2024-01-23

ビジネス経験豊富な薬剤師が、月30万円の副収入確保に向けて目を付けたのがミャンマーの日本人向けテレビチューナーリース事業

買い手(個人):川野 駿さん(30代)

<個人の副業を目的としたM&A・買収事例>

 

学生時代からビジネスに興味を持ち、物販やFXなどにチャレンジしてきた川野さん。現在も薬剤師として働きながら、本業以外の収入の柱を持つべく、太陽光発電投資に挑戦しています。

そんな川野さんが、初のM&Aで購入したのはミャンマーの事業。

ターゲットは日本人駐在員で、安定性が高い事業ではあったものの、川野さんがあえて海外案件を購入したのは「なかなか巡り会えない、貴重なチャンスだと思ったから」という理由からでした。

売り手様からも、「若い人に託したい」と期待を込めて譲渡されたという川野さん。事業の魅力や交渉のプロセス、そして挑戦を支えるマインドに迫ります。

【物販・FX・仮想通貨・太陽光発電投資…学生時代から身近にあったビジネス】

- まずは、川野さんのキャリアとビジネスを始めたきっかけから教えてください。
現在社会人5年目で、職業は薬剤師です。

大学生のときから、さまざまなビジネスや投資をしてきました。始まりは、家にある不用品をメルカリで販売したこと。

その流れで、YouTubeで綺麗な写真の撮り方や出品する際のノウハウを学んで。何だったら売れるだろうかと事前にリサーチした上で、中国から輸入をした商品に付加価値を付けて、メルカリで販売するビジネスを始めました。

「それほど元手も掛からないし、とりあえずやってみよう」という気持ちで始めましたが、一番良かった月の売り上げは30~40万円になって。輸入費や手数料を引いても手元に15~20万円が残ったので、いいお小遣い稼ぎになりました。

- 一番売れたのは、どんな商品でしたか。
当時はiPhone6や6Plusが発売されている時期でしたが、その型に対応している手帳型のスマホケースが一番よく売れました。

事前リサーチの中で、「どんなものがメルカリで売れているんだろう」とリサーチしたところ、すごく安いものかブランドものかの二択で。

一番売れていないのは、名もない商品で高品質なものでした。それなら自分はとにかく安いものを販売しようと、安価で手帳型のスマホケースを売ることにしたのです。

安いのでデザインの選択肢はそれほどありませんでしたが、色はカラフルなラインナップを揃えられて、「手帳型のスマホケースをとにかく安く手に入れたい」というニーズを持った女性から人気を集めました。

- ビジネスは長く順調に続けられましたか。
いえ、そうでもなくて。iPhoneは1年や2年で型が変わるじゃないですか。

たとえばiPhone7が発売されたら、7に対応したスマホケースを探すのですが、安いケースが市場に出回るのは新型発売から3~4か月後で。

切り替えに対応できず、そうこうしているうちに大学の研究が忙しくなって、物販ビジネスからは自然と離れてしまいました。

その間、FXにも挑戦してみたのですが、あまりうまくいかなくて。社会人になってからは、当時ブームとなっていた仮想通貨などもなりふり構わず買ってみたりしたのですが、こちらもダメでした。

そうした失敗経験を通じて、お金でお金を増やすタイプの投資よりも、リサーチして仮説を立て、戦略を考えて回すビジネスの方が、自分の場合は成功率が高いのではないかと思うようになりました。

- M&Aに興味を持ったのは、どのようなきっかけからでしたか。
実は少し前に、太陽光発電所を1箇所購入しました。購入金額は約2,300万円で、売電収入から月々のローン返済額を引いた金額が利益となるものです。

今のところ、売電収入は月平均25万円で、返済額が16万円なので、毎月10万円弱が手元に残っています。

もともとは、太陽光発電所をもう1箇所購入することを検討していて。調べているうちにTRANBIの広告に出会い、M&Aプラットフォームの存在を知りました。

はるか昔ですが、サラリーマンの方が後継者のいない老舗の飲料会社を300万円くらいで買収して、権利を買って運営しているというニュースをテレビで見た記憶があって。M&Aも面白そうだと思い、TRANBIに興味を持ちました。

無料で掲載案件を閲覧することができるので見ていたところ、今回の案件を見つけました。売り手様とお話しがしてみたいと思い、有料会員に登録して交渉したところ、チャレンジにぴったりの案件だと思って、購入を決めました。

