2026-06-22
55万円の赤字レンタルスペースを即黒字化!元エンジニアの中小企業診断士による顧客目線×自作システムM&A戦略
買い手(法人):インベストメント・ファシリティーズ株式会社 島田さん
※本記事内の写真は全てイメージです。
元エンジニアとしてソフトウェア開発を牽引し、現在は中小企業診断士としてコンサルティング会社を経営するインベストメント・ファシリティーズ株式会社の島田様。彼が新たな挑戦として選んだのは、TRANBIを通じたレンタルスペース(貸会議室)の買収でした。
「小規模事業者の気持ちを理解したい」という動機から始まり、約50万〜60万円という少額で3店舗を次々と買収。管理が行き届いていない店舗も多い中で、徹底した「顧客目線」と独自の「AI・IoTシステム」を駆使し、赤字レンタルスペースを初月から黒字化させるという驚異のV字回復を実現しています。その緻密な戦略と、驚くほど合理的なM&Aの裏側に迫りました。
| 案件概要 | 案件名 | 自走可能黒字レンタルスペース(名古屋駅地下1番出口徒歩1分) |
|---|---|---|
| 売上高 ※案件掲載時点での直近期 |
1円〜500万円 | |
| 成約者様概要 | 属性 | 法人・買い手 |
| M&A経験 | TRANBI経由で3回目(本案件で3店舗目) | |
| 初オファー〜成約までの期間 | 約2週間 |
- ➤ エンジニアから中小企業診断士へ。自ら「現場」を知るための挑戦
- ➤ なぜレンタルスペースか?勝機は「不動産の壁」と「改善余地のある競合」にあり
- ➤ 価格交渉は無意味。徹底したレビュー分析と「即決」のプロセス
- ➤ 55万円で赤字レンタルスペースを買収し即黒字化!自作AIシステムと「当たり前」の顧客目線
- ➤ 一般のビジネスマンでも勝てる。次なる展望とM&A検討者へのメッセージ
エンジニアから中小企業診断士へ。自ら「現場」を知るための挑戦
ー 今回はTRANBIで3店舗目となるレンタルスペースの成約、本当におめでとうございます!まずは、島田様のこれまでのご経歴と、現在の事業内容について教えていただけますか?
島田様:
ありがとうございます。今回でTRANBIさん経由での成約は3件目になりますね。
私はもともと、遊技機メーカーでソフトウェア開発の責任者などをしていました。その後、コロナ禍の2021年2月に早期退職して、コンサルティング会社を起業しました。現在もその会社を経営していて、スタートアップの支援や中小企業診断士として小規模事業者さんの支援を行っています。 その本業と並行して、リース事業や、今回のようなレンタルスペース・貸会議室の運営を手掛ける会社も経営しています。
ー エンジニアからコンサルタントへ、そこで自ら店舗運営も。かなり多彩なキャリアですが、なぜご自身でも「小さなビジネス(M&A)」を始めようと思われたのでしょうか?
島田様:
本業で小規模事業者さんの相談に乗る中で、「規模が小さいビジネスの感覚」が自分に不足していると感じたのが一番の理由です。
私がもともと会社員時代にいたのは大きな会社で、部門責任者として、動くお金もかかわる人の規模も大きい仕事をやっていました。また、個人としても未上場の成長志向の高いスタートアップ企業へのエンジェル投資をやっていた関係で、比較的大きな規模に拡大していくビジネスに触れる機会が多かったのです。一方で、サラリーマンの方が副業でやられているような規模のスモールビジネスの実態が、感覚として分かっていませんでした。
ー 「現場のリアルな痛みを、自分の肌で知りたい」ということですね。
島田様:
おっしゃる通りです。コンサルタントとして支援する以上、当事者の気持ちを理解したかったのです。そこで、自分でも本業と並行して無理なく運営できて、なおかつ元エンジニアとしての知見を活かせるビジネスはないかと探した結果、行き着いたのが「レンタルスペース」でした。
実際に市場を見ていると、運営サービスが行き届いていないと感じる店舗や非効率な運営をされている店舗が意外と多いなと感じたんですよ。「自分のITの知見を活かしてシステマチックに効率化すれば、もっとうまくやれるはずだ」と思い、2024年2月に1店舗目を購入したのが始まりです。
なぜレンタルスペースか?勝機は「不動産の壁」と「改善余地のある競合」にあり
ー ゼロから自分で店舗を立ち上げるのではなく、最初から「M&A(買収)」を選んだのはなぜですか?
