2021-08-17
TRANBIを見る日課がトレーニング!?仕事と育児に奮闘中の女性が4年間見続けて一目ぼれしたのは、海外高級チョコのEC
買い手(個人):本間さん
<個人の副業を目指したM&A・買収事例>
- ➤ ギフト繋がりで本業とシナジーが出せる、チョコレートのECに注目
- ➤ 強みは仕入先とのパイプ、M&Aの魅力は立ち上げが難しい事業を経営できること
- ➤ 交渉の秘訣!相場より割高でも、納得できるなら値引き交渉はしない
- ➤ TRANBIを何気なく眺めることがM&Aへのトレーニング
固定費が掛からない、在庫を抱えない、時間の融通が利く。この3つの条件が揃った案件は、リスクを抑えて始めやすいからという理由で、TRANBI内でも個人M&Aを考える方から人気があります。
今回ご紹介する買い手・本間様は、本業を別にもち、かつ小さなお子様を育てるお母様という事情から、3つの条件に当てはまる案件を探していました。そして、もう1つの軸と考えていた“本業と相乗効果が生み出せる”点にも該当した、海外の高級チョコレートを輸入販売するEC案件と出会いました。
TRANBI自体は何年もの間、日課のように眺めていて、今回の案件を見た瞬間に一目ぼれしたとのこと。千載一遇のチャンスをいかにして掴み取ったのでしょうか?買い手として選ばれるポイントなどを伺ってきました!
【ギフト繋がりで本業とシナジーが出せる、チョコレートのECに注目】
- まずはご本業について教えてください。
フラワーデザイナーの方と一緒に、花束やフラワーアレンジメントをオーダーメイドで製作したり、花をあしらった母の日用などのポスターを商業施設から依頼されてデザインしたり、花にかかわるイベントを開催したりしています。私は主にHPやEC、SNS等の運用業務を担っています。
- 今回は副業目的でM&Aをされたとのことですが、どのようにしてM&Aに興味を持ったのですか。
実は、花のお仕事をする前に飲食店とショップを経営していたんです。ただ、子どもが小さいために店頭に立ち続けることが難しくなって。結局、スタッフにお店を譲りました。
事業を譲った経験があったため、M&Aに特別難しそうなイメージや抵抗はありませんでした。周りの経営者仲間の間でも、「今度この事業を買うんだ」といった会話もよく耳にしたため、副業を考えた際にも「自分でゼロから始める以外に、事業を買って始める手段もありだ」と考えていました。
それで、3~4年ほど前からTRANBIで毎日のように案件を探していて。ただ、「今すぐ買いたい」と思って見ていたわけではなく、趣味や日課のような感じで眺めていました。
もちろん魅力的な案件もたくさんありましたが、自分の力でできる範囲・金額・地域などの条件と照らし合わせて考えてみると、申し込みに至るまでの案件はありませんでした。
- 初めて買い申し込みをされたのが、今回M&Aを行った「ヨーロッパの高級チョコレートを輸入販売するEC事業」。どんなところに魅力を感じましたか。
一番は、本業であるお花の事業との相乗効果が期待できることです。ギフトを贈るときに、「お花と、あと少し何か添えたいな」と思うシーンがありますよね。そのときに、チョコレートなら「どうぞ」と提案しやすいと思ったんです。
「お花を贈りたい」と思う方の多くは、経済的に余裕があって、かつ「相手に喜んでもらいたい」という気持ちが強い方です。今回のECは、ヨーロッパで100年以上の歴史を持つ有名ブランドのチョコレートを日本でほぼ独占販売しており、個性的なフレーバーも取り扱っているということで、ターゲットとなる方に興味を持ってもらえる商品なのではと思いました。
まだ子どもが小さくて、現場に出なければいけないタイプのお仕事は厳しかったため、店舗も在庫も持たない形態で時間の融通が利く点も条件に合っていて。予算である500万円以内の案件だったこともあり、すぐに買い申し込みをしました。
- ちなみにチョコレートはもともとお好きだったのですか?
