2023-03-14

赴任すれば生徒が2倍になる伝説の塾経営者!迫る少子化を見据えた新たな一手とは?

買い手(法人):株式会社トリプルファイブコーポレーション

<中小企業の新規事業を目指したM&A・買収事例>

 

徳島県で学習塾事業を手掛ける、株式会社トリプルファイブコーポレーション。現在代表取締役社長を務める森英樹さんが自ら立ち上げた会社です。

学習塾運営を軌道に乗せ、未来を見据える中でM&Aを活用し、全く異業種である漫画のネット販売や美容院などの新規事業を精力的にスタートされています。

森さんが目指すのは、100億円企業。会社の道筋をつくり、早く次世代メンバーに渡したいとのこと。

森さんの これまでのストーリーや事業成功の秘訣とも言えるカスタマーホスピタリティについて詳しくお伺いしました。

【生徒が集まる塾とは?合格実績を掲げないのが私の方針】

- まず、森さんのキャリアについて教えてください。
さまざまなビジネスを経て、30歳のときに、学習塾を経営する大手企業に入社しました。和歌山に赴任し、副責任者として管理していた校舎は、生徒数1,700人を抱えていました。

その後、個別部門を担当。ゼロから10億ずつ売上を毎年伸ばし、気づけば役員になっていました。 当時は1年間の半分以上全国を飛び回っていたほど忙しい毎日でした(笑)。

そんな中、 父親が病気になったとの連絡を受け、自分の人生を改めて見つめなおすことになり、2015年11月末、52歳で退社し、地元・徳島に戻ってきました。

- 徳島ではどんなことを始められたのですか。
学習塾運営の経験を活かし、 新しい学習塾をつくろうと思いました。ただ、前職でも学習塾を経営する会社の役員をしていたため私の元部下と競合する関係にありました。

このままでは仕事に遺恨を残すことになり、私がフランチャイザーとしてつくってきた部門を、 今度は自分がフランチャイジーとして受けることにしました。自分が正しかったことを証明するチャンスでもありました。 結果、 フランチャイジーの中でもありがたいことに全国ナンバーワンの実績をつくっています。

- どうやってナンバーワンまでに至ったのでしょうか?
実は 私には伝説がありまして(笑)、前職で毎年生徒数50名の地域に4月に赴任したところ、10月には180名まで増えたんです。「このままなら来年は250名になるな」と思った矢先、異動になり、別の人が担当したところ、また50名に戻るんです。

生徒数が900名から下がり続け700名になった徳島県を担当したときには、約3年で1300名まで増えました。その後、大阪本社に戻り、役員になりましたが、他のメンバーが担当したところ、4年で700名に戻るという結果に・・・。

- 生徒数が2倍にも増えるというのは、すごいですね。森さんと他の担当者との違いはどこにあるのでしょうか。
ノウハウは多岐にわたるので、説明がしにくいです。でも言えることは、 1つ1つのことに対する情熱と気配りと目配りです。

私は どれだけ忙しくても、毎週全支店をまわり、困っていることがないか、今の状況はどうだと質問し、話を全部聞きます。 一方、次の責任者の姿は、一度も見かけたことがないと聞きました。 行かない人の言い訳は、いくらでもあるんです。「回っていくと、みんなが緊張して仕事がしにくいかもしれない。だから、見回りをやめます」とかね。ただ、関わり方が全てだと思うんです。

あと、ダメな塾は「北風と太陽」で言うと、北風のように強引にお客さんを集めようとするんです。私はお客さんを集めようとはしていません。 今のお客さんが「快適だ」「楽しい」と感じる状態をつくれば、何もしなくても口コミで人が増えていくんです。

- 集客できる理由について、もっと詳しく教えてください。
日頃から、とにかく保護者の方との連絡を密にしていることでしょうか。あとは、学習塾の雰囲気も、スタバのように落ち着いて過ごすことができる空間を作っています。 よく塾で見かける「A高校、●名合格!」のような紙も、貼りません

なぜかといえば、今年50名なら、来年は51名にする必要があります。再来年には52名です。少子化で子どもが減っているのに、そんな風になるわけがないんです。 数字を打ち出していく限り、必ず嘘が出てきます

- 納得です。合格者数を打ち出す代わりに、森さんは保護者に何を話されるんですか。
私たちがいつも言うのは 「行きたい学校へ行くお手伝いをします」です。例えば、A高校の志望者10名が、全員合格した。翌年A高校の志望者は0だった。これは塾の実績が下がったわけではありませんよね。

でも、一般の塾は、この意見は通らないでしょう。ただ、私たちは、1人1人の夢を、1人1人が叶えるとの思いで取り組んでいます。その考えが保護者の方々に浸透している結果が、塾としての規模拡大につながっているんだと思います。



(今回取材を伺った森さん)

