M&Aプラットフォーム比較大全|主要サービスの違いと選定ポイント(2026年1月)
主要なM&Aプラットフォームを、登録者数・案件数・料金体系・特徴の観点から徹底比較。成約報酬型・月額型といったビジネスモデルの違いや、目的別に適したサービスの選び方をわかりやすく解説します。
登録者数・案件数・料金体系・特徴から見る、最適な選び方
スモールM&AやマイクロM&A、個人による事業承継が一般化する中で、「どのM&Aプラットフォームを使うべきか」という悩みを抱える人は年々増えています。
現在、日本には数多くのM&Aプラットフォームが存在し、それぞれが異なる料金体系、利用者層、サポート体制を持っています。
一見すると「案件が多い」「手数料が安い」といった分かりやすい指標に目が行きがちですが、料金体系や設計思想の違いは、想定しているM&Aの進め方やユーザー像の違いそのものでもあります。
本記事では、主要なM&Aプラットフォームを取り上げ、案件数・料金体系・特徴等の視点から整理し、それぞれが「どんな人に向いているのか」を解説していきます。
※本コラムの内容は情報公開時または調査時点(2026年1月)のもので、実際の内容と異なる可能性があります。
詳細については各プラットフォーム内の各種規定をご確認いただきますようお願いいたします。
「TRANBI」は、20万人以上のユーザーを抱える国内最大級のM&Aプラットフォームです。案件の掲載数は常時3,300件以上、未経験者によるM&A成約率は約75%に上ります。
無料の会員登録後は、M&A案件の最新状況が自由に閲覧できるほか、希望の事業を地域や業種、予算で検索可能です。気になる事業があれば、事業詳細をみて交渉をスタートできます。
Batonz(バトンズ)
Batonzは、国内最大級のM&Aマッチングプラットフォームのひとつとして広く知られています。
累計会員数は30万人超、案件数も非常に多く、スモールM&A分野において圧倒的な母数を誇るサービスです。
【特徴】
- 圧倒的な会員数・案件数
- 個人・個人事業主・中小企業オーナーまで幅広い利用者層
- 業種・地域を問わず案件数が豊富
- 売り手・買い手ともに登録しやすいUI設計
【料金体系(買い手)】
- 会員登録・交渉:無料
- 成約報酬型:譲渡金額の約2%前後(最低手数料 譲渡価格により35~150万円)
【向いている人】
- まずはM&A市場を広く見たい人
- 多数の案件を比較検討したい人
- 成約するかどうかは未確定だが、情報収集を重視したい人
M&Aサクシード
M&Aサクシードは、法人向け・中堅以上の企業を意識した設計のプラットフォームです。
審査制を導入しており、信頼性や成約確度を重視する設計が特徴です。
【特徴】
- 買い手・売り手ともに一定の審査あり
- 中堅企業・法人買収に強い
- 案件の質を重視する傾向
- 「お試しマッチング」機能により事前の準備なく候補企業の反応を見ることができる。
【料金体系(買い手)】
- 会員登録・初期交渉:無料
- 成約時、M&A専門家へのアドバイザリー手数料(担当アドバイザーにより異なる)
【向いている人】
- 明確に買収方針が決まっている法人
- 案件数よりも「質」を重視したい人
- 一定規模以上のM&Aを検討している人
M&A Cloud(クラウド)
M&A Cloudは、スタートアップ・成長企業領域にも強みを持ち、テクノロジーを活用した透明性が高くコスト効率に優れたプラットフォームです。
直接アプローチ型の設計が特徴で、資本提携や部分譲渡など柔軟なM&Aにも対応しています。
【特徴】
- 直接交渉型
- 出資・業務提携ニーズも多い
- IT・スタートアップ案件が比較的多い
- プラットフォームのアドバイザーに無料で相談ができる
【料金体系(買い手)】
- 会員登録:無料
- 成約報酬型:レーマン方式(最低手数料100万円)
【向いている人】
- スタートアップ・成長企業に関心がある人
- 出資・提携を含めて柔軟に検討したい人
fundbook(ファンドブック)
fundbookは、M&A仲介色の強いサービスで、専任アドバイザーによる支援が特徴です。
プラットフォーム型(案件公開型)とアドバイザリー仲介型(個別担当型)の双方の利点を取り入れ、ビッグデータマッチングと、専門家による手厚いサポートを行う「ハイブリッド型M&A仲介」に力を入れています。
