2023-08-22

アマチュア格闘家の副業M&A!10kgの減量体験が成功を呼び寄せた!

買い手(個人):山分大樹さん(20代)

<個人の副業を目的としたM&A・買収事例>

 

阪神甲子園球場の目の前に店舗を構える、ヘルシーフード専門店「GH SALAD(ジーエイチサラダ)西宮店」。サラダボウルを中心に、スープやスムージーなどPFCバランスや栄養素にこだわった商品を提供しています。

実はこの店舗、2023年2月にオープンしたばかり。 2022年6月にオープンした1店舗目が好調のため2店舗目を出店しましたが、前オーナーの体調不良により、新店はやむなく譲渡することを決めたのです。

「お客様のためにお店を存続させたい」「一生懸命働いてくれているスタッフを守りたい」という思いを受け継いだのは、27歳の山分大樹さんです。現在は鉄道会社に勤務しつつ、事業挑戦の第一歩を踏み出しました。自身もアスリートとしてトレーニングに励む山分さんに、初M&Aの詳細や想いを語っていただきます。

【格闘技での減量体験から、理想の商品開発を目指して】

- まずは、山分さんのキャリアや事業の背景について教えてください。
商業科の高校を卒業後、そのまま新卒で鉄道会社に入社し、今年で丸9年になります。

自分の事業を始めようと思ったきっかけは、コロナ禍で始めた格闘技です。学生の頃から色々なスポーツをやってきましたが、人との接触が難しくなり、誰かと一緒に練習するのははばかられましたよね。そこで、ジムに行ってサンドバッグ相手に練習したり、トレーナーとのミット打ちくらいならできると思ったのです。

もともと格闘技を見るのは好きでしたし、自分の体を鍛えるのも好きでした。現在は格闘技を始めて2年半ほど経ち、アマチュアの試合にも出ています。

- コロナ禍で始めた格闘技が、今回の事業にどうつながっていくのでしょう?
試合を行う際に減量を行うのですが、約1ヶ月半から2ヶ月で約10kgの大幅減量を都度行っています。その中で、自分の欲しいダイエット食品は意外とないんだなと感じたんです。練習で疲れた状態で帰ってくると、わざわざ調理するのも大変ですしね。

そこで、いずれ理想的な商品を開発したいと思うようになりました。また、自分が減量に成功した経験を生かしてパーソナルトレーニングを提供し、瘦せたくても痩せられない、困っている人たちに寄り添えたらと考えていたんです。

会社の仕事も悪くはありませんが、やりたいこととの差にモヤモヤを抱えていたのも事実です。ここは思い切って挑戦してみようと踏み切りました。

- 自分で事業を始めるにあたって、M&Aという手法はもともとご存じでしたか?
M&A自体は知っていましたが、個人でもできると知ったのは最近です。YouTubeで関連動画を見たのがきっかけだったと思います。

調べてみると最初にTRANBIが出てきて、まずは無料で登録して見てみることにしました。今回の案件に出会ったのは、登録して半月頃。僕としては 「何かあったらいいな」ぐらいの軽い気持ちだったので、まさかそんなに早く見つかるとは思わず、心の準備もできていない状態でしたね(笑)

【M&A交渉成立の勝因は、体験・共感・スピード感】

- 今回買収した事業内容について、詳しく教えてください。
引き継いだのは「GH SALAD 西宮店」という、サラダボウルを中心に提供するヘルシーフード専門店です。 この「GH」には「がっつりとヘルシーを両立する」というコンセプトが込められています。自分でもそんな商品を求めていたので、 最初にこの案件を見た時に「自分が考えていたことを、もう先に始めている」と惹かれました。

前オーナーさんはニュージーランドでの留学経験があり、向こうでは普段の食事としてサラダボウルが出るんだとか。日本に帰国後、ダイエットや健康的なトレーニングのために、日本にもそういう食事があったらと思い商品を開発したそうです。

今のグランドメニューでは、塩こうじチキン、シュリンプ、スモークサーモン、ローストビーフ、そしてヴィーガンの方向けのソイミートと、5種類のサラダボウルを提供しています。

