2023-12-05

3度の詐欺被害を経験!波乱万丈の人生をへて、6千万円のEXITを達成したレンタルスペースのプロが語る運営の極意

売り手(個人):みつ

<個人のEXITを目的としたM&A・事業売却事例>

 

レンタルスペース運営の中で得たノウハウを2019年からブログで積極的に発信し、現在はSNSやオンラインスクールでもレンタルスペース開業・運営のノウハウを惜しみなく伝えている、みつさん。 これまでにレンタルスペース11店舗を総額約6,000万円で売却するなど、M&A経験も豊富です。

レンタルスペース業界でも先駆者となって活躍しているみつさんですが、 起業から3年は3度の詐欺に遭い借金も抱えるなど、苦労の日々だったといいます…。そこから「自分にはレンタルスペースしかない!」と覚悟を決め、レンタルスペースの運営とノウハウの発信に振り切ったみつさん。

彼の波乱万丈なキャリアと、豊富な実績を持つみつさんならではのレンタルスペースの開業・運営・M&Aに関するアドバイスを伺いました。

【3度の詐欺被害で後が無い状況に…。転機となったレンタルスペースのノウハウ発信】

- まずは、みつさんのキャリアから伺えればと思います。今では、レンタルスペースを多数運営し、ノウハウを発信してご活躍されているみつさんですが、どのようなキャリアの始まりでしたか。
大学卒業後は、システムエンジニアとして普通に就職しました。ただ、仕事内容が合わず2年で辞めてしまって。次は営業職に挑戦してみようと転職したものの、そこも3年ほどで辞めてしまいました。

そこで気付いたんです、職種どうこうではなく、雇われる働き方が合わないと。自分は、会社員に向いてないなと。

それで起業しようと思い、2016年、32歳のときに、知り合いの紹介でレンタルスペースの運営に挑戦することにしました。

- 当時はまだレンタルスペース黎明期だったかと思いますが、事業は順調にいきましたか?
いえ、最初はまったくでした。レンタルスペースのポータルサイトに掲載しても、なかなか予約が入らず、集客に苦戦して。それに、ポータルサイトに載せているだけでは、ライバルとの差別化もできず、予約が入っても手数料を取られてしまいます。

そこで、ホームページを作って自社集客をしようと思い、SEOやHPの導線整備、リピーター構築などのノウハウを試行錯誤しながら身に付けたんです。すると、予約がコンスタントに入るようになりました。集客だけでなく運営も全部自分でしていたので、当時は予約を手動で受け付けたり、現地に行って現金での精算をしたりもしていました。

こうして軌道に乗ったところまではよかったのですが、ここで僕は失敗をして、詐欺に遭ってしまいます…

- 詐欺とはどのようなものですか。
僕、3回詐欺に遭っていて。 1回目は、レンタルスペース関連です。レンタルスペースが軌道に乗り始めたものの、1店舗だとすごく儲かるわけではないので、他のビジネスにも手を出そうと思ったんです。

ただ、自分ひとりで新しいビジネスをできる自信がなかったので、とにかく人にたくさん会っては、人脈を作っていて。

そんなときに、ある人から「レンタルスペースのビジネスはとてもいいからこれを全国展開しよう」と誘われて。 「ぜひ」と300万円を託したところ、そのまま持ち逃げされてしまいました。

貯金500万円のうち、150万円をレンタルスペースの立ち上げに使って、300万円をその人に取られてしまったため、独立早々お金がなくなってしまったのです。

貯金が削られてピンチとなると、視野が狭くなって、今では考えられないことに手を出すものです。なんとかお金を作らないとと思い、 また人にたくさん会っていた時期に、「消費者金融で350万円を借りてきて預けてくれたら、2割増やして渡すよ」という誘いを受けて

これが2回目の詐欺被害で、「アルバイト詐欺」と言われるものです。ただ、預けてから1年間は消費者金融の返済をされていたので、しばらくは疑いなく信じていました。

そうして、2回目の詐欺に遭っていることにまだ気付けていないうちに、3度目の詐欺に遭いまして…。それは、 外国人旅行客向けの街案内アプリを開発中の方から「スマートフォンを1台預けてくれない?毎月1万円をあげるから」という誘いでした。

