人生戦略としてのM&A。20万超のデータが示す、世代で変わるM&Aの新しい選択肢。
高齢化・後継者不足が進む今、M&Aは世代を超えて新しいキャリアと事業承継の選択肢に。20万超データで見る20代の挑戦意欲と、30〜50代が動き出す人生再設計の現場を解説。
「将来不安」「老後2,000万円問題」「FIRE」「副業」「資産形成」。
こうした言葉が一般化した昨今、TRANBIの累計20万超のユーザー動向と、実際にM&Aが成立した売り手・買い手の年代構造を見比べると、世代ごとの“生き方の戦略”が鮮明に浮かび上がってきます。
- 20代は「挑戦」と「高速回転」
- 30〜40代は「キャリアと資産の再設計」
- 50代以上は「事業承継」と「人生後半の豊かさづくり」
それぞれが違う理由で、M&Aという手段を選び始めています。
日本最大級のM&Aマッチングプラットフォーム「TRANBI」
『TRANBI』は、2011年にスタートした国内最大級の事業承継・M&Aのマッチングサービスです。
『Gomez M&Aプラットフォームサイトランキング』では、2021年と2022年に1位を獲得しており、特に『情報の充実度』と『信頼感』において高評価を得ています。
TRANBIでは、未経験者によるM&A成約率が約75%を誇ります。
また、登録者数は20万人を超えており、3,300件以上のM&A案件が常時掲載されているため、希望に合致した相手に出会える可能性も非常に高いため、年間500件前後のM&Aが成立しています。(※掲載件数等の数字には変動があります)
買い手に成約手数料を負担させるマッチングサービスもありますが、TRANBIでは売り手・買い手のいずれからも成約手数料を徴収しません(買い手は交渉する際には月額プランへの加入が必要)。
売り手は案件の掲載から成約まで、すべてのサービスを無料で利用できます。
ユーザーの中心世代は40代:将来不安と人生再設計が交差する世代
20万超の登録データを分析すると、TRANBIのユーザー分布の中心は40代に位置していることがわかります。
特に30代後半〜40代前半は、全体の中でも安定して高い比率を占めており、M&Aへの関心が非常に強い層です。
この背景には、40代が抱える社会構造的・経済的な要因が複雑に絡み合っています。
40代が「人生の岐路」に立ちやすい理由
40代は、キャリアの中盤に位置し、人生の様々な“見直しポイント”が訪れます。
- 管理職としての責任増加
自由度が下がり、今後10〜20年の働き方がイメージできてしまう時期。 - 老後資金への不安が高まる
「老後2000万円問題」が現実味を帯びる年代。 - 子育て・教育費のピーク
可処分所得が減り、将来への投資に意識が向きやすくなる。 - 親の介護や実家の事業承継問題が顕在化
“誰が継ぐのか”という議題が、突然家庭内に降ってくることも。
こうした環境変化が40代に重なり、「いまの延長線で本当にいいのか?」
その結果として、M&Aがキャリアの第二ステージを切り開く選択肢として台頭してきています。
40代は「老後資産形成」と「自己実現」を両立したい世代
現代の40代は、過去の世代と比べて価値観が大きく変化しています。
老後不安 → 「働き続けるだけでは不安」
年金制度への信頼低下、物価上昇、昇給鈍化。
これらが相まって、40代は給与以外の収入源の確保を意識するようになっています。
そこで注目されるのが、小規模事業のオーナーになるという選択肢。
経営者=大きなリスクというイメージは薄れつつあり、副業型の小規模M&A(スモールM&A)が、「資産形成」と「自己実現」の両面で支持されています。
中高年の“チャレンジ”が社会的にも求められている時代
後継者不足が全国的に深刻化する中、40〜50代は、事業承継市場で「もっとも頼りにされる世代」でもあります。
- 経営経験・業務経験が豊富
- マネジメントスキルがある
- 資金調達の信用力が高い
企業を引き継ぐ側として、社会からのニーズが高まっています。
つまり40代は「挑戦したい個人」と「後継者を求める企業」の交点にいる世代なのです。
データが裏付ける“40代の積極性”
実際に、TRANBIでマッチングし、M&Aが成約した人の年齢データでも、40代の存在感は非常に大きく、以下のような結果が出ています。
- 売り手の中心:40代(約30%)
- 買い手の中心:40代(約35%) ※2025年12月時点
つまり、40代は「売る」動機も強く、「買う」動機も強い、M&A市場の中心世代と言えるでしょう。
40代のM&Aは“逃げ”ではなく“攻め”の選択肢へ
かつて「独立」は20〜30代が中心でしたが、今は40代の動きがもっとも活発です。
その理由は、逃避ではなくM&Aが合理的な戦略と考える人が急増しているためです。
- 会社に依存せず収入源を増やす
- 終身雇用への期待値を下げ、多様なキャリアを持つ
- 定年後も収入が続く仕組みを早めに作る
- 雇われない働き方に興味がある
まさに40代は、「未来の不安をチャンスに変える世代」と言えます。
40代はM&A市場の中心であり、未来を自分で設計する世代
- キャリアの節目
- 家庭の変化
- 老後資産形成
- 親の事業承継問題
- 働き方の価値観の変化
これらが重なる40代は、人生の再スタートとしてのM&Aに最も向いている世代でもあります。
40代は、将来不安を“行動”に変えられる世代。
M&Aは、その行動をもっとも現実的な形で支える選択肢になっています。
20代の挑戦と新しいキャリア戦略:リスクを恐れない世代が選ぶM&Aというリアル
TRANBIのデータを見ると、20代ユーザーは全体の中でまだ少数派ではあるものの、年々、着実に存在感を増している層でもあります。
特にM&Aの成立において、以下のようなデータが見られます。
- 売り手が20代:17%
- 買い手が20代:11% ※2025年12月時点
20代が売り手・買い手どちらにも多く現れることは、以前はなかなか考えられなかった現象と言えるでしょう。
なぜ20代のM&Aへの関心が急速に高まっているのか?
