M&A成功事例14選|中小企業・個人のリアル事例と失敗回避のコツ
M&Aは中小企業や個人でも100万円以下から挑戦できる時代。新規事業創出・収益安定化・シナジー強化・海外進出の4目的別に成功事例14選を紹介し、デューデリ不足や高値づかみなどよくある失敗パターン5つ・取引金額の相場・成功のポイントまで実例ベースで解説します。
- 05 【本業とのシナジー】中小企業のM&A成功事例6選
- IT企業が保育園事業を買収した事例
- 親子イベント会社がベビーアート事業を買収した事例
- PR会社が出版事業を600万円で買収した事例
- ワイン卸業者が飲食店を0円で買収した事例
- 旅行代理店が観光バス事業を買収した事例
- 再生可能エネルギー関連企業が林業を買収した事例
- 07 M&Aでよくある失敗パターンと注意点
- デューデリジェンス不足で簿外債務が発覚
- PMI(経営統合)でつまずいて人材が流出
- シナジー効果が想定通りに出なかった
- 高値づかみで投資回収できない
- 許認可や契約の引き継ぎ漏れ
- 08 M&Aを成功させるための5つのポイント
- 明確なビジョンと戦略を持つ
- 必要な期間と予算を把握する
- 経営者の人柄や相性を見極める
- 従業員への配慮を欠かさない
- 信頼できるプラットフォーム・専門家を活用する
M&A事例の前に知っておきたい基礎知識
M&Aの事例を詳しく見ていく前に、まずは基礎知識を整理しておきましょう。国内のM&A実施件数の推移や、中小企業・個人のM&Aでよく使われるスキームを押さえておくと、後の事例理解がスムーズになります。
国内のM&A実施件数は増加傾向
国内のM&A実施件数は、近年増加傾向が続いています。中小企業庁の「中小企業白書」によると、2010年代以降は基本的に右肩上がりで推移しており、コロナ禍の一時的な落ち込みを除けば、件数は高水準を維持している状況です。
件数増加の背景にあるのは、国内市場の「成熟化」と「後継者不足」という2つの構造要因です。人口減少が続く中で新規顧客の獲得が難しくなっており、M&Aによって顧客基盤や事業を取り込む動きが活発化しています。
また、中小企業の経営者の高齢化も大きな要因です。後継者不在に悩む経営者が増え、廃業ではなくM&Aで事業を引き継いでもらう選択肢を選ぶケースが目立ってきました。買い手側にとっても、安価で事業を取得できるチャンスが広がっています。
中小企業・個人M&Aでよく使われる3つのスキーム
M&Aのスキームにはいくつか種類がありますが、中小企業や個人のM&Aで特によく使われるのは次の3種類です。
1つ目が株式譲渡です。
売り手企業の株主が保有する株式を、買い手が取得する手法を指します。手続きが比較的シンプルで、従業員・取引先との契約・許認可をそのまま引き継げる点が大きなメリットです。中小企業M&Aで最も多く採用されているスキームと言えるでしょう。
2つ目が事業譲渡です。
会社が持つ事業の一部または全部を切り出して譲渡する手法で、譲渡対象を選べるため、不要な負債を引き継がずに済むメリットがあります。一方で、契約や許認可を個別に承継し直す必要がある点には注意が必要です。
3つ目が会社分割です。
事業の権利義務を包括的に承継させる手法で、既存会社が引き継ぐ「吸収分割」と、新設会社が引き継ぐ「新設分割」に分かれます。事業譲渡と違い、契約や許認可を個別に承継し直す手間が省ける点が特徴です。
M&Aの取引金額の相場感
M&Aを検討する際に気になるのが、取引にどれくらいの金額が必要かという点です。実は、M&Aの取引金額は規模によって大きく異なります。中小企業・個人M&Aの相場感を押さえておきましょう。
大企業のM&Aは数百億〜数兆円規模も
新聞やニュースで報じられる大企業同士のM&Aでは、取引金額が数百億円〜数兆円にのぼるケースも珍しくありません。事業の規模が大きく、ブランド価値・知的財産・人材まで含めて評価するため、必然的に金額が膨らみます。
このスケールのM&Aは、上場企業や大手企業がメインプレイヤーです。中小企業や個人がM&Aを検討する場合は、相場感がまったく異なるため、参考程度にとどめておくとよいでしょう。
中小企業・個人M&Aなら100万円以下の案件も
一方で、中小企業や個人を対象としたスモールM&Aの世界では、100万円以下、場合によっては無償(0円)で成約する案件も存在します。後継者不在で廃業を選ぶより、事業を引き継いでくれる買い手に譲りたいという売り手も多く、買い手にとっては大きなチャンスです。