はい。以前経営していた飲食店では、ベルギーのヴァローナ社のチョコレートを仕入れてスイーツに仕立てていたため、縁も感じました。
あとは、一緒にお花の事業をしているフラワーデザイナーも含めて、周りに美味しいもの好きな人やチョコレート好きな人が多くて。周りから美味しいチョコレートを贈ってもらう機会も多かったため、私がチョコレートのECを運営したら周りの人も喜んでくれるだろうし、いろいろアドバイスを貰えそうだとは思いました。
(本業であるお花関連のお仕事をする本間さん)
【強みは仕入先とのパイプ、M&Aの魅力は立ち上げが難しい事業を経営できること】
- 交渉はどのように進んでいきましたか。
案件概要を見た段階ですごくピンと来て、「ぜひ買いたい!」という気持ちが高まっていたのですが、2020年11月に始められたばかりの事業をなぜ売りに出されたのかとM&A成立後のサポート体制については確認が必要だと思ったため、交渉の中で伺いました。
売り手様は、チョコレートの仕入れ先である卸会社さんとの出会いをきっかけにこの事業を始めたそうです。オープン初期に知名度を広げるには広告宣伝活動に時間を掛けなければなりませんが、別の事業でお忙しくてなかなかその時間が取れなかったようで。「宣伝活動が得意で時間を割ける方に譲りたい」と思って売却を決意されたと聞き、納得しました。
私は本業でサイトやSNSの運用をしているので、ある程度足りない部分を補えることに貢献できそうだと見込みがありました。
事業がまだ軌道に乗っていない状態でしたが、始めて数カ月で大きな売上を出す方が難しいので納得していました。売り手様も正直に「売上の確約はできない」とおっしゃっていました。
- 交渉の過程で印象的だったことはありますか。
仕入れ先の卸会社さんとの出会いです。売り手様に紹介いただいてお会いしたのですが、初めてのジャンルゆえに輸入のことやロットのことについて無知な私に対しても、とても丁寧に説明をしてくださって。大きなスーパーにも食品を卸している企業様なのに、一個人にも親切かつ気さくに対応してくださってありがたかったです。
チョコレートは、注文を受けてヨーロッパから取り寄せる場合もありますし、卸会社さんの倉庫に在庫があればすぐにお届けできる形になっています。海外からチョコレートを輸入するということで温度管理なども難しいそうですが、そこは卸会社様の専門技術とノウハウで全面バックアップしてくださるため安心できました。
改めて今回の案件は卸会社様と事業を立ち上げてくださった売り手様がいたからこそ、経営できることにつながった、M&Aならではの案件だと魅力を感じました。自分一人では到底立ち上げられなかったと思います。
(今回購入された海外高級チョコレート事業)
【交渉の秘訣!相場より割高でも、納得できるなら値引き交渉はしない】
- 価格交渉などは行いましたか。
実は、TRANBIでマルチプルの価格算定をした際には譲渡希望金額より数十万円以上低い金額が出たんです。そのため、「割高なのかな…」という気持ちもありました。
でもここで値下げ交渉したら真っ先に交渉相手から外れると思いましたし、「絶対に欲しい!」と思った案件だったので、損して得取れじゃないですけど、あえて交渉はしませんでした。
交渉を気持ちよく進めてもらうことができますし、売り手様の見えないご苦労もきっとあるかと思います。それに配慮した上でお金を払うことに自分も納得しているなら、世間的に見て割高でもいいという判断ですね。
サポート期間についても、ありがたいことに期限などは設けられず、「わからないことがあれば、いつでもご連絡ください」と言ってくださっています。ECを本格運用するうちに新しい不明点が出てくるでしょうから、手厚くサポートいただけるのは助かります。
- 交渉や手続きで戸惑ったことはなかったですか。
TRANBIは使いやすく、ガイドを見ずともスムーズに進めることができました。
唯一、売り手様が用意してくださった契約書については、公認会計士に確認を依頼しました。基本的に交渉は口頭で行ったため「事業譲渡後に虚偽が発覚した場合は違約金や返金を要求できる」という項目や、「今後、私が仕入れた分からマージンを取ることはしないでほしい」というような項目だけ、追加で含めていただきました。
(海外で販売されている様子)
【TRANBIを何気なく眺めることがM&Aへのトレーニング】
- M&Aを終えて、現在のフェーズや今後の展望について教えてください。
ECの運用が落ち着いてきたら、百貨店催事などに出店してみたり、せっかくヨーロッパのチョコレートを独占販売させていただくので自分たちでもイベントやパーティーを催したりしてみたいです。
また、チョコレートは冬によく売れる一方で、夏場は売上が伸び悩んでしまう商品特性があって。通年で安定した売上をあげるためにも、チョコレートを使った商品を新たに企画・開発したいとも思っています。
- 今後、M&Aへ挑戦する方に向けてアドバイスをお願いします。
実は、今回のM&Aに興味を持った私の友人もTRANBIを使い始めたのです。そのフットワークの軽さは素晴らしかったのですが、ジャンルも特に決めず思い付きでとりあえずいろいろ申し込んでみたところ、なかなか成約に至らなかったようで…。
その話を聞いて、やはり「案件を選ぶ上での軸」や「案件を買う理由」など、何か1つでも譲れないポイントを持っておくことは大事だと感じました。
また、3~4年間、日課のようにTRANBIを見ていたことが良いトレーニングになっていたのかもしれないと今になって思います。金額的に買える案件かどうかは一旦置いておいて、さまざまな案件を眺めて「こういう風に運営してみたら売上が伸びそう」などと想像を膨らませていたことで、M&Aのシミュレーションができていたのかなと。
ぜひまずは雑誌を読むくらいの気分で、TRANBIを眺めるところから始めてみるといいのではと思います。売り主の方にもいろいろな事情があるため手放しに喜べるわけではないですが、コロナ禍だからこそ市場に出てくる魅力的なM&A案件もあるはずで。買い手にとっては今が好機だと思います。
- 最後に、せっかくの機会ですので取り扱っている商品の特徴を教えてください。
スタンダードなチョコレートに飽きてしまった方や、「ちょっと尖ったものが欲しいな」「変わったものを試してみたいな」という方にも喜んでいただけるような変わり種のチョコレートもご用意しています。
取り扱っているのは4ブランドのチョコレートで、中にはファーストクラスで提供されている商品もあります。また、変わり種では「ほうれん草のフレーバー」のチョコレートもあるんですよ。セットの中に1個入っていたら、試しに食べてみたくなりませんか。
外出もしづらく、旅行にも行けず、ストレスが溜まりやすいご時世ですが、お家でチョコレートを食べて少しでもリラックスしていただければと思います。幸せを願うお相手に向けても、ぜひチョコレートを贈ってみてください。
***買収した事業の内容が気になる方はこちら***
サイト:「CHOCOLATE STORY」
URL:https://chocolatest.official.ec/
Instagram:@chocolatestory_jp
※現在準備中、11月より販売開始予定とのこと
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ライター紹介倉本祐美加
関西学院大学卒業後、クラウド製品を扱うIT企業のインサイドセールス職を経て2016年にライターとして独立。企業取材を中心としたインタビュー原稿の制作に従事していますが、エンタメ・スポーツ・文化等幅広く好みます。