【特徴】
- 専門アドバイザーが案件探索から成約まで伴走
- 中堅企業以上の案件が中心
- 実務サポートが手厚い
【料金体系(買い手)】
- 会員登録:無料
- 成約報酬型:レーマン方式(最低手数料2,500万円)
【向いている人】
- 初めてのM&Aで専門家の支援を重視したい人
- 規模の大きい案件を確実に進めたい人
M&Aナビ
M&Aナビは、オンライン完結型を志向したプラットフォームです。
比較的スピーディな進行を売りにしており、AI活用による自動マッチングや企業価値算定、チャット機能での直接交渉などの機能が充実しています。
また、独自の事業承継・M&A業務管理システム「MAナビクラウド」を提供しています。
【特徴】
- オンライン完結型
- 多数オファー機能
- 手軽に使いやすい設計
【料金体系(買い手)】
- 会員登録:無料
- 成約報酬型:レーマン方式(最低手数料20万円)
【向いている人】
- スピード感を重視したい人
- 比較的ライトなM&Aを検討している人
スピードM&A
その名の通り、「スピード」を前面に出したプラットフォームです。
成約まで平均3ヶ月と短期間での成約を想定した設計で、特にwebサイトや飲食店、小売業などの小規模なM&Aに強みを持っていることが特徴です。
【特徴】
- 平均成約期間が短い
- シンプルなUI
- 小規模案件中心
【料金体系(買い手)】
- 会員登録:無料
- 成約報酬型:レーマン方式(最低手数料20万円)
【向いている人】
- 早期に事業を引き継ぎたい人
- シンプルな案件を探している人
ラッコM&A
ラッコM&Aは、Webサイト・EC・メディア売却に特化したプラットフォームです。
対象サイトの価値の即時判定や、エスクローサービスなど、豊富なオンライン機能を有している特徴があります。また、弁護士監修の契約書を無料で生成でき、電子契約が行えるなど、オンライン機能が充実しています。
【特徴】
- Web・EC・アプリ案件特化
- 案件内容が分かりやすい
- 個人利用者が多い
【料金体系(買い手)】
- 会員登録:無料
- 成約報酬型:譲渡価額の5%(最低手数料5万円)
【向いている人】
- Web事業を買いたい人
- オンライン完結型ビジネスを探している人
M&Aプラス
M&Aプラスは、FA(ファイナンシャルアドバイザー)紹介色の強いサービスです。
厳正な入会審査を通ったFAのみが利用し、売り手・買い手の双方に担当FAがつくことで中立性と公平性を保った取引を実現しています。
プラットフォームの利用料金は無料で、担当したFAへのレベニューシェアの支払いのみであることが特徴です。
【特徴】
- 専門家紹介型
- 個別相談に強い
【料金体系】
• プラットフォームの利用料金は無料 • 成約時、FAへの個別報酬(担当FAにより異なる)【向いている人】
- プラットフォームの利用料金は無料
- 成約時、FAへの個別報酬(担当FAにより異なる)
MAfolova(マフォロバ)
MAfolovaは、業界唯一の「非公開型」で、売り手情報を公開せずに、ニーズにマッチした買い手をM&Aアドバイザーがマッチングしていくことが特徴です。 手間をかけずに質の高いマッチングを秘密裏に進められるアドバイザー仲介型のプラットフォームです。
【特徴】
- 「非公開型M&Aプラットフォーム」
- アドバイザー仲介型
【料金体系】
- 会員登録:無料
- アドバイザー仲介型:譲渡価額の1.5%(最低手数料100万円)
【向いている人】
- 表に出ない案件を探したい人
- 秘密性を重視したい人
TRANBI(トランビ)
TRANBIは、成約手数料ゼロ・月額プラン制という独自の料金体系を採用しています。
累計会員20万人を超え、常時3,300件以上の案件掲載数を誇る国内最大級のM&Aプラットフォームです。
スモールM&A・個人M&Aとの相性が非常に高い設計となっていますが、多くの上場企業も利用するなど、会員分布・案件規模分布ともに幅が広いことが特徴です。
また、買い手は交渉に際して本人確認および月額プランへの加入が必要となり、安心安全で活発な交渉が可能な仕様となっています。
【特徴】
- 成約手数料なし