TRANBIのようなM&Aマッチングサイトでは、500万円以下の案件も多数公開されています。サラリーマンが副業や独立の足がかりにする、既存事業のシナジーを狙うなど、小規模な投資でM&Aに挑戦できる時代になりました。
【新規事業の創出】中小企業・個人のM&A成功事例3選
新規事業をゼロから立ち上げるより、既存の事業をM&Aで取得した方が早く軌道に乗せられるケースは多くあります。新規事業創出を目的として実施された、中小企業・個人M&Aの成功事例を3つ紹介します。
化粧品販売店を50万円で買収した事例
多角的な事業展開を目指し、化粧品を扱うお店の買収を実施した事例です。最初の問い合わせ時には「若い男性では無理だと思います」と、芳しい返事をもらえなかったそうです。
そこで女性スタッフがいる点をアピールし、交渉の場につくこととなりました。その後は順調に進んだものの、店舗の賃貸契約に必要な保証会社の審査に落ちるという想定外の事態が発生します。
また、譲渡希望価格は50万円でしたが、この中に在庫費用が含まれていないことが発覚し、追加で30万円の支払いが必要だったとのことです。
引き継ぎ期間の1カ月間は、店舗を担当する女性社員を派遣しました。同時に経営者自身も週1〜2回は店舗を訪れ、無事に引き継ぎまでたどり着いた事例です。
靴磨き店の無償譲渡を受けた事例
自分たちの事業を育てていきたいという気持ちから、予算100万円ほどで首都圏の案件を探していた事例では、最終的に靴磨き店の無償譲受に成功しています。
ただし完全な無償ではなく、テナントとして入居している商業施設に支払う一時申込金が必要でした。加えて、ホームページのレンタルサーバー移行に対しても、15万円ほどのコストがかかっています。
想定外のコストはかかったものの、お店を任せるスタッフがプロフェッショナルであることも手伝い、契約へと進んだ事例です。譲渡価格だけでなく、付随コストまで見越して予算を組む重要性を示しています。
運送業者がマッチングサイトを買収した事例
沖縄県の運送業者は、船や空港に倉庫を持つ大きな企業の下請けとして、低単価の仕事を受けているケースがほとんどだったそうです。
業界の構造的な課題を解決するため、荷物を送りたい人と運べる人をつなぐマッチングサイトを買収した事例を紹介します。当初の価格は200万円でしたが、それでも回収できる金額を考えるとリーズナブルと判断し、交渉を開始したとのことです。
交渉は順調に進み、約4カ月で成約。最終的な買収金額は60万円となりました。ただし、テキストベースでやり取りを進める中で、文章の意味を取り違えてしまうという難しさにも直面したそうです。
【収益の安定化】中小企業・個人のM&A成功事例3選
本業の業績が不安定だったり、特定の市場環境に依存していたりする場合、別事業の取得は収益安定化に有効です。コロナ禍によるライフスタイルの変化など、外部環境の変動リスクに備える意味でも注目されています。収益の安定化を目的として実施されたM&Aの事例を見ていきましょう。
サラリーマンが自転車回収業を100万円で買収した事例
観光業を営む会社でサラリーマンとして働いており、コロナ禍をきっかけに「安定などない」「収入アップの挑戦をあきらめてはいけない」と改めて感じたことから実施された、個人M&Aの事例です。
ある程度の形ができあがっている事業を引き継ぎ、成長させたいと考えていたことから、気になる案件の情報を整理し、比較していました。そんな中で見つけたのが、譲渡金額100万円の自転車回収業です。
車が1台あれば続けられるため、維持費が最小限である点が魅力でした。人気案件で多くのライバルがいたものの、今後の取り組みについて盛り込んだプレゼン資料が決め手となり、成約に至ったそうです。
金属部品メーカーが飲食店を買収した事例
事業の柱である金属部品の製造・販売の強化とともに、経営の多角化によりリスクを低減したいと考え、飲食店のM&Aを実施した事例もあります。
売り手のシェフパティシエは有名店で修行を積んだ経歴の持ち主で、経営をほかの人に任せて自分は商品開発に専念したいと考えていました。飲食店の経験のない買い手にとっては優秀な職人の獲得が必須であり、とても魅力的なマッチングだったと言えます。
