2021-11-09

コロナ禍の個人M&A:不動産投資よりも、副業で京都のホテル区分営業権買収を選んだ3つの理由

買い手(個人):萩原祥郎さん(50代)

<個人の副業を目指したM&A・買収事例>

 

施設管理の業務委託を請け負う個人事業主の萩原さん。副業のために不動産投資の物件を探していましたが、TRANBIでホテルの区分事業という案件と出会いました。すぐに案件へ交渉を申し込み、約1カ月でスピード成約。「コロナ禍だからこそ決断できた」と語る萩原さんに、この案件を選んだ3つの魅力について教えていただきました。

【不動産投資よりもはじめやすいのがホテル区分経営】

- まず今回のM&Aのきっかけと経緯について教えてください。
私の本業は、兵庫県の北部にある日帰り温浴施設の管理運営です。日帰り温泉「合格の湯(天然温泉まんどの湯)」という縁起の良い温泉で、養父の大自然に囲まれており、自然を感じながら但馬の名湯を楽しめます。個人事業主として、この施設の代表を務めています。従業員は、すべて地元の方で6名になり、大浴場や露天風呂をはじめ、地元「養父」の食材にふんだんに使用した食事や特産品を扱う売店が魅力です。

ここは、もともと公共施設でしたが、指定管理者制度のもとで、柔軟性ある運営を期待されて民間に任されたのが5年前。数社の民間企業が運営してきたようですが、経営状況が好転せずに9年前に私が引き継いだ際も赤字でしたが、なんとか収支を合わせることができるようになりました。その矢先のコロナ禍となり、コロナ対策だけでなく、営業時間の短縮や食堂の営業を休業する等の対応をせざるをえない状況になりました。

従業員の給料支払いも精いっぱいとなり、自分自身の給与確保がままならない状況と厳しくなるなかで、必要性を感じていた副業探しを本格的に取り組むことにしたのが、今回のM&Aの発端になりました。

当初、考えていたのは不動産投資事業です。アパートや一戸建てを購入し、それを賃貸して副収入を得られたらと考えていました。しかし実際に物件が出てきても、収支を計算すると難しいかな、となかなか思い切れずにいるところで、TRANBIで見つけたのがこの京都のホテル区分事業の案件でした。



(萩原さんが管理運営している日帰り温泉「合格の湯(天然温泉まんどの湯)」)

- 案件の内容、そしてこの案件に魅かれた理由を教えてください
案件自体は、京都五条にあるホテル「Stay Inn Kyoto Gojo」の区分営業権の譲渡を受けるというものです。ホテルは全部で22室ですが、私が購入したのは3部屋になります。

コロナ禍での大幅な値崩れにより、一部屋あたり30万円で合計90万円が、さらに交渉して60万円に値引きしてもらいました。月々の家賃は一部屋9万円、合計27万円の支払いが必要になります。

お客さまの宿泊料金は繁忙期や宿泊予約タイミングに応じた変動制で、たとえば1カ月前なら一部屋1万円、半月前なら5000円、1日前なら1000円、といったダイナミックプライシングになります。ホテル運営は専門の別会社に業務委託し、利益はすべての利益から運営費を引き、残った金額を22室で割ったものが分配されるという仕組みです。

現在はコロナ禍で厳しい状況ですが、コロナ前の利益は、一部屋あたり5~8万円だったようです。不動産に比べると初期投資が少なくてすむものの、利益のない月もあります。そのため判断に悩むところもありましたが、自分自身のこれまでの経験から考えると、不動産よりもホテルや観光のほうが、自分に合っているだろうと考えました。



(今回購入された京都の区分経営ホテル①)

【購入の決め手は3つ、過去・現在・未来の視点で考える】

- コロナ禍で購入に踏み切れた理由はどういった部分にありますか?
理由は主に、以下の3点になります。

過去の実績があり、運営はお任せ
交渉時に過去の売り上げデータを開示していただいたところ、しっかりと利益が出ていたことは大きかったですね。こういった事業は最初から立ち上げるとなると、マーケティングが必要になりますが、すでにあるホテルならマーケティングされたうえで建てられています。そういった安心感も始めやすさの理由のひとつでしたし、さらに運営は委託できるので、自分で集客をする必要もありません

コロナ禍だからこその始めやすい値段
不動産ほど初期投資がかかりませんので比較的少額から始めることが可能で、始めやすいと感じました。しかも現在は、コロナ禍で譲渡金額が下がっていたのも大きかった。実際、予算は一室100万円と考えていたところ、3室60万円ですんだのは、やはりコロナ禍だったからでしょうね。逆にこれを逃すと値段は上がるでしょうし、そのときに手が出せるのかどうかはわからないと思います。

コロナがあければ、立地、アクセスのよさが活きる
京都は観光名所なので、人が集まりやすい場所。インバウンドという部分は、なかなか今までのようにはいかないでしょうが、それでもコロナ禍が明けたら、また人が戻るのではないかなと期待しています。
京都駅の北側、中心地にあるこのホテルは、どこにいくにも便利な場所。名所に行ったり、名店を巡ったり、観光の拠点に使えます。またこのホテルはミニキッチンもついているので、外で買ってきたものを部屋で食べることもできます。若いファミリーやバックパッカーにも向いていると思います。



(今回購入された京都の区分経営ホテル②)

【早い動き出しと決断が成約のカギ】

- ご自身が買い手として選ばれた理由をどのようにお考えですか?また交渉で苦労した点等はありましたか?
やはりタイミングがよかったと考えます。案件がサイトに掲載されてすぐに申し込みをして、約1カ月後には成約しました。おそらく他の候補者の方よりも動きが早かったのかなと思います。

とにかく実績が第一と考えていましたので、交渉時にどれだけ過去の売り上げデータを開示いただけるかということが、こちらにとっては重要でした。しかし、その点については、先方も快くコロナ前から直近のデータを開示してくださり、こちらもしっかりと数字で確認できて、これであればと納得してすすめることができました。

そういった交渉時のやりとりからも、これなら運営も任せられるという信頼感につながりました。ですから、交渉時の苦労というのは特になかったように思えます。



(今回購入された京都の区分経営ホテル③)

【コロナ禍の今は、次の準備を行う仕込みの時期】

- 今後の展開をどのようにお考えでしょうか?
まずはコロナ禍が収束し、京都に客足が戻ってくることを期待しています。直近だと秋の紅葉シーズンに人が集まり、なんとか黒字化するラインにのってくれればというイメージを持っています。

過去の状況を見ると、冬場のほうが感染率は高くなります。緊急事態宣言が発令される可能性もありますが、ワクチン接種もすすみ、今年の冬は国による行動制限も多少緩和されるのではないかと思っています。

そこを我慢して待っていれば、ある程度の数字は上がるのではないかという考えを希望的観測も含めて持っています。

コロナ禍の今は我慢のときですが、とにかく案件の値段が下がっていますので、仕込みどきです。リスク分散という意味で、今後もこういったホテルを北海道や沖縄など別の観光地でも探していきたいですね。

 

***今回買収した事業である京都のホテルはこちら***

「Stay Inn Kyoto Gojo」

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  • 池田純子)
  • ライター紹介池田純子

    大学卒業後、出版社勤務を経て、フリーのライター・編集者に。暮らしやお金、子育てにまつわる雑誌記事の執筆や単行本の製作に携わる。さまざまな生き方を提案するインタビューサイト「いま&ひと」を主宰。

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