【24時間365日保護者と向き合う、他塾との差別化が成功の秘訣】

- 他にも、他の塾との違いはありますか?
毎日、自習室に50人くらい人が集まるのも、かなり珍しいことだと思います。ただ、それは静かな環境を整えているからです。

あとは、 受講科目以外も、すべて無料で質問に対応しています。先生がずっと付き添っているわけではなく、空いている先生や,他の先生が授業の合間に質問に答えるイメージです。

他にも無料で取り組んでいることは多いですよ。 例えば、自己推薦書のような書類作成、面接練習、プレゼンの手伝い。普通の塾は、こういったことをしたがりません。それは利益に関係ないからです。うちは、他がしたがらないことを全部やります。

- 入塾、退塾のルールも他の塾とは大きく違うんですよね。
はい、 今日辞めた生徒には、明日からの授業料を返金します。こんな塾は、おそらく他にないと思います。

辞めるときは、すぐに辞められる。でも、入るときには、なかなか入れません。入塾希望者には、1人30分の面談と体験、そして再び入塾判定をします。

他の塾とは全く逆です。他は、すぐに入れるけれど、なかなか辞められないでしょう。

だから、授業態度の悪い生徒には 「辞めなさい。うちは紳士淑女の卵を育てているのだから、礼儀作法ができないような人間はいらない」と言います。生徒は「先生、置いてくれ」って泣きますよ。だから、子ども側も守るべきラインを理解しているんです。

10分間の休み時間も、まるで文化祭のように、子どもたちはにぎやかに過ごしています。でも、授業のチャイムが鳴った瞬間、静粛になります。子どもたちがルールを理解して、自らとっている行動です。

- 24時間356日、保護者と連絡がとれる体制だと伺いました。
はい、今、24時間365日連絡がとれる塾は、絶対ないと思います。みなさん勤務時間があるし、プライベートに保護者や生徒に関わりたくない。でも、 そんなありえないことを実現しているのが、私たちの塾です。

私も、 ゴールデンウィーク中、ハワイのワイキキで水着の時にメールで質問を受けたこともありますよ。

でも、 だからこそ、営業が不要になるんです。営業にかける時間を、生徒1人1人の悩みや進路に使うことができるため、全力で取り組むことができます。

ただ、最後は本人のやる気であることは、保護者の方にもしっかりお伝えしています。 「塾に来ただけで成績が上がることはありません。でも、塾で一生懸命頑張ったら、成績が上がります」と。

子どもとの距離が近く、アットホームな環境。でも、一定のラインが引かれている。守るべきルールがあり、子どもたちもきちんと守っている。 アットホームだけど厳しい。でも、とことん面倒を見てくれる。うちは、そんな塾です。

- 学習塾としての利益について教えてください。
現在の生徒数は、3校で合計350名くらいです。売り上げは約1.5億円です。 学習塾が成功すれば、かなり売り上げが大きいことがお分かりいただけると思います。

利益もかなり大きいですよ。

- 少子化、人口減少社会が学習塾運営に与える影響について、どうお考えですか。
今、日本の人口は1億2,500万人、世界の中では人口が10位ですが、毎年79万人ずつ減少しています。

70万人は自然減ですが、9万人は社会減。いわゆる外国に出ていく人たちです。徳島県の人口は、72万人ですから、 1年ごとに徳島の人口プラス7万人が減っている、とんでもない状態になっています。

小学1年生から高校3年生を塾のターゲット人口とした場合、徳島県の場合は、2018年にピークを迎えました。ただ、ピークを山頂だとすると、山頂は少しなだらかです。2021、2022年ごろから、少しずつ描くカーブが落ちていきます。

- 既にピークを迎えているんですね。今後の見通しはいかがですか。
私たちはかなり強い学習塾のため、2025年までは、まだ売上は伸びると考えています。自分の中で考えるピークの2025年から、2〜3年は、残存利益で横ばいになるだろうと。うちは体力があるため潰れませんが、耐えきれずに潰れた塾から生徒が集まり、一強になると推測しています。

それでも、 2028年ぐらいを過ぎたら、人口減の壁を越えることは難しくなるだろうと思っています。そしてその後、塾の在籍数は、毎年のように減っていくと読んでいます。

そうなると、何の楽しみもないですよね。私はすでに引退しているかもしれませんが、若いメンバーは、毎年減少するようなビジネスは何も面白くないでしょう。そこで、次の手を打つことに決めました。



(運営されている塾)

【シルバー事業で大損失!諦めず世界の需要をもとに多角化へ】

- 森さんが次に打った手とはどういうものだったのでしょうか?
シルバー事業をはじめることにしました。そこで2020年3月、神戸にデイケアサービス1号店を出店しました。しかし3月末に、新型コロナウイルス感染症の拡大により学校が休校。感染を恐れて、人が外に出なくなり、もうさんざんでした。

もし、コロナがなければ、今頃は神戸にデイケアサービスを5店舗ぐらい出していたはずです。 ただ、毎月70万円ぐらい赤字が出続けたことで、このままでは会社が持たないだろうと判断し、タダ同然のお金で事業を近隣のデイケアサービスにお譲りしました。