譲渡金額は少額でしたが、数千万円の負債を引き受けなければいけない案件だったとのことです。それでも十分に利益で回収できる範囲内と判断し、交渉・成約へと進みました。本業の収益変動を別業態でカバーする、典型的な収益安定化のM&A事例です。
コンサル会社が湘南のカフェを買収した事例
本業のコンサル事業以外に事業の柱を作るため、ダイニングカフェを買収したケースでは、売り手に業績の開示を求めました。コンサルティング会社ならではの分析力で、成長させられる事業かどうかを見極めるためです。
引き継ぎをする際には、カフェで働くスタッフとのコミュニケーションを重視し、オーナーの交代に不安を感じているスタッフのケアに注力しました。
ヒアリングの機会を設けて不安を取り除くとともに、お店の目指す方向性・共通課題の理解・仲間意識の醸成を図っていったそうです。M&A後のPMI(経営統合)を丁寧に進めた好例と言えるでしょう。
【本業とのシナジー】中小企業のM&A成功事例6選
本業との掛け合わせでより大きな成果を生み出せるのが、シナジー狙いのM&Aの魅力です。自社が持つリソース・ノウハウ・顧客基盤と買収先の事業を組み合わせ、相乗効果を狙ったM&Aの事例を6つ紹介します。
IT企業が保育園事業を買収した事例
保育園の事業を始めても、小規模では経営効率が上がりにくい現実があります。ゼロから始めて行き詰まり困っている保育園を、買収したいと考えたIT企業があります。
IT事業と保育園のシナジー効果を見込み、黒字化を目指して買収に踏み切ったケースです。売り手からは従業員の雇用継続や正社員化の条件があったため、それに同意する形での買収となりました。
交渉自体はスムーズに進みましたが、保育園の運営に必要な許認可付きの事業譲渡という点が難しかったそうです。許認可は申請後の審査に数カ月かかり、事業を開始できるタイミングを読めません。実際に審査がおりてから、事業開始までの準備期間は半月のみだったとのことです。
親子イベント会社がベビーアート事業を買収した事例
親子を対象にイベントやワークショップを提供する事業を実施している会社が、コンテンツを強化するためにベビーアート事業を買収した事例です。予算は500万円以下ほどで考えていたところ、実際の譲渡金額は150万円で妥結しました。
金額はベビーアートの商標登録・40種類ほどある体験プログラム・インストラクター養成講座の開発費用などから算出したものです。しかし、いざ契約を結ぼうという段階で、社内監査役から指摘を受けます。
対象会社にも対応をお願いし、懸念点を解消していきました。丁寧なやり取りにより時間はかかってしまいましたが、無事成約に至った事例です。
PR会社が出版事業を600万円で買収した事例
PRコンサルティング業を営んでおり、シナジーを期待できる事業のM&Aを希望した事例です。出版事業を行う対象会社との交渉はスムーズで、経営状況の確認や取引の流れを決める2回のオンラインミーティングで話がまとまりました。
1,000万円の予算に対して、譲渡金額は600万円です。ISBNや書籍JANコードの取得は難易度が高く、流通を担う取次会社や書店とのネットワークも一朝一夕で築けるものではありません。
ゼロベースから築くよりスムーズな事業展開がかなうだろうと考え、M&Aを決定しました。本業のPRノウハウと出版事業のシナジーを狙った、戦略的なM&A事例と言えます。
ワイン卸業者が飲食店を0円で買収した事例
メインで行っているワイン卸業のスムーズな展開を考え、飲食店のM&Aを実施したのは、自らも飲食業の経験を持つオーナーでした。
敷金や礼金がかからず買収費用を抑えやすい、株式譲渡で実施できる案件に絞って探したのがポイントです。さらに経営者が高齢で後継者がいない案件に絞り、最終的に0円で譲渡を受けられました。
買い手に飲食業の経験があった点も、売り手経営者へ与える印象にプラスとなり、スムーズな契約に至った要因です。事例の中でも、案件の絞り込みと売り手との相性の良さが際立っているケースと言えるでしょう。
旅行代理店が観光バス事業を買収した事例
創業当初に手掛けていたバス事業をグループ内に再度取り入れたいという思いから、旅行代理店が観光バス事業を購入した事例もあります。
コロナ禍の影響で観光業界全体が下火になっている状況だからこそ、本来の価値より手頃な買収金額で成約しました。最終的には当初提示されていた価格の1/8でまとまったそうです。