これも、最初は約束通りの金額を振り込んでもらえていたんです。だから、10台ほどのスマートフォンを預けていました。そして、友達や家族にも「いいよ」と紹介して。

しかし、実態はスマートフォンの転売をしていただけ。相手もどこかに消えてしまって、 最終的に、僕の身の回りの人の被害総額が4,000万円ほどになってしまいました…

- それは大変な被害ですね…。
何も知らなかったとはいえ、僕も詐欺師同然です。友達関係も崩れてしまいました。しかも警察に相談したら、「あなたが加害者として自首をしないと、事件として捜査に移ることはできない」と言われてしまって。

結局、自首して、加害者として取り調べを受けました。すべて正直に話したところ、加害者の逮捕に繋がり、かつ「こいつは本当に何も知らない、ただ騙されたヤツだ」と理解してもらえて、僕は逮捕されずに済みましたが。

ようやくその事件がひと段落したころ、気付かずに騙され続けていた2回目の詐欺が発覚しました。しかも、同じころに妻の妊娠もわかったんです。それで、なんとかしなければと一念発起して会社を設立し、500万円の融資を受けてコワーキングスペースを立ち上げたのです。

ただ、オープン初日、お客さんは一人も来ませんでした。家賃25万、80平米の広いスペースに、僕ひとりです。2日目も同じ状況で、張り詰めていた糸が切れてしまったように、「もう辞めよう」と思いました。500万円掛けてオープンしたコワーキングスペースを、たった2日で閉鎖してしまったんです。

限界を迎えていたので病院に行くと、うつ病だと診断されました。ただ、子どもが生まれたので、生活費を稼がなければいけません。それでも、向いていない就職の道を選ぼうとは思えなかったので、所持品を売って食い繋いでいました。

- そこから、どのように立て直していったのでしょうか。
たくさん失敗して反省して、気付いたんです。とにかく人にたくさん会って、 人に乗っかって稼げたらいいなという気持ちだったから、全部失敗したんだと。これからは、自分ひとりでコツコツやるべきだと思いました。

当時は2019年でしたが、 唯一レンタルスペースだけは3年間運営を続けられていましたし、収益も安定していました。試行錯誤しながらノウハウを溜めてきたので、これしかないなと思ったんです。そこで、レンタルスペース運営のノウハウを発信するためブログを立ち上げて、9か月間家に引きこもって200以上の記事を書きました。

最初は誰にも見られませんでしたが、諦めずに書き続けていたら、「コンサルをしてほしい」という問い合わせが徐々に増えて

翌年からは、TwitterやYouTubeでも発信を始めて。 質の高いコンテンツを作って発信を続けていたら、イケダハヤトさんなどに取り上げてもらえて、そこから雪だるま式にフォロワーが増え、コンサルの相談もぐんと増えたのです。

徐々に、発信活動やコンサルティングが収益の柱になって、そこで出た利益を元に新しいレンタルスペースを立ち上げて運営することを繰り返してきました。 利益が出るようになった優良レンタルスペースは次々と売却してきましたが、最大13店舗のレンタルスペースを運営していた時期もあります



(みつさんが運営していたレンタルスペース①)

【二極化が進む、レンタルスペース運営が「うまくいく人」と「うまくいかない人」】

- 多くのレンタルスペース運営を手掛けてきたみつさんから見て、成功するレンタルスペースと失敗するレンタルスペースの違いはどんなところにありますか。
まずは、コンセプトですね。僕が以前失敗したレンタルスペースは、コンセプトがしっかりしてなかったものです。「多目的に使えます」といったあいまいなものではなくて、コンセプトがはっきりしているものの方が集客しやすいと思います。

次に、立地。駅から離れていると集客のハードルは上がりますよね。あとは、そもそもレンタルスペースの需要があるエリアかどうか、ということ。

僕は地方にはスペースを出さず、あえてポータルサイトで調べたときにライバルの多いエリアに出店することもあります。参入者が多いということは、それだけ需要が見込めるということですから。