量も多く、食物繊維が豊富な穀物を複数使っているため、満腹感は十分。ワンボウルで必要な栄養素を摂りながら、約400~500キロカロリーとヘルシーな商品です。

- 事前に商品は召し上がりましたか?
初めての面談の際に、サラダボウル2食分とスムージーを購入しました。持ち帰って実際に食べてみると 「美味しいし、これは食べたら分かってもらえる商品だ」と感じましたね。

僕自身もともと結構たくさん食べる方ですが、1食分でかなり満足感もありました。

サラダボウルの種類が5種類あって、ドレッシングも4種類あるので、全部で20パターン。これなら自分が減量する時にも飽きずに続けて食べられる商品だと確信しました。

ただ、サラダに約1000円という値段は、興味がない人にはハードルが高いかもしれません。まだ日本ではサラダボウルが十分に認知されていないとも感じます。野菜の高騰もあって、どうしてもコストがかかるのは仕方ないんですが。

ですので、上手にマーケティングをしながら価値を伝え、より多くの人に関心を持ってもらう必要があります。サラダボウル自体は写真映えもするので「どうにかSNSを活用すればいけるかな」とも思いました。

自分だけではなく、料理人である父や周りの人にも試食をお願いしています。値段だけ見るとやはり少し高く感じるようですが、実際に食べると「もう一回食べたい味」と言われるので、最初の入り口さえ工夫できれば、と頑張りがいを感じました。

- 買い手候補の方が他にもいる中で、山分さんが選ばれた理由は何でしょう?
定年間近の会社員の方や企業の方から、複数オファーがあったとは聞いています。

その中で僕を選んでいただいた理由は、 まずは僕自身がアスリートとして、実際に大幅な減量を体験していること。そして、以前から自分でもこういう商品を作りたいという思いがあったからだと思います。「山分さんのような理解のある方に買い取っていただけるなら助かります」とも言っていただけました。

加えて、スピード感も大きな要因だったのではないでしょうか。もともと「サラダボウルの事業」を想定していたわけではありませんが、自分の考えを反映できる可能性を感じ、 最初にお会いした段階でプッシュしたのもよかったと思います。

- 交渉の早い段階で、明確に意思を伝えたんですね。
そうですね。貯金や投資である程度資金を確保していたので、 即決で払えるぐらいの余裕はありましたから。ダラダラして他の人に取られるのも嫌だと思い、早めに決断しました。資金力では企業のオファーに100%勝てませんし、自分の強みとスピード感でアピールした形です。

- 今回の買収金額は150万円と伺っています。価格交渉はされましたか?
いえ、しませんでした。価格交渉によって不利になるのは嫌だったので、そのままの金額で進めています。 価値評価としても「150万円は安いな」という感覚でした。実際に自分でお店を立ち上げようと思ったら200万円以上かかりますし、設備もスタッフも継承できる状態でこの金額なら即決でしたね。

【前オーナーとはビジネスパートナーとして協力関係に】

- よろしければ、現状の売り上げについて教えてください。
今オープンから約5か月が経ち、月の売り上げは50万円ほど。 デリバリーを含めて、売り上げもリピートのお客様も徐々に増えている印象です。

立地がいいためテナント料が高く、現状は20万円ぐらいの赤字になっています。家賃、人件費、原価を考えると、しっかり売り上げを立てていかないと厳しくはありますね。

ただ、飲食店は最初からそううまくいくものじゃないと理解していますし、半年から1年ぐらいは様子を見ようと考えています。

ちなみに、前オーナーさんは事業を離れたわけではありません。 体調を崩されて1店舗目(本店)の運営に専念する形になりましたが、ビジネスパートナーとして一緒にお店を成長させていくつもりです。

たとえば、どちらかで新商品を出した場合はもう一方の店舗にも反映させるなど、色々と試行錯誤しながら進めています。

本店の方はテナント料の安さもあって、かなり早いペースで黒字に転換し、売り上げも伸びているようです。つまり、商品自体は良いものだとわかるので、こちらの店舗もまずはお客様に知っていただきたいですね。これまでの余剰金と、会社員としての収入もあるので、当面の運転資金も問題ないかと思っています。