島田様:
実は、レンタルスペースは「不動産の賃貸契約を結ぶのが非常に大変」という業界特有の事情があるんです。
私自身、1店舗目を購入した後に別の物件も探してみたのですが、「事務所利用はいいけれど、不特定多数が出入りするレンタルスペースはNG」と断られるか、採算に合わないほど家賃が高いかのどちらかでした。「これじゃ絶対に事業として成り立たないな」と。
ー なるほど……!物件探しの段階で、すでに高いハードルがあるのですね
島田様:
そうです。だったら、すでに運営許可が下りている既存の店舗を買ってしまった方が、圧倒的に時間を圧縮できると考えました。
たとえ今の運営が赤字でうまくいっていなくても、本業がコンサルティングですから、改善ポイントを見つけて立て直す自信はありました。
ー とはいえ、赤字店舗を買うことに不安はありませんでしたか?「競合が多すぎて勝てないのでは?」といった心配など……。
島田様:
そこは逆ですね。競合がたくさんいる「レッドオーシャン」な立地ということは、裏を返せば「そこは需要があり、利益を出せる場所だから、それだけライバルが集まっている」ということです。 立地や家賃の段階で最初から不利になるような場所でなければ、あとは競合に勝つだけです。そして、周りの店舗を見ると管理が行き届いていないところも多いので、勝つのは別に難しくないなと。
ー 非常に合理的で、力強い視点です!ちなみに、今回3店舗目も55万円で成約されていますが、これまでの買収額もかなり抑えられていますよね。
島田様:
はい。1店舗目は60万円、2店舗目は55万円、そして今回も55万円です。
なぜこの金額かというと、それぐらい安く引き継がないと、よほどうまくいかない限り初期投資を回収するのに時間がかかりすぎてしまうからです。売り手さんは「管理の手間を手放したい」「売上がピークを過ぎた」というのが本音の理由で手放す方が多い。つまり、引き継いだ後、過去の良い売上がそのまま自動的に継続するとは限りません。
1店舗目でそのリアルな実態を理解したので、2店舗目、3店舗目と進めるにあたっては、その「立て直しの時間とコスト」をシビアに計算した上で、この価格帯を狙って買収しています。
価格交渉は無意味。徹底したレビュー分析と「即決」のプロセス

ー 案件の探し方についてお伺いします。どのようにして買収候補を見極めているのでしょうか?
島田様:
もう、TRANBIさんは毎日見ていますよ(笑)。空き時間があれば常にチェックしています。
ー 毎日チェックしていただきありがとうございます!やはり良い案件はスピード勝負になりますか?
島田様:
はい、スピード勝負です。基本的には、条件に合うものが出てきたらすぐに交渉メッセージを送り、現地へ見に行きます。1店舗目の新宿の物件なんて、見に行ってすぐに「買います」と伝えたら、相手の方が「こんなにすぐに決まるんですか!?」と驚いていましたから。 それでも、他の買い手に先を越されて買えないことがあるくらい、良い案件を押さえるには初動のスピードが重要ですね。
ー 現地を見に行く際、ご自身の中で「ここだけはチェックする」という明確な基準はあるのでしょうか?