あとは、ポータルサイトに頼り切りではなく、 HPを作って自社集客に力を入れたり、リピーター獲得のための施策を惜しまないことも重要です。僕は集客の8割が自社HP経由です。

- ちなみに、コンセプトの具体例としては、どんなものがありますか。
僕が運営しているスペースは、ダンスレッスンやサロンの用途に特化してきました。壁に鏡を貼って床をフローリングにすれば、ダンスレッスン用途のスペースとして使っていただけますし、マッサージベッドを置けば、自分の店舗を持っていないフリーランスのセラピストの方に利用していただけますから。

スペースが広い場合は、女子会やママ会や誕生日会などの用途で使っていただく、パーティールームとしての用途が一般的かと思います。

ただ、パーティールームは単価を上げやすい一方で、ダンスレッスンやレンタルサロンの用途と違ってリピートが見込みづらいというデメリットがあります。つまり、ずっと新規顧客を獲得し続けなければなりません。

また、クリスマス会などが開催される12月は繁忙期の一方で閑散期もあるなど、時期によって需要が大きく変動する側面があって、売上が安定しないことも難点かと思います。

ちなみに、レンタルスペースは予約枠に限りがあります。かといって、枠の単価を上げすぎると、予約をしてもらうことが難しくなりますよね。かつ、土日など人気の時間帯は予約が重なりやすく、平日の朝は予約が入らないといった波もあります。

だからこそ、僕は予約枠の7~8割がコンスタントに埋まるようになったら、次のスペースの立ち上げに移ってきました。予約枠を9~10割埋めることは非常に難しいため、予約率をさらに上げようと試行錯誤するよりも、新しく立ち上げる方が費用対効果も高いからです。

- いい物件を見つけることも、レンタルスペース運営の成否を分けそうですが、みつさんはどのようにして見つけてきましたか。
最初のうちは、不動産屋さんに問い合わせをしまくっていました。そうしてリレーションができて、僕もレンタルスペース運営で実績ができた今では、不動産屋さん側から話を持ち掛けられることがほとんどです。

レンタルスペースが一般的になってきた今では少し減ってきたものの、「レンタルスペースの用途なら貸したくない」という物件のオーナーさんもいらっしゃいます。その際に、なんとかレンタルスペース用途で貸していただけるよう、前向きに交渉に掛け合ってくださる知識やスキルを持った不動産屋さんと、リレーションを結ぶことが重要です。

「レンタルスペースのことを正しく理解してくれているから、信頼してオーナーさんとの交渉を任せられる」と思える不動産屋さんとの出会いは簡単ではないと思うからこそ、僕が開講しているオンラインスクール「レンタルスペースの学校」では、利益が出やすい物件の探し方や不動産屋さんとの関係の作り方など教えています。

- 「いい物件」はまだまだありますか。
あると思います。レンタルスペースの認知度が上がってきて、出店できるエリアも広がってきていますから。

ただ、レンタルスペース事業を手掛けている方の中で、 うまくいく人とうまくいかない人の差がどんどん広がってきているようにも思います。ライバルとの競争も激しくなっていますし、クオリティの高いスペースへのニーズが増えているからです。

集客のノウハウを蓄えていて、先に該当エリアに出店している競合スペースのデータもしっかり分析をした上でレンタルスペース運営に取り組むことができる人は、成功できると思います。



(みつさんが運営していたレンタルスペース②)

【11店舗を総額約6,000万円で売却。ノウハウが価値になる】

- みつさんはこれまで、自身で手掛けて成功したレンタルスペースを売却してきた経験も多くありますよね。
TRANBIのようなM&Aプラットフォームを通じて、レンタルスペース11店舗を売却した経験があります。売却金額の総額は、6,050万円。 大型ではなく、20平米くらいの部屋がほとんどですが、すべて相場の2~3倍で売れました

