えます。トランビには、日々さまざまな業界・規模の案件が登録されています。あなたの憧れのあんな業界、こんな職種の案件も見つかるかもしれません。ぜひ一度、サイトを眺めてみてください。

 

  • 田中 ヤスヒロ(typo)
  • ライター紹介田中 ヤスヒロ(typo)

    コピーライター/京都大学理学部卒業後、広告制作会社にてコピーライターとして勤務。WebサイトやSNSなど、デジタル媒体を中心に広告コンテンツの企画・制作を担当する。ビジネス、科学など固いものを柔らかく伝えることが得意。2018年より屋号「typo(誤字脱字)」として独立。その名の通り、ケアレスミスが多いタイプ。