2018-04-12

個人事業でもM&Aで事業承継ができる

女性用アパレル雑貨

今回ご紹介する事業承継・M&Aの成功事例は、個人事業主として女性用のアパレル雑貨の商品開発・卸売事業を営まれていた方が、新たに起業を目指す方に事業承継をした事例です。

トランビを通じて売り手様、買い手様がどのようにマッチングし、信頼関係を築くことができたのか、簡単にご紹介したいと思います。

個人事業主の事業承継は、M&A仲介会社には頼れない

今回の売り手であるR様の事業内容は、独自開発して意匠登録済の女性用アパレル雑貨商品の卸売・インターネット販売事業でした。当該商品は競合のない唯一無二の商品で、大手総合雑貨店等にも商流を持っていましたが、個人経営による負担も大きく、成長力に限界を感じていたそうです。

より事業を成長・発展させることのできる個人や企業に引き継いで頂けるのであれば、M&Aによって第三者に事業承継するという選択もあるのではないかと考えていました。

早速行動に移したR様。

インターネットで検索して見つけた大手M&A仲介会社に実際に訪問してみましたが、事業規模や仲介手数料等の点で全く折り合いませんでした。というのは、M&Aの仲介を専門に手がける会社は、ビジネスとして仲介業を営んでいますから、一定の企業規模があり手数料を取れる事業でなければ案件として受託することができません。

R様の事業は、個人事業主として経営をされていた小規模な事業でしたから、M&A仲介会社にとっては引受は無理な話だったのです。

とはいえ、事業の成長・発展のためにM&Aを検討しているR様は、M&A仲介会社に委託ができず困ってしまいました。そんなときに、相談で訪れていた事業引継ぎ支援センターで紹介されたのがTRANBI(トランビ)だったのです

手芸,工芸品

事業承継先の決め手は、買い手の情熱 ーM&Aで買収して起業ー

R様は、事業引継ぎ支援センターから紹介を受けてすぐにトランビに登録をされました。すると登録直後から問い合わせが入り、最終的には30件社超の引合いがありました。

一部のM&A仲介会社からは、個人事業を買い取りたい相手はいないと言われていたそうですが、短期間で多くの買い手候補からの問い合わせがあったことに、事業承継・M&AマーケットとしてのTRANBI(トランビ)の力にたいへん驚いたそうです。

では、多数の交渉相手がいる中で、最終的な事業承継先をどのように決められたのでしょうか?

それは、買い手の事業に対する熱意です。

今回のM&A案件のお相手となったF様は、R様が手塩にかけて育ててこられたこの事業に惚れ込み、初回交渉の時から、「この事業の後継者として相応しいのは自分しかいない」という意気込みで猛アピールをされたそうです。

R様もお話を伺い進めるなかで、F様のご経歴などから、自分が育ててきた事業をさらに成長させるために必要なノウハウを持っていると確信したようです。さらに、F様がこの事業に専念するために、サラリーマンとして勤務していた会社を退職し新たに会社を設立して独立すると申し出られたことから、R様は「F様ならこの事業をさらに伸ばしてくれる」と確信し、事業譲渡の決断に至りました。

実は今、F様のように起業のために、廃業危機にかる会社や事業承継先を探している会社を個人で買収する事例が増えています。このような形の事業承継を起業型事業承継と呼び、廃業問題に悩む中小企業の事業承継先として注意が集まりつつあります。

というのは、起業する側としては、顧客や製品などこれまで積み上げてきた資産を引き継ぐことができますからです。ゼロから事業を立ち上げるよりもリスクを抑えて新しいチャレンジをすることができ、とてもメリットが大きいのです。廃業で悩む中小企業が多数ある中、同じ事業をゼロから立ち上げようとしているヒトが一方で多数います。このような両者をマッチングできるのもインターネットサービスならではないでしょうか。

インターネットならではのスピードM&A

個人事業としてビジネスがシンプルだったこともあり、詳細なデューデリジェンス等はほとんどなく、トランビ上で交渉を開始してから引継ぎ完了までわずか2ヶ月弱しかかかりませんでした。F様とR様が直接お会いした回数は、引継ぎを含めて合計3回程度と、交渉は非常にスムーズに進みました。

お互いを誠意を持って交渉に臨めば、全ての打ち合わせで必ずしも直接会って話す必要はなく、インターネット上のやり取りであっても、信頼関係を持って交渉を進めることができたとのことです。逆に、毎回直接会っての交渉であれば、M&Aの交渉に取られる時間も多くなり負荷が大きかったかもしれません。オンラインとオフラインの交渉を上手く使い分けることで、スピード感を持って交渉を行えたのではないでしょうか。

今回は個人事業の売却ということもあり、譲渡金額は数百万円でした。この点についても、R様は、当時の業績水準を考えると納得感のあるものだったといいます。

一方注意しておくべき点としては、個人事業の事業承継の場合は、株式の譲渡によるM&Aとは異なり会社の資産すべてを売却するわけではないので、在庫や取引先、契約関係など譲渡対象となる範囲をしっかり決めておくことが重要とのことです。事業に関わる資産や契約のどこまでを事業承継の対象としているのか、その前提がズレてしまうと交渉がうまく前に進みません。少し手間ではありますが、事業売却の交渉に臨む前にリストとして整理するなどの準備をしておくと、後が楽になります。