2022-01-11

レンタルスペースはまだブルーオーシャン。ローリスク・ローリターンで大手企業の参入が難しいからこそ中小企業に有利

買い手(個人):大家拓さん

<個人・中小企業の新規事業立ち上げを目指したM&A・買収事例>

 

中小・ベンチャー企業の経営コンサルティングを手掛ける株式会社COOコンサルティングオフィスの代表取締役・大家拓さん。M&Aで新たな会社や事業を保有して、育てることにチャレンジしたいという思いを持っていました。

今回、TRANBIで都内のレンタルスペースの売り案件に出会い、購入を決意。

「需要の割には供給が少ない小規模レンタルスペース事業はまだまだブルーオーシャン。いっぽう大きな売上が見込める事業ではないため大手は参入しにくい、中小企業にこそチャンスがある。」と語る大家さん。その詳しい理由を伺ってきました。

【レンタルスペース事業のM&Aはリーズナブル】

- まずは、大家さまのご経歴と現在経営されている会社について教えてください。
大学卒業後、教育業界・ホテル業界・ブライダル業界などのベンチャー企業に勤務しました。30代前半から取締役に就いて経営ボードの仕事をしてきました。

その経験を生かして、2015年にCOOコンサルティングオフィスという経営コンサルティングの会社を立ち上げました。ベンチャー企業の経営に携わってきた経験を生かして、成長企業の経営者向けのコンサルティングを行っています。

- TRANBIのようなプラットフォームはいつから利用を始めましたか。
3~4年前からM&Aに関心があり、TRANBI代表の高橋さんのセミナーに参加したんです。そのセミナー後、すぐにTRANBIに登録して。

自社でM&Aを行うのは今回が初めてですが、経営コンサルティングの一環としてM&Aの仲介をした経験は何度かあり、売り手側の仲介としてTRANBIに掲載した経験もあります。今回案件を探すにあたっても、毎日TRANBIの案件情報をチェックしていました。

- 今回、都内のターミナル駅に近いレンタルスペース3店舗をM&Aされましたが、この案件のどのようなところに惹かれましたか。
まずレンタルスペースに惹かれたのは、当社や私のコンサルティング先であるベンチャー企業が、打ち合わせなどでよくレンタルスペースを利用しているため、身近でイメージが沸きやすいビジネスだったからです。

今回は、売り手様が始められてまだ数か月のビジネスであり、かつ毎月全店舗単月黒字を達成していたため、数字面での傷もなかったことも非常に大きかったです。

さらに、手頃な金額感だったことも良かったです。それに、今回のM&Aによってレンタルスペースを運営し、事業が上手くいってノウハウを身に付けられれば、レンタルスペースビジネスを拡大していくこともできるでしょう。そう考えると、リーズナブルな初期投資だと思えたのです。



(今回大家さんが購入されたレンタルスペース①)

【伸びるレンタルスペース市場、まだまだブルーオーシャン】

- コロナ禍で経営に苦戦しているレンタルスペースもある中で、今回のレンタルスペースが全店舗単月黒字を達成し続けられた理由をどうお考えですか?
これは私の持論ですが、レンタルスペースのM&Aを検討するために調査を行う中で思ったことは、まだまだ需要に対して供給が少ないビジネスであるということです。世の中にある中小・ベンチャー企業の数と、各エリアにあるレンタルスペースや小規模の貸し会議室の数を照らし合わせてみると、まだまだスペースが足りていないのではないかと。

リモートワークを取り入れる企業が増えたため、今後オフィススペースは縮小していくはずです。ただ、社内スペースが飽和状態になったり、自宅で打ち合わせができなかったりするために、一時的にスペースを必要とする企業やビジネスマンは今後も増えるはずで。少なくとも、逆風となる要素は現時点でないビジネスだと思いました。

また、レンタルスペース業は流行りと言えど決して大きな利益が出るビジネスモデルではないため、大手企業がこれから進出する旨味はないだろうと思ったのです。一方、当社のような小規模な企業が着々と取り組んでいく分には、チャンスがある業態だと思いました。

- 交渉はどのようなステップで進みましたか。
まずは財務諸表を送っていただき、数字面で問題がなく、実際に現地を見ても好印象だったため、売り手様との交渉に移ったのです。

他にも複数の買い手と交渉をされていたようですが、面談の2~3日後には「大家さんにお譲りしたいと思っています」とお返事をいただき、基本合意書をすぐに締結して、スムーズに契約が進みました。交渉の過程で不安に思う点が出てくることもありませんでした。

- ちなみに、売り手様は黒字事業をなぜ手放すことにしたのでしょうか。
ビジネスパートナーの方と一緒に新しいビジネスを始めるため、事業の選択と集中をするために手放すことを決めたようです。

売り手様はこれまで、予約管理から清掃までレンタルスペース運営をすべて1人で行われていたので、ご自身の費やす時間に比べて得られる利益が小さかったと判断されたのかもしれません。

- もともとの売り手様の希望金額の半額ほどの金額で譲渡金額が着地しています。この譲渡金額はどのように決まったのでしょうか?
私のこれまでの経験やノウハウから、「営業利益×4年分」が事業価値であり譲渡金額の目安だと考えています。この計算式に当てはめ、売り手様に提示させていただきました。

他の買い手様の中には、売り手様の希望金額を承諾される方もいらっしゃったようですが、金額だけでなく総合的に判断して、私への譲渡を決めてくださったようです。

これは売り手側にも買い手側にも言えることですが、明確な根拠や理由をもとに、自身の希望金額をしっかりと伝えた上で、互いに「払える・払えない」「受け入れる・受け入れない」をすり合わせることが大事だと思います。