20代の行動パターンは、30〜50代やそれ以上の人とは明確に異なります。
【① 「副業が当たり前」の価値観】
20代は社会人になった時点で、副業解禁の流れを当たり前として受け入れています。
- 終身雇用の幻想が最初からない
- 収入源は複数持つべきという前提
- 本業以外でスキルを試す機会を求めている
この流れの延長に、副業型のスモールM&Aが自然に存在しています。
【② 「起業=ハードモード」の感覚が強い】
20代から見た起業は「ゼロから作るのはリスクが大きい」という認識が強く、『だったら、すでに動いている事業を小さく買ったほうがいいんじゃない?』という合理的な発想が、20代の間で増えています。
【③ SNSやYouTubeで「起業・資産形成」の情報に触れ続けている】
20代は、常に最新の情報に触れています。
SNS上では、若くしてスモールビジネスを持つことが“普通の行動”として語られています。
- 資産形成
- サイドFIRE
- インディー起業
- スモールビジネス買収
こうした価値観に自然と馴染んでいて、M&Aの心理的ハードルが圧倒的に低い傾向があります。
20代がM&Aで“売る側”に回る理由
20代で事業を「売る」という行動は、一見珍しく思えるかもしれませんが、実は若者の間では自然な流れになっています。
継続より「次のチャレンジ」を優先する
20代は、1つの事業に執着しません。
- 作ってみる
- 回してみる
- 次に行く
というサイクルの早さが特徴で、事業を売却して資金を作り、次の挑戦に行くという動きが定着しています。
事業売却は“失敗のリセット”ではなく、“成長の証”
現代の20代にとって、M&Aは「逃げ」ではなく“スキルの証明”であり、“経験値の換金”であるとして、売却が成功体験として語られる世代です。
20代が“買う側”になる背景にあるのは、圧倒的な合理性
20代が事業を買う理由は「意識高いから」ではありません。
むしろ冷静で合理的な判断が背後にあります。
【① 低コスト・低リスクで事業主になれる】
- 顧客がすでにいる
- 売上がある
- 運営ルールが整備されている
これらの理由により、事業を買うほうが圧倒的に安全だと考える若者が増えています。
【② 本業を続けながら“事業オーナー”になれる】
「副業経営」や「外注型経営」、あるいは「週末経営」のように、会社を辞めずに事業を持つ、という選択肢が広く当たり前になりつつあり、20代という若い層にも手が届くようになりました。
【③ 資産形成の一手段としてのM&A】
20代が資産形成をする上で、投資だけでなく「小さな事業を持つ」ことがポートフォリオに組み込まれつつあります。
株式・暗号資産・投信と並列で、“小規模事業のオーナー”という選択肢を若いうちから持つのは、時代の象徴と言えます。
20代の挑戦が、事業承継問題の新しい解決策に
日本は深刻な後継者不足に陥っており、「70代の社長の会社を、20代が引き継ぐ」という案件も現実に増えています。
若い脳が古い事業をアップデートする
20代はデジタルスキルに優れ、SNSやWebマーケに苦手意識が薄い傾向があります。
- 老舗飲食店のSNS運用
- 伝統工芸のEC化
- 地方企業のDX化
こうした “若い感性×既存事業”の組み合わせは、地域経済に新たな価値をもたらします。
まさに20代は、日本の事業承継問題における“新しい担い手”になりつつあります。
20代の挑戦は、キャリアの新しい基準をつくる
20代のM&A参入は、単なるトレンドではありません。
これは「働き方の新常識」が生まれているサインです。
- 会社員だけがキャリアじゃない
- 起業=ゼロからじゃなくていい
- 副業として事業を持つのは普通
- 資産形成とキャリア形成を同時に進める
20代は“リスクを取らないために、挑戦する世代”
20代のM&Aは、大胆に見えて実は非常に論理的で現実的な選択ともいえるでしょう。
- 副業文化の広がり
- 情報へのアクセス
- 小規模M&Aの普及
- 起業リスクの認識
- 資産形成意識の高まり
こうした背景から、20代がM&Aに関心を持つのは自然な流れです。
20代は「未来への投資」として挑戦し、その挑戦が日本の事業承継問題の解決にもつながっていく──。
これはまさに、若い世代が“日本の未来を支えるM&Aの新しい主役”になり始めているという証拠だと言えるでしょう。