- 複数案件の同時検討が可能
- 本気度の高い交渉が集まりやすい
【料金体系(買い手)】
- 会員登録:無料
- 月額プラン型:交渉時に譲渡希望価格に適用する月額プラン
- 成約時:成約手数料なし
【向いている人】
- スモール・マイクロM&Aも検討している人
- 複数事業の取得を視野に入れている人
- 実行フェーズに入っている人
M&Aプラットフォームの「ビジネスモデル」の違い
──成約報酬型・月額型・仲介型は何が違うのか
M&Aプラットフォームを比較するうえで、最も重要な視点のひとつが「ビジネスモデルの違い」です。
登録者数や案件数、料金の安さだけを見てしまいがちですが、実は各サービスの料金体系は、そのまま「どんなM&Aを増やしたいか」「どんな利用者を想定しているか」を表しています。
現在のM&Aプラットフォームは、大きく以下の3つのモデルに分けることができます。
成約報酬型モデル
成約報酬型は、多くのM&A仲介会社やマッチングサイトで採用されている、最も一般的なモデルです。
交渉や相談の段階では費用が発生せず、M&Aが成立したタイミングで、譲渡金額に応じた手数料が発生します。
このモデルの最大の特徴は、「成約するまで費用がかからない安心感」にあります。そのため、
- M&Aを実行するかどうか決めきれていない
- まずは市場感を知りたい
- 案件をじっくり比較検討したい
といったフェーズの買い手にとって、非常に相性が良い設計です。
一方で、買収が成立した場合には、数十万円〜数百万円、規模によってはそれ以上の手数料が発生するため、取引規模が小さい場合ほどコスト負担が相対的に重くなるという側面もあります。
月額型モデル
月額型モデルは、交渉に参加する段階で一定期間の利用料を支払う代わりに、成約時の手数料が発生しない、あるいは極めて低く抑えられているモデルです。
このモデルは、
- 実際に買収する前提で動いている
- 複数案件を同時に検討したい
- 1件だけでなく、将来的に複数事業の取得も視野に入れている
といった「実行フェーズに入った買い手」を強く意識した設計になっています。
交渉開始時点でコストが発生するため、慎重派の人にはハードルに見えることもありますが、その分、本気度の高い交渉が集まりやすく、交渉の質が安定しやすいという特徴があります。
料金を先に支払うことで、買い手自身の意思決定が明確になり、売り手側から見ても「真剣な相手」として認識されやすくなる点も、月額型ならではの特徴です。
仲介型モデル
仲介型は、専任のM&Aアドバイザーが案件探索から条件調整、クロージングまで深く関与するモデルです。
プラットフォームというよりも、「専門家による伴走支援」に近い位置づけになります。
このモデルは、
- 初めてのM&Aで不安が大きい
- 条件交渉や契約面まで手厚くサポートしてほしい
- 中堅企業以上の比較的大きな取引を確実に進めたい
といったケースに向いています。
その分、手数料は高額になる傾向がありますが、専門知識・実務対応を外注できる安心感を重視する人にとっては、合理的な選択肢と言えるでしょう。
料金体系は「コスト」ではなく「思想」
このように、成約報酬型・月額型・仲介型の違いは、単なる料金の高低ではありません。
それぞれが、「どのフェーズの利用者を想定しているか」「どんなM&Aを増やしたいか」という思想の違いを反映しています。
重要なのは、どのモデルが優れているかではなく、自分が今どのフェーズにいるかを見極めることです。
この視点を持つことで、M&Aプラットフォーム選びは、ぐっと合理的で納得感のあるものになります。
よくある質問(FAQ)|M&Aプラットフォーム選びの疑問
Q1. M&Aプラットフォームは複数登録しても問題ありませんか?
はい、複数のM&Aプラットフォームに登録すること自体は問題ありません。
実際、多くの買い手は1つに絞らず、目的やフェーズに応じて使い分けています。
情報収集段階では成約報酬型で市場感を掴み、実行フェーズに入ったら月額型や仲介型を併用する、といった使い方も一般的です。
ただし、同一案件に対して複数ルートから同時にアプローチすると、売り手側に混乱を与える可能性があるため、交渉開始後は窓口を整理する意識が重要です。
Q2. 買い手はどこまで無料で利用できるのですか?
