2022-08-02

「泳げるようになりたいなら、まずプールに飛び込む」行動力に満ちた20代女性のM&Aストーリー

買い手(個人):髙橋智美さん

<個人の副業を目指したM&A・買収事例>

 

会社員コンサルタントの髙橋智美さん。髙橋さんは、将来の独立・起業を見据える中で“個人のM&A”という選択肢があることを知り、副業でM&Aに挑戦します。

神楽坂のレンタルスペースを購入したのは、副業でも運営ができそうだからという理由に加えて、髙橋さんの将来の夢に結び付く知見が得られそうなものだったから。まだ引き継いで間もないものの、改善点を見つけて売上を伸ばしていくことに意欲的に取り組んでいます。

常にアグレッシブに決断を繰り返し、その後の行動で決断を正解にしてきた髙橋さん。パワフルな彼女のM&Aストーリーに迫ります。



(今回買収したレンタルスペース①)

【「個人で会社を購入できる」と知り、副業でM&Aに挑戦】

- まずは髙橋さんのキャリアについて教えてください。
大学院を卒業後、自動車メーカーでエンジニアを経験して、コンサルタントにキャリアチェンジをしました。今はグローバルプロジェクトにメインで携わっていて、海外進出の準備をしていたり、海外拠点にシステム導入を目指していたりする日系企業のサポートをしています。

エンジニア時代、年次を重ねるごとになるべく少ない労力で効率的に多くを得ようとする方がいらっしゃって、周りを気にすることなく自分が集中すればそれでよかったのですが、自らの負担がそれによって増えるということがたびたび起こっていたことにどこかフラストレーションを感じていました。自分が思い付いたことを自分でやりたいという気持ちもあって、会社員より自分に合う別の働き方があるかもしれないと考えるようになりました。

コンサルタントになったのは、お客様の支援を通して、自分でビジネスを行うための知識も身に付けられるのではと思ったからです。今の仕事では、新規事業の立ち上げに関わり、ゼロイチで事業を立ち上げる難しさも肌で感じていますが、独立や起業に繋がる知識を身に付けられています。

- 独立・起業願望を本格的に抱くようになったのはいつからですか。
コンサルタントになってからです。就職するまでは、自分で会社を持つ発想などなく、会社員になって昇進を目指すルートしか思い浮かびませんでした。

起業したい気持ちが強まったきっかけは、「金持ち父さん貧乏父さん」という本に出会ってからです。貧乏父さんが「勉強しなさい、そうすればいい会社に入れるから」という一方で、金持ち父さんは「勉強しなさい、そうすればいい会社が買えるから」と言っていて、会社員だけがキャリアの選択肢じゃないんだと知りました。

副業の一環でスキルマーケットの「ココナラ」に登録して、「得意な英語を教えます」や「異業種からコンサルタントに転身した経験を生かして、キャリアコンサルティングを行います」と、自分のスキルや時間を販売したこともあります。

- どんなきっかけからM&Aに興味を持ちましたか。
よく見ている中田敦彦さんのYouTubeチャンネルで、「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」という本が紹介されていたことがきっかけです。気になってすぐ読み、本で紹介されていたTRANBIにもすぐ登録しました。

M&Aに挑戦する登録者数10万人以上、常時M&A案件数は2,500件以上を掲載中
「事業承継・M&Aプラットフォーム TRANBI【トランビ】」

 
個人で会社を買うというと、株を買うイメージしか無かったので驚きました。ただ、続けて「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」の会計編を読んで、私でもできるのではないかと思うほどにイメージが湧いてきたので、挑戦してみようと思ったんです。

 

- TRANBIではどのように案件を探しましたか。
探すというより、まずは眺める感じでした。規模の大きい案件は手が出せないので、数百万円の手軽な案件を中心に見ていて。そうすると、レンタルスペースが多かったんです。レンタルスペース運営なら、経験がなくても副業でできそうだと思いました。

コロナ禍で、私自身も何度かパーティーやテレワークの用途でレンタルスペースを利用した経験があったので、ニーズもあるのかなと。ただ、「20時でレストランが閉まるから、2次会はレンタルスペースで」といった流れはもうなくなってきているので、新しいレンタルスペース独自の付加価値を考えないと、伸ばすのが難しそうだとは思いました。

- 今回、神楽坂のレンタルスペースを購入した決め手を教えてください。
一番はアクセスです。自宅から神楽坂まで自転車で通える距離にあるので、何かあった時にすぐ駆け付けられるという安心感がありました

あとは、ほぼ直感です。交渉に入る前に一度内覧をさせてもらったんですが、食器洗い用と掃除用のスポンジが細やかに分けられているなど、メンテナンスに非常に気を配られていました。私が利用したことのあるレンタルスペースにはなかった丁寧さを感じて、好印象でした。