島田様:
事前に確認できる重要なポイント、例えば不動産の契約が定期借家なのか普通借家なのか、あるいは家賃の値上げの話が出ていないかといったところは、最初にあらかじめクリアにしておきます。その上で、自分で調べるところとしては、建物の「インターネット回線の状況」と「過去の利用者レビュー」を特に重視しています。
ー ネット回線とレビューですか。元エンジニアらしい視点ですね。
島田様:
貸会議室を仕事や配信で使うならネットの速度・安定は命綱です。例えば2店舗目の物件は、古い建物で100メガまでしか出ないマンション用のVDSL回線を使っていたんです。そこは躊躇しましたが、別の通信会社の回線契約で速度を確保する算段を立ててクリアしました。
また、利用者レビューについてですが、わざわざ低い評価を書く人は、不満が耐え切れなかったから書いているんです。私はそれを見て、「トイレが使いにくい」「部屋が暑い」といった不満を、自分なら改善できるかどうかを判断します。それを直すだけで、その不満を持っていた人が一転して固定ファンになってくれる可能性も出てきます。
ー 非常にロジカルですね!もし条件が少し合わない場合などは、TRANBI上で価格交渉をされるのでしょうか?
島田様:
いえ、価格交渉は基本的にしません。
ー 買収額を抑えるためにかなり交渉をされるのかと思いました!
島田様:
売り手さんには「この価格で売りたい」という希望があります。現在150万円ぐらいで売りに出ている案件も多いですが、こちらの算定した価値とは乖離が大きいことがほとんどです。例えば50万円で買いたいとしても早い段階では、買いたいと思えないほど高い価格に着地させようとするので交渉しても意味がないと考えています。
また、交渉段階で現状の売上構成の開示を渋ったり、実態と異なる情報を掲載しているような売り手さんとは、そもそも交渉を中断します。売却を検討しているのに売上を開示しないというのは、不自然ですよね。
ー おっしゃる通りです。では、どのようにしてあの「55万円」という少額での買収を実現されているのでしょうか。
島田様:
過去購入できた案件はすべて初めからその金額で売りに出ていました。それ以外は買い手がつかず、自然に値段が下がってくるのを待つんです。例えば80万円ぐらいで出ていた物件を現地調査して「この値段では修繕費を考えると合わない」と判断した場合、値段が下がるのを待ちます。
「万が一、事前の情報と実態に乖離があったとしても、損失を許容できる」という自分の中の採算ラインまで落ちてきたら、即決で買います。
55万円で赤字レンタルスペースを買収し即黒字化!自作AIシステムと「当たり前」の顧客目線
ー 2店舗目の名古屋の物件は、赤字の状態からのスタートだったとお伺いしました。そこからどのように初月で黒字化させたのでしょうか?
島田様:
2店舗目は改善余地のある状態でした。というのも、その物件の「前の前のオーナー」が、スペースマーケット(予約サイト)のページを閉鎖していなかったため、前のオーナーが新規掲載できない状態になっていたんです。
ー 一番の集客源である予約サイトが使えないまま運営していたんですか?
島田様:
そうなんです。前オーナーが何度もサイト側に申請しても状況が変わらなかったそうです。そこで私が買収交渉と並行して、客観的な証明を揃えて予約サイト側に直接掛け合いました。「実態に即して、適正な手続きを速やかに進めてください」と、書類をもとに理路整然とお伝えしたんです。
ー なるほど、事実に基づいた冷静な交渉をされたのですね。
島田様:
すると予約サイト側も、連絡がつかない前の前のオーナーの古いページの削除対応に動いてくれて、最終的には無事に掲載できる状態になりました。1店舗目の運営で各予約サイトの事情はわかっていたので、この掲載トラブルさえ解消できれば絶対に勝てると確信していました。
ー その他の運営面で、赤字を黒字に変えるために行った「顧客目線の改善」とは具体的にどのようなことですか?
島田様:
まずは「空調」です。ほとんどの貸会議室は、夏場に入ると熱気がこもって非常に暑くなっています。私はそれが許せなかったので、事前に自動でエアコンがつくように設定する仕組みを導入しました。日によっては、予約の30分〜1時間前にはエアコンをつけています。
ー 1時間前からですか!電気代がかさみませんか?