【日本で働きつつも運営可能な、ミャンマーのリース事業に興味】

- 今回購入された、案件の概要を教えてください。
ミャンマーで暮らしている日本人駐在員向けに、日本のテレビを見るためのシステムを貸し出すという事業です。

インターネットに接続して、日本のテレビをリアルタイムで視聴できるもので、弁護士さんにも法的な確認をしていただいて、問題ないと判断した上で営んでいる事業になります。

費用は前払いで1台あたり年間87,000円、1年ごとに自動更新。ミャンマーでは独占事業となっています。

テレビ番組を配信しているサーバーがシンガポールにあるらしく、そのサーバーに接続するための月額費用や、チューナーを置くときの機材費が、40,000円ほど掛かるそうなので、粗利は半分ほどです。

主な顧客は大使館の職員、JICAやJETROの職員、大手企業の駐在員で、国営放送などチャンネルが少ない中、日本のテレビを見られるシステムとしてとても喜ばれていて、事業を始めて7年目だそうです。

3年前の顧客は200件で、コロナ禍で駐在員が少なくなり53件まで減少したものの、現在は100件弱まで戻ってきていて、今後も自然増が予測できるということでした。

- この契約は、リピートしてもらえるものですか。
ターゲットが駐在員の方なので、任期を満了して帰られるため、リピートされないケースもあります。

ただ、「このサービスが便利で良い」という口コミはすでにミャンマーで広がっているため、次に赴任してきた方もすぐ契約してくださるそうで、特別な営業活動は不要です。

売り手の方は、ミャンマーに住んでいる日本人向けのコミュニティを主導していた方で、テレビチューナーリース事業以外に、以前はパン屋やコンビニも運営していました。

そうしたコミュニティの中で、サービス内容はもちろん、人としても信頼されて現地に根付いた事業のようです。

- 川野さんには薬剤師という本業があるため、ミャンマー移住は難しそうですが、日本で暮らしながら事業を運営することも可能なのですか。
常駐が望ましいものの、日本にいながらの運営でも大丈夫とのことでした。

新規契約が入ったら、現地でチューナーを取り付ける作業が発生するのですが、その作業も5,000~6,000円の手数料を払えば、現地在住の方に委託できるので。

これまでは、売り手様が契約者様の元を直接訪れて行っていた集金についても、国際送金という方法が採用できます。また、3ヵ月に1度くらいのペースで私がミャンマーを訪ねて行うこともできるので、常駐が条件ではありませんでした。

- この案件の、どんなところに魅力を感じましたか。
やはり、ミャンマーの事業というところです。海外というだけで惹かれる上に、欧米ではなくて東南アジアのミャンマーというところが、特にいいなと。

行ったこともない、知らない土地ですし、生活習慣も文化も違います。地政学的リスクなどもあるものの、普段生活している中では絶対に目を向けない地域だからこそ、この案件のことが頭から離れなかったんです。

- 意思決定をする上で、葛藤はありましたか。
ありました。一番のリスクは、海外だと情勢が不安定なときもあり、ミャンマーへ渡ったときに帰れなくなる可能性があることです。ただ、起こるかどうかわからないことを気にしていても、前に進めないなと。

売り手様からも「『日本は先進国で、ミャンマーは途上国だ』といった偏見を持ってミャンマーに来る人が多い。そうすると、現地の人からは『何様なんだ』と思われてしまう。ただ、そうしたところに気を遣ってコミュニケーションを取っていさえすれば、危ない目に遭うことはない」と言われたので、自分の心がけ次第かなと。

頭を過ぎるリスクや不安はありつつも、海外でビジネスができる機会に出合えること自体が珍しいと思ったので、やってみたいというチャレンジ精神と好奇心が勝りました。



(ミャンマー現地の様子①)

【「若い人に託したい」という思いで、譲渡金額や支払い方法も融通を利かせてくれた】

- 交渉はどのように進みましたか。
交渉は、すべてテレビ電話で行いました。

もともと、売り手様の譲渡希望金額は950万円でしたが、最終的な譲渡金額は700万円になりました。

売り手様は、私情により早く手放したいとお考えでした。

ただ、年齢的にも蓄えがまだ潤沢にあるわけではない私の事情を察して、「手付金として、譲渡金額の一部だけ先に払ってください。そうしたら権利をお渡しします。残りの譲渡金額は、毎月の収益の半分ずつを返済に回す形でお支払いしてくれたらいいです」と融通を利かせてくださったのです。