- 再び塾に注力することにされたんですね。
はい、でもそれでは未来は何も変わっていません。そこで、 次に目をつけたのが、ネット販売事業です。今の世界人口は79億人ですが、96億人まで増えるといったデータもあります。そこで、国内ではなく世界に向けてものを販売することを決めました。

ただ、ネット販売事業はこれまでに関わったことがありません。個人としてはAmazonや楽天を使っていますが、販売経験はゼロです。TRANBIに登録して、最初の3〜4ヶ月は閲覧を続けました。その後、いくつかオファーを出しながら成立に至ったのが、今回の漫画本をEC販売する事業の譲渡案件でした。

- 今回の案件に目を付けた理由を教えてください。
私は、前の会社で、“日本”を世界に売り出すお手伝いをしていたことがあります。

世界から見ると「クールジャパン」の人気は、圧倒的にアニメです。全世界どこへ行っても「ポケモン」が通じる。 日本は、世界の中では“アニメの国”なんだなと感じました。

「呪術廻戦」「SPY×FAMILY」「僕らのヒーローアカデミア」も見てますし、今度「ブルーロック」を見るつもりです。

世界に打って出る足掛かりとしてまずは1つ人気のコンテンツから始めてみようということで、今回の案件を2022年11月末に購入しました。

- 購入後の展開について教えてください。
譲渡後、12月からAmazonやメルカリでの販売を始めました。19日間で、売上は200万円くらいです。 国内向けの販売でも注力すれば年間売上高1億円は到達することがわかったので、一旦体制を整えることにしました。

今は、いくつかの仕入れ業社さんと交渉中です。楽天やYahoo!ショッピングへの参入も考えており、いよいよ本格的にネット販売を開始します。

ただ、あくまでも私たちが目指すのは世界です。今は、準備段階と捉え、段ボールのサイズや中に入れる紙の名前、緩衝材の種類、各社の発送方法などノウハウを覚えています。

ゆくゆくは海外、例えばeBayやAmazonFranceやAmazonEnglandなども含め、海外進出するための今は前段階という位置づけですね。

- 世界進出に関してもM&Aを使いたいとお伺いしました。
はい、私たちはアニメだけにこだわっているわけではありません。 今、実際に世界と取引している会社を、どこかで丸々購入しようと思っています。

購入先に関しては、何を売っている会社のM&Aなのか、まだ見当もつきません。 でも、例えば日本のみかんや和牛など世界に打って出られる商品を販売している会社があれば、また買収したいと思っています。



(買収事業で扱っている漫画)

【60歳で引退、若手が夢を実現できる会社を早く作りたい】

- 新たな取り組みについても教えてください。
はい、 シルバー産業に今度はヘアカラーで進出します。これは3年前からの計画ですが,ついにこの4月から進出となります。かなりワクワクしています。まずは徳島最大の人気の藍住です。次に徳島駅前に進出予定です。

年末には,徳島でここも人気の田宮街道に焼肉店を出す準備にもはいりました。

- 将来の目標について教えてください。
勝負の2028年までに、会社を30社、40社と、どんどん大きくしていきたいです。そして、私が退いた後も若いメンバー、後進のメンバーが未来を描ける状態にしたいと思っています。

今、日本のパイは少ないですが、ネット販売事業の世界進出を成功させ、売上が上がっている状態にできたなら、、また新しいアイデアが生まれ、相互の事業がリンクできるはずです。

また 新しい事業を加えることで、地元のおじいちゃん・おばあちゃんに働く場の提供が可能だと考えました。

倉庫のような場所を作って、みんなでワイワイ言いながらやればいい。少しでも地区に貢献し、地域にお金を落としていきながら、事業を展開できたらなと思っています。

- 森さんにとっての「仕事」について教えてください。
60歳になったら引退したいと思っています。まだ会社が若いので、今すぐには実現できませんが、道筋をつくったら会社を部下に任せたいんです。

でも今は、とにかく仕事が楽しくて仕方がありません。これは、本当にありがたいことです。なぜかと考えたら今、夢の実現の途中だからだと思うんです。

新しいことに向かって動いている。絶えずいろいろなアイデアが湧いてくる。だから本当に仕事が楽しいです。

- 最終的に森さんが目指している「夢」について教えてください。
会社規模としては、100億ぐらいの会社を目指しています。 8億や10億ぐらいの子会社が10〜20社ぶら下がって、月に1回社長会が開催される絵を描いています。

それぞれの会社が競い合い、伸びあう。支え合って個々の夢が実現できる、そんな会社を最終的につくりたいです。

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■今回トリプルファイブコーポレーションさんが買収した事業はこちら

「【年商2千万超】漫画に特化したAmazonアカウント」

■トリプルファイブコーポレーション サイト

https://triplefive555.jp/

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