最近TRANBIで売却したのは、25名くらいが入れる30平米の中型店舗です。僕が初めてパーティールームとして運営したレンタルスペースで、発信している以上は様々なコンセプトの部屋を手掛けておこうと実験的に始めたスペースでした。

2022年10月に開業して初月から黒字化、12月は単月で売上100万円を超えました。売上が順調な今のタイミングで売ろうと思い、1,200万円で売却が成立しました。

- 売上が出ているとはいえ、売却金額1,200万円はレンタルスペースの中ではかなり高値だと思いますが、どうして売却成立に繋がったと思いますか。
僕がレンタルスペース運営に関するノウハウを持っていて、積極的に発信をしている立場であることは大きいと思います。

もちろん、問い合わせをいただいた時点で、買い手候補者の方が僕のことを知っているわけではありません。しかし、 面談の場でお話をして僕の経験や実績を伝えたり、僕が発信しているコンテンツを見ていただいたりすると、「ぜひ買いたいです」と言ってくださいます

自分としても、レンタルスペースを売却しているというより、 「レンタルスペースで年間〇百万円の利益を出すための仕組みやノウハウを売っている」という感覚なのです。

他のレンタルスペース売却案件で、よく「現在はポータルサイトに掲載して集客をしています。自社集客を頑張れば、売上をもっと伸ばせる余地があります」といった文章を見かけます。ただ、これって売り手側がノウハウを持っているわけではないですよね。

一方で、 僕は自社集客のノウハウを確立していますし、それを惜しみなく伝えることもできるので、高値でも「買いたい」と思っていただけるのではないでしょうか



(みつさんがこれまで譲渡したレンタルスペース①)

【「早く手放したい案件が、高値で売れるわけがない」】

- 今年からマレーシアに移住されたそうですが、海外移住も売却に至った理由だったのでしょうか。
いいえ、そういうわけではありません。マレーシアにいながらでも、レンタルスペースの運営は続けられますし、実際今も3店舗は運営を続けていますから。

レンタルスペースを売却したのは、そのスペースが安定して売上をあげられるようになったからです。

おそらく、レンタルスペースを売却される方のほとんどは、「うまくいかなかったから、一刻も早く手放したい」という心境だと思います。一方で、僕は安定した売上を上げるまでは手元に持っておいて、成功して高値で売却できるタイミングで売りに出すようにしています。

- レンタルスペースの売却を考えている方に、アドバイスをいただけますか。
率直に言って、自分が手放したいと思っているものは、高値では売れません

赤字のスペースから撤退するとしても損失や手間が掛かるので、「それなら数十万円で誰かに譲れないだろうか」と考える気持ちはわかります。

ただ、よほどの運営ノウハウを持っている人に買われない限りは、おそらく次の買い手さん側が同じく赤字に苦しんで手放したくなるという、ババ抜きのような悪循環になるだろうと思います。

自分に不利な情報を隠して、相手のことを考えずに売ることはやめてください。買った人が後で嫌な目に遭わないように、ありのまま情報を開示して真摯に交渉に臨みましょう。

- M&A市場に出ているレンタルスペースを購入するときには、どのような姿勢が大事ですか。
まずは、売り手側から売上や利益のデータを全部出してもらってください。あと、売却理由については、ぜひ詳しく聞いてみてください。

また、運営代行会社に任せきりのレンタルスペースのオーナーも多くいますが、その場合はオーナーにレンタルスペースの知識がほとんどないので、引継ぎの際に何のノウハウも教えてもらえない可能性があります。

だからこそ、そのオーナーの方がどれほど運営ノウハウを持っているのか、他のスペースの展開経験や成功体験はあるのか、物件自体に可能性があるのかといったことは慎重に見ていただきたいです。

そして、「安いから買おう」という発想はやめましょう。譲渡金額の高い安いではなく、その金額に見合った価値があるのかという目線でしっかり見定めましょう。

こうした目利きを鍛えたいという方や、レンタルスペースの運営ノウハウを学びたいという方は、僕が発信している情報や、運営しているオンラインスクールでぜひ学んでいただければと思います。



(みつさんがこれまで譲渡したレンタルスペース②)

 

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