聞いた話によると、私の他に3人ほど候補者がいて、現地見学を希望していた方もいたそうです。

ただ、買い手候補の中では私が一番若くて、売り手様は「どうせなら、若い人にチャンスをあげたい」と思っていたようで、値下げや分割払いにしてでも私に譲渡したい、と歩み寄ってくださいました。

- 初めてのM&Aでしたが、不安な点はありましたか。
M&Aのプロセスそのものというより、海外案件を購入することに不安はありました。

「ちゃんとした企業なのかな?」「この契約書のやり取りだけで、本当に契約は成立するのか?」「相手が日本企業なら、トラブルが起こったときに日本の裁判所に行けばいいけれど、もし今回トラブルが起きた場合にはどうしたらいいんだろう?」といったところです。

ただ、売り手様が送ってくださった資料には、1年間の売上やお客様ごとの契約年数が記載されていたこと、本社の場所をGoogleマップで調べたらちゃんとヒットしたこと、売り手様が毎日更新されているブログから、売り手様がミャンマーの日本人コミュニティの中で精力的に活動してきた様子も見て取ることができたので、信頼できると判断しました。

近々、時間ができたら直接ミャンマーに伺ってお会いして、集金のやり方なども教えていただく予定です。



(ミャンマー現地の様子②)

【複数の収入の柱を持てたら、本業でももっと自由に働くことができる】

- 今後のビジョンを教えてください。
テレビチューナーリース事業は、ミャンマーに住む日本人によく知られていますし、今後ミャンマーでのネットワークも広がることが予想できるからこそ、ミャンマーで新しいビジネスにも挑戦したいと思っています。

たとえば、ミャンマーの隣のタイでは、日本人形など日本人が使っていた中古品が今かなり人気なようなので、こうしたビジネスチャンスはミャンマーにもあるのではないかと考えています。

今後ミャンマーを訪れた際にリサーチを行って、小規模でもいいので新しいビジネスをしていきたいです。

将来的な目標は、経済的な自立を手に入れることです。ストレスがあっても仕事を辞められなかったり、会社で言われた通りにしか動けなくなったりすることが、本業の収入だけに頼るリスクだと思っていて。

本業以外の収入の柱を確立することで、薬剤師としての働き方にも、より幅や自由度を持たせられると思っているからです。

- 本業以外にどれくらいの収入があれば、経済的自立が叶いそうですか。
月30万円くらいの余裕が欲しいと思っていて、太陽光発電投資で月10万円ほどは入ってきているので、あと20万円くらいの上積みが必要だと思っています。

ただ波がなく、持続的に収入を挙げたいので、収入の柱はさらに2~3個増やしたいです。たとえば、一つの事業の利益が5万円でも、その柱がたくさんあれば大きな金額になりますから。

また面白いM&A案件に出合えたら買うかもしれないし、太陽光発電所を増やすことも検討しています。

ただ、太陽光発電所は高額なので、複数持ちたいと思って日本政策金融公庫などに行っても、なかなか追加のローンを組めなくなっています。

だからこそ、自分の事業で利益を生み、キャッシュを作って、それを次のビジネスの投資費用にしていきたいです。

- 最後に、M&Aに興味を持っている方へのアドバイスをいただけますか。
案件の中身も重要ですが、誰から購入するかも重要です。M&Aの交渉を行うときには、テレビ電話でも直接でもいいので、売り手様と必ず顔を合わせて話してください。

そして、話す中で少しでも「この人は信用できないな…」と違和感を感じたなら、一度立ち止まってみてください。おそらく、「M&Aをやるぞ」と決めて話しているときは、視野が狭くなっていて冷静に考えづらいと思うので、客観的な目線を持って考える時間も大切だからです。

私は、やらないで後悔するより、やって後悔した方がいいという考えで生きています。お金は後からどうにかなると思っている一方で、機会に関しては後から得られるものではないと思うからです。

だから、「ここが勝負どころだ」と感じたときには、一歩踏み出すようにしています。一歩踏み出さない限りは先が無いけれど、失敗したとしても、次に繋げられれば失敗じゃないですから。やると決めたら、成功するまで続けるしかないのかなと思います。

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■川野さんが買収した事業はこちら

「ミャンマー テレビチューナーリース事業 黒字安定 どんどん自走」

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