ただし、セットで引き継いだと思われていた不動産事業の収入がなくなっているという予想外の出来事もありました。当然あるものと考えていた収入源がなければ計画が立ち行かなくなる可能性もあるため、必ず確認が必要なポイントです。
また、従業員の不安を解消すべく、引継ぎの際に時間無制限の相談会を実施しました。売上へのモチベーションを高めてもらうため、会社の数値データを全て開示するという大胆な施策も、従業員との一体感を生む上で功を奏したようです。
再生可能エネルギー関連企業が林業を買収した事例
再生可能エネルギーで資源循環型経済社会を実現したいという思いで事業を続けてきた中、林業の維持発展にさらに寄与したいと考え、林業の買収に至った事例です。
対象会社は数億円の負債がある状態でした。そのため負債と経営者保証を含めて引き受けることを条件に、東京ドーム100個分の広さの山林も含め、数千万円での株式譲渡に合意してもらいました。
つまずいたのは契約の条文を把握する段階です。初めてのM&Aだったため、理解するのに時間がかかってしまったそうです。また、エネルギー供給用途の搬出事業に必要な認定を受けていないことも、途中で判明したとのことです。
山林についてよく知るスペシャリストが参謀役についていたからこそ、買収が成功した案件と言えます。専門性の高い業種では、専門家のサポートが成否を分けることがよくわかる事例です。
【海外進出】中小企業のM&A成功事例2選
M&Aは国内企業同士に限った話ではありません。海外進出の足がかりとして、海外企業や海外発の事業をM&Aで取得する選択肢もあります。中小企業による海外M&Aの事例を2つ見ていきましょう。
人材紹介会社がマレーシアの大手人材派遣会社を買収した事例
人材紹介業を営む中、エリア展開拡大の必要性から海外企業とのM&Aを実施した会社があります。最初から海外企業に対象を絞っていたわけではなく、TRANBIを利用する際に「海外案件に興味がある」にチェックを入れていたことで、代理人から声をかけられたのがきっかけだそうです。
初めてのM&Aでしたが、代理人の協力もあり、交渉は順調に進みました。オンラインでのミーティングを重ね、事業責任者にすべて任せられると感じ、契約を決定したとのことです。海外M&Aと聞くとハードルが高そうに思えますが、信頼できる代理人がいれば、初めてでもオンライン中心で進められることを示す好例です。
Web広告会社がインドのゲームアプリを買収した事例
プロモーション・Webメディア・ゲームなど多岐にわたる事業を展開しているベンチャー企業は、これまでの経験から、投資金の回収期間が2年ほどと短く、譲渡金額が比較的少額な案件を探していました。
そこで目に留まったのが、インドの会社が開発・運営していた、譲渡金額1,300万円ほどのゲームアプリです。運営そのものは買収後も売り手企業がそのまま行う内容のため、自動的に月100万円を稼ぐアプリへの投資に近い取引でした。
アプリの特徴であるキャッシュマッチという課金方式に問題がないか、顧問弁護士に精査してもらう必要があり、その点には多少時間がかかったそうです。ただし、新システム開発のための資金を早急に集めたい売り手の要望もあり、交渉はスピーディーに進みました。
M&Aでよくある失敗パターンと注意点
成功事例を見るのと同じくらい、失敗パターンを知っておくこともM&Aには欠かせません。M&Aの失敗は資金的なダメージだけでなく、本業にも悪影響を及ぼす可能性があります。中小企業・個人M&Aで陥りやすい失敗パターンを5つ押さえておきましょう。
デューデリジェンス不足で簿外債務が発覚
M&A後に「聞いていなかった負債」「未払いの債務」が出てくるケースは、失敗事例の中でも特に多いパターンです。買収前の調査であるデューデリジェンスが不十分だと、財務諸表に載っていない簿外債務や、訴訟リスク・労務リスクを見落としてしまいます。
個人M&Aや小規模M&Aでは費用面から専門家を入れずに進めるケースもありますが、最低限の財務・法務チェックは外部の専門家に依頼するのが安全です。買収金額が小さくても、簿外債務はそれを上回るリスクになりえます。
PMI(経営統合)でつまずいて人材が流出
M&Aは契約の成立で終わりではなく、その後のPMI(経営統合)が本番です。買収後に異なる組織文化や業務プロセスを統合する過程で、コミュニケーション不足が原因で従業員が次々と退職してしまうケースは少なくありません。