島田様:
ええ、通常の会議室の倍くらい電気代はかかっています。でも、お客さんが入った瞬間に涼しい部屋になっていることの価値は計り知れません。最初の頃はいつ予約が入っても良いように1日中エアコンをつけて「夏はずっとエアコンをつけています」とアピールしていたのですが、その後、事前の予約にあわせたエアコン設定の仕組みを導入した後は、それをあえて書いていません。期待せずに来て、部屋が涼しかった時の感動の方が大きいからです。 その結果、「新宿区内ナンバーワンのレンタルスペースです」と感激してくださるヘビーユーザーの方がつくなど、固定客の獲得にも繋がっています。

ー 名古屋の店舗でも同じような集客を?
島田様:
名古屋の店舗でも、地域や周りの環境をしっかり視察して、ターゲット層のニーズを見極めることから始めました。不特定多数に向けて広く集客をかけるのではなく、「その場所の特性に合わせた用途」を意識して、求めている層にしっかりと情報が届くようSNS等での発信方法を工夫したんです。そのスペースを真に必要としてくれる特定の層に届けることさえできれば、十分にやっていけます。
ー そして、島田様の真骨頂とも言える「自作AI・IoTシステム」について教えてください。
島田様:
レンタルスペースの運営で一番手間がかかるのは、予約時間前の「事前入室」や「無断延長」への対応です。最初は防犯カメラの映像を確認していましたが、これが非常に労力のかかる作業でした。
そこで、人感センサーやカメラの映像をAIで解析し、入退室や人数を自動検知するシステムを開発しました。
ー ご自身で開発されたんですか!?
島田様:
はい。室内の明るさや人の滞在情報が、自動で予約時間とともにグラフ表示される仕組みです。これを見れば、わざわざカメラの映像を確認しなくても一目で状況が把握できます。その室温や湿度の推移なども記録しており、エアコンの遠隔操作もこのシステムから行っています。このシステムのおかげで、運営の手間を大幅に削減しながら顧客満足度を高められています。
一般のビジネスマンでも勝てる。次なる展望とM&A検討者へのメッセージ
ー 今後の事業展開について教えてください。パーティースペースなどを増やすお考えはありますか?
島田様:
パーティースペースはハロウィンや12月などの時期は非常に高い収益が期待できますし、ゴミ処理などのオプション収入もどんどん加算されます。ただ、汚損や騒音といったトラブル対応の負担が大きくなります。
ですので、私としては今後も貸会議室事業を進めていくつもりです。今は自分の3店舗で自作システムの精度を高めている段階ですが、将来的にはこのシステムを他のレンタルスペースオーナーに提供することも視野に入れています。
ー 最後に、これからTRANBIでM&Aに挑戦しようと考えている方へメッセージをお願いします。
島田様:
レンタルスペースのような規模のビジネスであれば、特別なコンサルタントは必要ありません。前のオーナーの運営を引き継ぐだけでも、しっかりと清掃を行い、当たり前の「お客さんの立場」に立って考えれば、確実に価値は出せます。
ー 「お客さん目線」が最大の武器になるのですね。
島田様:
そうです。「自分が使った時に、トイレが汚かったら嫌だな」「部屋が暑かったら嫌だな」と思うことを解消するだけです。競合他社は意外とそういう当たり前のことができていない場合があります。
規模の小さいビジネスであれば、一般の方でも十分に取り組めると思います。あとは「自分が管理する時間を確保できるか」どうかですね。サラリーマンの方だと時間的に厳しいビジネスもあるかもしれませんが、そうでなければ、基本的には「お客さんの立場でものを考える」だけでも十分にやっていけると思います。
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■今回買収した案件はこちら
「自走可能黒字レンタルスペース(名古屋駅地下1番出口徒歩1分)」
https://www.tranbi.com/buy/detail/?id=27477
■インベストメント・ファシリティーズ株式会社様が運営しているレンタルスペースはこちら
https://ifsgr.com/
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