多くのM&Aプラットフォームでは、会員登録や案件閲覧までは無料となっています。
一方で、交渉開始時や成約時に費用が発生するケースが一般的です。
成約報酬型では「成約するまで無料」、月額型では「交渉に参加する時点で有料」といった違いがあります。
どこから費用が発生するのかは、プラットフォームごとに大きく異なるため、「無料」という言葉だけで判断せず、料金が発生するタイミングを必ず確認することが大切です。
Q3. 成約報酬型と月額型、結局どちらが安いのでしょうか?
一概にどちらが安いとは言えず、M&Aの規模や進め方によって異なります。
1件だけ確実に買う前提であれば、成約報酬型の方が総コストを抑えられる場合もありますが、最低手数料の設定がある場合には、月額プラン料金×契約期間を上回ることも珍しくありません。
逆に、成約までに数年を要する場合などは、月額プラン料金の支払い総額が増える可能性も起こりえます。交渉やデューデリジェンス等に多くの時間を割く案件の場合、譲渡金額が高額になることがほとんどですので、結果的に成約報酬も増加するケースが多くなると思われます。
また、複数案件を同時に検討したい場合や、将来的に複数事業の取得を考えている場合には、成約手数料がかからない月額型の方が結果的に安くなるケースも少なくありません。
重要なのは、「何件くらい検討するのか」「成約までにどれくらい時間をかけるか」を踏まえて判断することです。
Q4. 個人や個人事業主でもM&Aプラットフォームは利用できますか?
はい、多くのM&Aプラットフォームは個人や個人事業主の利用も想定しています。
特に近年は、個人による事業承継やスモールM&Aが一般化しており、個人利用を前提とした設計のサービスも増えています。
ただし、法人向け色の強いプラットフォームでは、案件規模や審査基準の関係で、個人が利用しにくいケースもあります。
自分の立場(個人・法人)や想定する案件規模に合っているかを確認することが重要です。
Q5. 案件数が多いプラットフォームを選べば成功しやすいですか?
案件数の多さは重要な指標のひとつですが、それだけで成功が決まるわけではありません。
案件数が多いプラットフォームでは選択肢が広がる一方で、交渉の本気度にばらつきが出やすい傾向もあります。
逆に、案件数が比較的少なくても、審査制や月額制によって、真剣度の高い交渉が集まりやすい環境を作っているサービスもあります。
「自分がどの程度の確度でM&Aを進めたいか」によって、最適な選択は変わります。
Q6. M&Aプラットフォーム選びで最も大切なポイントは何ですか?
最も大切なのは、自分が今どのフェーズにいるかを正しく理解することです。
情報収集段階なのか、具体的に買収を進めたいのかによって、適したプラットフォームは大きく異なります。
料金の安さや知名度だけで選ぶのではなく、
- 想定する案件規模
- 検討スピード
- サポートの必要性
といった観点から総合的に判断することが、納得感のあるM&Aにつながります。
まとめ:M&Aプラットフォーム選びは「今の自分の立ち位置」で決まる
M&Aプラットフォームは、「どれが一番優れているか」で選ぶものではありません。
どのフェーズにいて、何を目的としているかによって、最適な選択は大きく変わります。
情報収集や市場理解が目的であれば、成約するまで費用が発生しない成約報酬型のプラットフォームは、心理的にも使いやすい選択肢です。
案件数の多さや幅広い業種を眺めながら、自分の買収方針を固めていく段階には向いています。
一方で、「実際に事業を引き継ぎたい」「複数の案件を並行して検討したい」「本気でM&Aを進めたい」というフェーズに入った場合、料金が発生するタイミングや設計思想が異なる月額型・仲介型のサービスが、結果的に合理的になることも少なくありません。
- 複数プラットフォームの併用は一般的であること
- 案件数の多さ=成功ではないこと
- 料金の安さではなく、進め方との相性が重要であること
これらを理解した上で選択することが、M&Aを前向きに進める近道になります。
料金体系は単なるコストではなく、「どんなM&Aを想定しているか」「どんな利用者を想定しているか」を表す設計そのものです。
自分が今どの段階にいるのか、これからどの程度のスピードと確度でM&Aを進めたいのか。
その答えを整理したうえでプラットフォームを選ぶことが、納得感のあるM&Aにつながる第一歩になるでしょう。