- 引き継ぎで大変だったことはありましたか?
レシピについては、初めてのスタッフでも調理できるレベルで、詳細な指示を数値でパターン化してもらっています。ただ、僕がずっと店舗にいるわけではないので、最初は流れを把握するのが大変でした。前オーナーさんも両方の店舗を行き来しているので、仕入れの原価に地域差があったりして、数字に起こすのが難しかったみたいですね。

また、実際に会って確認する時はいいのですが、メッセージだけのやり取りではなかなか進まなくて。 調理の流れや仕入れ先など、半月程度で全部を一人で引き継ぐ必要があり、情報量が多くて苦労しました。

- スタッフの方の反応はいかがでしたか?
働き方については、これまで通りシフトを組んでおり大きな変更はありません。ただ、皆さん最初はやっぱり驚いていました。オープンからわずか4か月でオーナーチェンジとなると、ちょっと動揺はありますよね。

でも、前オーナーさんから「辞めるのではなく担当が変わるだけです」と直接説明してくださったので大丈夫でした。いわば店舗の管轄が変わるだけで、縁が切れるわけでもないし、たまに顔も見せに来てくださいます。僕もスタッフ全員と直接挨拶ができ、問題なく続けられそうです。

- 今回のM&Aを振り返って、感想をお聞かせください。
やっぱり即決でオファーしたのがよかったのかなと思います。

実はもう1件、並行してオファーしていたお弁当屋さんもあったんです。京野菜を使っているお店で、今回のお店のマイナスを埋められる利益も出ていたので、シナジー効果が見込めると思いました。

ただ、交渉をしている途中に先方の事情で取りやめになってしまったので、タイミングは大切ですね。

業界の先輩でもある父からは「食中毒にだけは絶対に注意して」というアドバイスをもらいました。知り合いや友人にも積極的に宣伝をしたりと、応援してくれています。



(綺麗な内装の店舗)

【資材置き場をパーソナルトレーニングルームに!相互送客を狙いたい】

- 今後の事業展開については、どのように考えていますか?
現在借りているテナントは、1階が店舗で、2階と3階が空いているのですが、今は資材置き場にしか使えていない状況です。今後もう少し落ち着いたら、 パーソナルトレーニングを提供するスペースとして活用したいと考えています。

パーソナルトレーニングとサラダボウルには、当然大きなシナジーがあります。 たとえば、パーソナルトレーニングを受けてくれたお客様には、サラダボウルのお得な回数券を販売したり、プロテイン入りのスムージーをセットで提供したりと、双方にメリットがある売り方もできそうです。

- この事業を含め、今後どのようなビジョンを描いていますか?
実は昔から「大人版の『キッザニア』のようなものがあれば、もっとチャレンジする人が増えるのでは?」と考えています。実現するのはなかなか大変ですが、これから事業が成長して会社レベルで軌道に乗ったら、いずれ挑戦してみたいんです。

イメージとしては、学校の文化祭でやった模擬店のような、その人がやりたいビジネスを支援しながら、一定期間チャレンジしてもらうような事業。

何かに挑戦してみたい会社員の方、一歩を踏み出せないフリーターの方、可能性に満ちた学生さん……そういう人たちの受け皿というか、受け入れる体制づくりを思い描いています。

もちろん、今すぐの話ではありません。幅広い分野のエキスパートの人たちと知り合いながら、将来的に取り組んでいけたら面白いなと考えています。

- 最後に、これからM&Aに挑戦される方に向けてメッセージをお願いします。
僕は20代後半で個人M&Aに挑戦し、比較的若い世代にあたると思います。 同年代の人たちや学生さんにも「若いうちに色々チャレンジして失敗しても、リスクはないから大丈夫!」と背中を押したいですね。

僕にはずっと「何歳になっても、どういう状況であっても、何かに挑戦していたい」という思いがあります。同じように「何かをやりたい」と思っている人たちは、世の中にたくさんいますよね。 だから自分が何かを始めることによって、周りにもいい影響を与えられればと願っています。

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■今回山分さんが買収した案件はこちら

「自走可能 ヘルシーフード専門店(オープン数月の新店)」

■山分さんが現在運営している事業はこちら

「GH SALAD 西宮店」

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