特に中小企業のM&Aでは、優秀な人材こそが買収対象の核心であることも多く、人材流出は買収目的そのものを失わせるリスクがあります。事例で紹介した「数値データの開示」「時間無制限の相談会」など、引き継ぎ期間の従業員ケアが鍵を握ります。
シナジー効果が想定通りに出なかった
「本業と組み合わせれば必ず効果が出るはず」と楽観的に見積もっていたシナジーが、実際には発揮されなかったというパターンも頻発します。市場環境の変化・顧客層のミスマッチ・想定外の競合の出現など、シナジーが出ない理由はさまざまです。
シナジー効果は「あったらラッキー」くらいの慎重な見積もりで予算を組むのが、失敗回避のコツです。シナジーありきで買収価格を吊り上げてしまうと、回収が困難になります。
高値づかみで投資回収できない
M&Aへの期待が大きいあまり、買収価格を相場以上に積み上げてしまうケースも要注意です。回収シミュレーションが甘かったり、複数の買い手で競合になって価格が吊り上がったりすると、買収後の利益で投資を回収できない事態に陥ります。
「いくらまでなら投資回収できるか」の上限を事前に決めておき、それを超えそうなら撤退する判断も必要です。買収後の業績想定は、楽観・中立・悲観の3シナリオで検討するのが理想的です。
許認可や契約の引き継ぎ漏れ
業種によっては事業を継続するために許認可が必要で、許認可の引き継ぎ方法を間違えると一時的に事業が止まってしまうリスクがあります。飲食業・保育業・建設業・運送業など、許認可ビジネスのM&Aでは特に注意が必要です。
事業譲渡だと許認可を取り直す必要がある一方、株式譲渡なら多くの許認可がそのまま引き継げます。スキーム選定の段階で、許認可の取り扱いを確認しておきましょう。
M&Aを成功させるための5つのポイント
14の成功事例と5つの失敗パターンを踏まえ、M&Aを成功に導くために押さえておきたいポイントを整理しました。事例の中でも、これらのポイントを押さえている案件は順調に進んでいるはずです。
明確なビジョンと戦略を持つ
「良い案件があれば買いたい」という受け身の姿勢では、M&Aは成功しにくいでしょう。なぜM&Aをするのか・買収後にどんな絵を描きたいのかが明確になっていないと、案件選定の軸がブレますし、買収後の経営統合でも判断に迷う場面が増えます。
新規事業創出なのか、収益安定化なのか、シナジー強化なのか、海外進出なのか。目的を明確にした上で戦略を組むことが、最初の一歩です。
必要な期間と予算を把握する
M&Aは、秘密保持契約の締結から最終契約までだけでも「1〜3カ月」はかかります。買収後の経営統合(PMI)まで含めると、半年〜1年単位の取り組みになることも珍しくありません。
費用についても、譲渡金額だけでなく、専門家への報酬・デューデリジェンス費用・登記費用などを見込んでおく必要があります。「買収価格が安いから即決」ではなく、トータルコストで判断する姿勢が大切です。
経営者の人柄や相性を見極める
中小企業のM&Aでは、売り手と買い手の経営者同士の信頼関係が、契約成立と買収後の成果を大きく左右します。事業内容や利益率だけで決めると「こんなはずではなかった」と後悔する可能性も高いです。
面談を重ねる中で、対象会社の経営者の人柄・価値観・コミュニケーションスタイルを確認しましょう。信頼できる相手かどうかを見極めることで、契約後のトラブルや不正発覚のリスクも下げられます。
従業員への配慮を欠かさない
M&A実施後の人事面の統合は、買収成果を左右する重要なポイントです。買収先の従業員に対して情報共有が不十分だったり、急な制度変更で不安を煽ったりすると、貴重な人材が流出してしまいます。
事例の中でも、引き継ぎ期間にじっくりヒアリングの場を設けたり、数値データを開示して仲間意識を醸成したりといった、丁寧な人事面の対応が成功要因になっているケースが多く見られます。
信頼できるプラットフォーム・専門家を活用する
M&Aは法務・税務・財務・労務など多岐にわたる専門知識が必要です。すべてを自分で抱え込もうとせず、信頼できる専門家やプラットフォームを活用するのが成功への近道です。
TRANBIのようなマッチングサイトを使えば、案件探しから交渉までをオンラインで進められ、必要に応じて専門家のサポートも受けられます。初めてのM&Aほど、外部の力を借りる選択肢を検討してみましょう。
M&Aの事例に関するよくある質問
最後に、M&Aの事例について検討している方からよく寄せられる質問にお答えします。
M&Aは個人でも実施できますか?