レンタルスペースなら、金額感的にゼロイチで立ち上げることもできると思います。ただ、エリア戦略などを考えるだけでも大変ですよね。今回のレンタルスペースは、民泊やパーティースペースの規制が厳しく、競合が少ない神楽坂エリアにあるので、その立地特性もいいなと思いました。

自分の行動範囲内ということが一番の魅力だったので、もしこの案件が成約に至らなければ、エリア内の案件が出るまでセカンドチャンスを伺っていたと思います。



(今回買収したレンタルスペース②)

【赤字状態のレンタルスペースを「どうすれば伸ばせるか」と考えるのが楽しい】

- 交渉はどのように進みましたか。
売り手様は岡山在住だったのでコミュニケーションはオンラインでしたが、2回お話をしました。1回目は、レンタルスペースを内覧した後に時間をいただいて、設備や収支についてヒアリングをしました。

特に収支については、通常のランニングで見たときにはトントンでしたが、イニシャルコストも含めてトータルでの収支を見ると損失がまだ出ている状態であることが判明し、注意が必要だとは感じていました。

ただ、買いたいという気持ちは変わらなかったです。私、どうすればビジネスを伸ばせるだろうかと考えるのがとても好きなんです。この状態からどこまで持っていけるか、逆に楽しみだなと思いました。

- 同じ案件を買いたいと思っているライバルはいましたか。
はい。1度目の面談が終わった後に売り手様から「髙橋さんともう1名候補の方がいらっしゃって、どちらに決めようか悩んでいるので、もう一度髙橋さんの意向を聞かせてくれませんか」と連絡があって。どうやったら口説けるだろうかと考えた結果、自分の夢や覚悟を素直に伝えることが一番だと思いました。

実は「金持ち父さん貧乏父さん」の本を読んだ後から、将来海外の方も対象にしたゲストハウスを運営したいと思うようになって。居酒屋でアルバイトをしていた時に接客のやりがいを感じたのと、外国人とコミュニケーションを取るのが好きだからです。

ただ、ゲストハウスだと旅館業になるので、管理人を雇って任せる形にしない限り副業としては難しいなと思っていて。レンタルスペースだと“場所”にまつわるビジネスという点で少し親和性があるので、まずはスモールスタートでレンタルスペースから始めて、ノウハウを溜めた上で最終的にはゲストハウスを開業したいという夢を話したんです。

売り手様にも思いが伝わったようで、「高橋さんに決めます」とすぐに言っていただけました。

- 譲渡金額はどのようにして決まりましたか。
売り手様の希望譲渡金額であった110万円を受け入れました。使えない備品なども特になく、値引く要素も特段ありませんでした。

今後、大きな設備投資を行うこともないですし、計算してみると3~4年で回収できそうだったので、妥当な金額かなと思いました。

契約書も売り手様がTRANBIのフォーマットを活用して用意してくれました。契約締結にあたっては、そもそも契約金額がそれほど高くないことに加え、費用がかさむんでしまうので、特に専門家の方には相談していません

- 初めてのM&A交渉を振り返ってみていかがですか。
トラブルもまったくなく、とてもスムーズに進められました。従業員を雇っているわけでもなく、大きな設備があるわけではないレンタルスペースという形態だからこそなのかもしれませんが。

売り手様は、こちらから急に何かを依頼しても、いつも即レスで対応してくださる方で。やはりM&Aにおいても、人と人とのコミュニケーションが大事だと思いました。



(今回M&Aに挑戦した高橋さん)

【直近の目標は、「散らかし放題プラン」の新設と顧客開拓】

- 引き継いで、新たに取り掛かったことはありますか。
まず、レンタルスペース予約サイト用のページを新しく作り直しました。というのも、これまでのオーナーは、代行業者に依頼して予約サイトの管理をしてもらっていたのですが、私は費用を抑えるためにも自分で運用しようと思ったためです。サイトの権利はあくまで代行業者の所有だったため、これまでのページを引き継げなかったんですね。

レビュー数300件以上、お気に入り登録1000件以上と人気だったので、その評価を失うのは惜しいかなとも思いました。一方で、代行業者は多数のスペースの問い合わせ対応をしているゆえに、「問い合わせ対応が遅い」というレビューも寄せられていて。それはマイナスポイントにも捉えられるので、作り直すメリットもあったようには思います。

- 2022年7月から運営を開始されていますが、清掃はどうされていますか。
売り手様は岡山在住だったので、東京にいる知人の方に依頼されていたようですが、私は清掃も自分で行っています

いずれはアウトソースできるのが理想ですが、今は「スペースがどのように使われているのか」を知りたい思いが強くて。たとえば、使われていない備品は置いておく必要がないですし、使いづらいものは改良したいからです。