(今回大家さんが購入されたレンタルスペース②)

【会議室にお洒落なリビング風のしつらえ、差別化もポイント】

- 売り手様が大家様を選ばれた理由について、お聞きになられていますか?
リップサービスかもしれませんが、「一番誠実な方だと思いました」、「このビジネスを伸ばしてくれると感じました」とおっしゃっていただきました。

M&Aの仲介を経験した際から思っていたのですが、売り手様との相性はお見合いや恋愛と同じだと思っています。「金額面の条件が一番良いからこの人にしよう」と単純に決められるものではなく、話している中で波長が合う方に事業を引き継ぎたいと思うものなんですよね。

だからこそ、特に交渉ノウハウがあったわけではなくて。変に自分を作らず、失礼がないようにだけ気を付けて、素のまま、自然体でお話しさせていただきました。

- 引き継ぎ後も、売り手様とはコミュニケーションを取っていますか?
今でも密にコミュニケーションを取っています。

実は、レンタルスペースの運営を任せるメンバーの都合もあって、当社としては「事業譲渡自体や金額のお支払いは早期で問題ないものの、運営の移行には1~2か月猶予が欲しい」という状況でした。

そう伝えたところ、売り手様が「それなら、2か月間は僕が引き続き運営します」と言ってくださって。2か月間は、売り手様に売り上げの一部を運営委託費としてお渡しして、運営をお願いしました。

さらに、その2か月間の中で複数回ミーティングの機会を設けて、今後レンタルスペースを運営するメンバーと私が、売り手様から運営ノウハウを引き継いだり、「こんな出来事があったため、このように対応しておきました」と報告を受けたりする機会も設けて。非常に手厚くサポートをしていただきました。

- レンタルスペースを運営してみていかがですか。
前職の元部下で、現在0歳児を育てている女性に運営を任せています。彼女が1人で3施設の予約管理や清掃、備品管理を行ってくれています。清掃以外はほぼ在宅で行える内容です。

私自身子どもを持つ父親でもあり、子育て世代の女性が育児をしながら働ける環境が提供できればと常日頃から考えておりました。今回のM&Aが成功し、事業を拡大させていくことが少しでも働く女性の支援につながればという思いでいます。

今回レンタルスペース事業をはじめて感じたことは、当たり前の清掃を行い、清潔感を保った状態をキープすることが非常に大事だということです。ただそれだけではダメで、今回は売り手様のセンスが良かったために、皮張りの重厚なソファを置くなど3つのレンタルスペースは会議室というよりもお洒落なリビング風のしつらえになっていたことも他と差別化できている要因かと思います。インパクトのある雰囲気のおかげで、予約サイトで注目されて、多くの方に利用してもらうことに繋がっているようです。

一方、会議室の本来の用途として必要な要素であるホワイトボードを大きくしたり、もう少し照明が明るい方が手元を見やすかったりといった改善点もあるので、空間の雰囲気とのバランスを取りながらより良くしていきたいです。

また、利用時間帯や利用人数によって金額を変動させることで、売り上げを伸ばせる余地がありそうだと感じています。



(左:育児を並行して運営されている元部下の方、右:運営されているレンタルスペース)

【託児スペース付きの女性支援コワーキングスペースを設立したい】

- 今後の展望を教えてください。
運営ノウハウが溜まってくれば、ノウハウに私たちのオリジナルアイデアを足して、新しいスペースを増やしていきたいと考えています。

その中で1つアイデアとして出てきているのが、託児スペース付きの女性支援コワーキングスペースの設立です。今運営を任せているメンバーは、妊娠・出産・育児を迎えた時に「こうも、女性のキャリアが止まるのか」と痛感しています。

「子育て中の女性が仕事に集中できるスペースがあったら便利だし、事業化していきたい!」と思ったようで、実現に向けて準備を始めています。

- M&Aを振り返ってみての感想はいかがですか。
非常に満足しています。やはり、すでに形になっているビジネスを譲渡いただけるのはうれしいですね。

また、TRANBIは簡単にM&Aが行えて非常に便利でした。コンサルティング業でM&A仲介を行っている時から複数のM&Aのプラットフォームを利用しましたが、中でもTRANBIは案件数が多いと感じます。買い手側の仲介を行った際には、案件を掲載した時に寄せられるオファー数も段違いでしたし、信頼できるプラットフォームだと思います。

- M&Aの挑戦を考えている人に向けてアドバイスをお願いします。
M&Aは、究極のところ“やってみないとわからない世界”だと思います。それに、契約を締結すればそれで終わりというものではなく、譲渡いただいた後しばらくは買い手として売り手様を頼ることになるように、売り手から買い手へのリレーが発生するもので。

だからこそ、あれこれと資料をひっくり返して細かい数字を調べ上げることよりも、「この人となら、この後もしばらく一緒に歩いていけそう」や、「今後も長いお付き合いができそう」と思えるような、人対人の信頼関係を結べる売り手様や買い手様との出会いを大事にすべきだと思っています。

信頼関係が築ける相手であれば、交渉の席で互いの意見を交わしながらしっかりと話し合いもできるでしょうし、引き継ぎ過程で起きる問題も一緒に解決していくことができるでしょうから。相性や肌感覚を大事にしていただきたいですね。


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  • 倉本祐美加
  • ライター紹介倉本祐美加

    関西学院大学卒業後、クラウド製品を扱うIT企業のインサイドセールス職を経て2016年にライターとして独立。企業取材を中心としたインタビュー原稿の制作に従事していますが、エンタメ・スポーツ・文化等幅広く好みます。

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