はい、個人でもM&Aは可能です。実際にTRANBIでは、サラリーマンや個人事業主が100万円〜数百万円規模の案件を買収する事例が多数生まれています。会社員のまま副業的に運営したり、独立の足がかりにしたりと、活用パターンはさまざまです。本記事で紹介した自転車回収業や靴磨き店の事例も、個人による買収の好例です。
M&Aの事例で多いのはどのような業種ですか?
中小企業・個人M&Aでは、飲食業・サービス業・小売業・Webサイトなど、比較的小規模で参入障壁の低い業種の案件が多く見られます。一方で、製造業・物流業・許認可ビジネスなど、本業とのシナジーを狙った専門性の高い業種のM&Aも活発です。買い手の目的に応じて、幅広い業種から選択できます。
M&Aの平均的な取引金額はどのくらいですか?
取引金額はケースによって大きく異なり、無償(0円)〜数十億円まで幅広く分布しています。中小企業・個人M&Aに限れば、100万円〜1,000万円程度の案件が中心です。500万円以下の案件も多数あり、個人が挑戦しやすい価格帯となっています。譲渡金額に加え、専門家報酬や登記費用などのトータルコストで判断するのがおすすめです。
M&Aで失敗を避けるにはどうすればよいですか?
事前のデューデリジェンス・適正な価格交渉・買収後のPMI(経営統合)、この3つを丁寧に進めることが失敗回避の基本です。特に簿外債務や許認可の引き継ぎなど、見落としやすいリスクを専門家のサポートで洗い出すことをおすすめします。本記事の失敗パターン5つも、リスク確認のチェックリストとして活用してください。
M&Aの相談はどこにすればよいですか?
M&Aの相談先には、M&A仲介会社・公的機関(事業承継・引継ぎ支援センター)・M&Aマッチングサイトなどがあります。中小企業・個人M&Aであれば、案件数の多いTRANBIのようなマッチングサイトに無料登録し、まずは市場の案件をチェックしてみるのが手軽な第一歩です。
まとめ|M&A事例から学んで成功確率を上げよう
本記事では、中小企業・個人によるM&A事例14選を、目的別(新規事業創出・収益安定化・シナジー強化・海外進出)に紹介してきました。最後にポイントを整理しておきましょう。
- M&Aは大企業だけのものではなく、中小企業・個人でも100万円以下の案件で挑戦できる
- 事例には「新規事業創出・収益安定化・シナジー強化・海外進出」など多様な目的がある
- 成功事例の多くで、明確な戦略・丁寧なコミュニケーション・専門家活用が共通している
- 失敗パターン(デューデリ不足・PMI失敗・高値づかみ・許認可漏れなど)を知っておくことがリスク回避につながる
- 業種特有の注意点(許認可・契約・専門知識)もスキーム選定の段階でチェックしておく
- 初めてのM&Aほど、信頼できるプラットフォームや専門家の力を借りるのが近道
自社や自分の目指すM&Aに近い事例を見つけ、案件探しや交渉のヒントとして活用してみてください。事例で学んだポイントを実践に活かせば、M&Aの成功確率を確実に高められるはずです。