- 運営してみて気付いたことはありますか。
レンタルスペースの集客は、いくつかの有名なレンタルスペース予約サイトに掲載するのが鉄則です。ただ、それではスペースを探している顕在層の方しか獲得できないんですよね。

売上を増やすためには、潜在顧客をどのように連れて来ることができるかもポイントになると思っていて。予約サイトに頼らずに、広告などを活用しながら新しい需要を生んでいきたいです。

- 今後の展望について教えてください。
直近では、散らかしたまま帰ってもらっていい「散らかし放題プラン」を作ろうと思っています。その方が、「どう使われていたのか」を知ることができて、スペースの改善に生かせるからです。

また、外国人のお客様を増やしたいなと思っているので、英語でWebサイトを作成しようとしています。パーティー好きの外国人に使ってもらえるスペースを目指したいですね。

レンタルスペース1箇所の運営で生計を立てることはできないので、将来的にはフランチャイズ展開をしてスペースを増やしながら、雇用も生みたいと思っています。法人化して、最終的にはゲストハウスも運営したいですね。今後も、M&Aという手段は活用できそうだと思っています。



(新しくスペースのリフォームを検討)

【女性のキャリアにもっと「M&Aで事業を持つ」選択肢が加わっていい】

- M&Aに興味を持っても、行動を起こすとなると躊躇してしまうものですが、購入を決める際に誰かに相談はしましたか。
誰にも相談していません。たくさん候補者の方がいるので、とにかく手を挙げてステージに上がってみようという気持ちが強かったです。それに、たとえ買収して事業に失敗したとしても、TRANBIのようなM&Aのプラットフォームがあるのだから、そこでもう一度売る選択肢もあると前向きに考えていました。

もともと、あまり挑戦を恐れないタイプなんです。いくらYouTubeで泳ぎ方を教えてくれる動画を見ていても、泳げるようにはなれない。それなら、まずプールに飛び込んでみようというマインドといいますか。やってみてダメだったら仕方ないし、その時にどうすればできるかを考えればいいと思うので、決断には時間を掛けません。

- 直感でピンと来る方を選んで、決断を正解にしていくような生き方なんですね。
はい。大学院の時にも、英語圏ではなく中国か韓国への留学プログラムがあって。私は英語が話せるようになりたかったので、「英語圏の国ではなくても、外国人のいる場所に飛び込めば話せるようになれそう」と応募したんです。

その時も、周りからは「意味ないよ」とか「研究が遅れてしまうけど大丈夫?」と言われました。でも、もう私の中では、とにかく「やりたい」と思った瞬間にやるって決めてるんですよね。だから、中国に留学したんです。

確かに周りは中国語が飛び交う環境でしたが、授業自体は英語で行われて。必死で勉強して付いていった結果、もともと400点台だったTOEICが900点台に上がりました。やりたいことがあるなら、この環境でどうすればできるかを考えればいいだけだと思うんです。

決断に後悔することもあまりなくて。たとえば、最初の就職は「受かったからここに行こう」という気持ちだったため、もっとしっかり考えた方がよかった気もします。ただ、そこでモヤモヤすることがなければ、今の私はいないかもしれない。全部繋がっていると考えると、「失敗」と捉えなくていいと思うんです。

- M&Aの挑戦を考えている人に、アドバイスをお願いします。
私は今20代後半ですが、この年齢になると女性は特に、結婚や出産などのライフイベントのことをメインで考えてしまいがちですよね。でも、人生100年時代だとしたら、あと60~70年キャリアが続いていくわけで。その時に、選べる仕事の幅が広いに越したことはないと思うんです。

正社員で時短勤務したりパートに出たりと、いろいろな働き方がありますが、「M&Aで事業を買って運営する」という選択肢がそこに加わってもいいのかなと。特にレンタルスペースのような事業なら、現地に付きっきりでいる必要もないので、子育てメインの生活をしながら収益を生むしくみを作ることもできます。

だから、女性の方にもM&Aはお勧めです。泳げるようになるには、まずプールに入ってみるしかないので、興味のある方はぜひ飛び込んでみてください

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■今回高橋さまが買収した案件はこちら

「神楽坂レンタルスペース・パーティールーム事業譲渡」

■今回高橋さまの運営するレンタルスペースはこちら

レンタルスペース ベスティー飯田橋

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  • 倉本祐美加
  • ライター紹介倉本祐美加

    関西学院大学卒業後、クラウド製品を扱うIT企業のインサイドセールス職を経て2016年にライターとして独立。企業取材を中心としたインタビュー原稿の制作に従事していますが、エンタメ・スポーツ・文化等幅広く好みます。

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