企業買収とは?方法・流れ・費用相場・メリットデメリットを徹底解説
企業の買収は、どういった流れで実行されるのでしょうか。買収の方法や手続きに加えて、買収を行うメリット・デメリットも解説します。実際の成功事例・失敗事例を通じて、買収を成功させるポイントも理解しましょう。まずはプロセスを知ることが大事です。
「新しい事業をスピーディーに始めたい」「後継者のいない会社を引き継いで成長させたい」——その有力な手段が企業買収(M&Aによる買収)です。かつては大企業のものというイメージでしたが、いまや個人や中小企業が数百万円から会社・事業を買う時代になっています。
本記事では、企業買収とは何か(定義・友好的/敵対的・M&Aとの違い)から、買収の目的・方法(スキーム)・流れ・費用相場・メリット・デメリット・成功のポイント・事例までを、これから買収に挑戦する方にもわかりやすく解説します。
買い手として企業・事業の買収を検討している方に向けた、実務目線の総合ガイドです。
企業買収とは?
企業買収とは、ひとことで言えば他社の会社や事業の経営権を買い取ることです。まずは買収の意味や種類、よく混同される「M&A」との違いを整理しましょう。
企業買収の意味
M&Aにおける「買収」とは、他社の株式や事業を買い取って、自社の傘下に入れることを指します。株式会社を買収する場合は、原則として株式の過半数を取得することで成立します。
株式の過半数を保有すれば株主総会の普通決議を通せるため、経営をコントロールできます。さらに3分の2以上を取得すると、特別決議も成立させられるため、実質的に経営を支配できます。買収された会社は、買い手の子会社やグループ企業として事業を続けるのが一般的で、片方の会社が消滅する合併とは形式が異なります。
友好的買収と敵対的買収
買収には、大きく「友好的買収」と「敵対的買収」の2つがあります。
- 友好的買収:売り手・買い手が合意のうえで進める買収。方法やスケジュール、買収後の方針を話し合って決める
- 敵対的買収:相手の同意なく、市場などで株式の過半数を取得しようとする買収。防衛策が講じられ、時間もコストもかかる
個人や中小企業によるスモールな企業買収は、そのほとんどが友好的買収です。お互いが納得して進めるため、買収後の引き継ぎもスムーズになりやすいのが特徴です。
買収とM&Aの違い
「買収」と「M&A」は混同されがちですが、厳密には異なります。M&Aとは、企業の「合併(Mergers)」と「買収(Acquisitions)」を指す言葉で、買収はM&Aの一種という位置づけです。
さらに広い意味では、M&Aには合弁会社(ジョイントベンチャー)の設立や資本提携なども含まれることがあります。本記事では、このうち「買収」、とくに会社・事業を買い取って経営権を得るケースを中心に解説します。
企業買収の目的
買い手はなぜ企業を買収するのでしょうか。目的はひとつとは限らず、複数の狙いが組み合わさることも多くあります。代表的な目的を整理します。
経営資源を引き継ぎ「時間を買う」
すでに事業として成り立っている会社を買収すれば、その会社が持つ経営資源——顧客・取引先・ノウハウ・人材・設備・許認可などを一度に引き継げます。ゼロから立ち上げる手間と時間を大幅に省ける、いわば「時間を買う」ことが買収の大きな価値です。
新規参入・多角化でリスクを分散する
自社にない分野の会社を買収すれば、新規事業への参入や事業の多角化を一気に進められます。収益の柱を複数持つことで、特定の事業が不調になっても他でカバーでき、経営リスクの分散につながります。同じ分野の会社を買えば、スケールメリットによる競争力強化も可能です。
後継者不在の事業の受け皿になる
近年は、後継者不在で廃業の危機にある会社を、買収によって引き継ぐケースが増えています。売り手は事業と従業員を残せ、買い手は実績ある事業を引き継げる——双方にメリットのある形です。個人が独立目的で小規模な会社を買う「スモールM&A」も、この受け皿のひとつになっています。
企業買収の方法・スキーム
企業買収にはいくつかの方法(スキーム)があります。株式会社の買収では株式の取得が一般的ですが、事業だけを買う方法などもあります。代表的な手法を確認しましょう。各スキームの詳細についてはM&Aの種類の記事もご覧ください。
株式取得(株式譲渡・TOB・MBOなど)
最も一般的なのが、発行済株式を買い取る株式譲渡です。会社を丸ごと引き継げるため、中小企業の買収で広く使われます。
このほか、上場企業を対象に株式を買い集めるTOB(株式公開買付)、経営陣が自社を買収するMBO、完全子会社化に用いる株式交換・株式移転などの方法もあります。
事業譲渡
事業譲渡は、会社の事業の一部または全部を、個別に買い取る方法です。複数事業のうち一部だけを売買する場合や、個人による小規模な買収でよく使われます。引き継ぐ範囲を契約で選べるため、買い手は簿外債務などのリスクを避けやすいのが利点です。
会社分割
会社分割は、事業を切り分けて別の会社に承継させる方法で、既存の会社に承継する「吸収分割」と、新設会社に承継する「新設分割」があります。主にグループ再編や、事業の切り出しに用いられます。
スキームの違い(比較表)
代表的な3つのスキームの違いを表にまとめました。
| 項目 | 株式譲渡 | 事業譲渡 | 会社分割 |
|---|---|---|---|
| 買収の対象 | 会社全体 (株式) |
特定の事業・資産 | 分割した事業 |
| 承継の方法 | 包括承継 | 個別承継 | 包括承継 |
| 簿外債務リスク | 引き継ぐ可能性あり | 範囲を限定できる | 範囲を限定しやすい |
| 主な用途 | 会社を丸ごと (中小で主流) |
一部事業・ 個人の買収 |
グループ再編・ 事業の切り出し |
| 手続き | 比較的シンプル | 個別の移転手続き | 株主総会の決議等 |
どのスキームを選ぶかで、手続きの手間・税金・従業員の処遇が変わります。会社を丸ごと引き継ぐなら株式譲渡、一部事業や個人での買収なら事業譲渡が基本と覚えておくとよいでしょう。
企業買収の流れ
企業買収は、大きく「①検討・準備」「②交渉」「③最終契約」「④統合(PMI)」の4つのフェーズで進みます。ここでは全体像を要点で押さえます。各ステップのより詳しい手順はM&Aの流れの記事で解説しています。
①検討・準備フェーズ
買収の成否を左右する最初の段階です。「なぜ買収するのか」という目的を明確にし、買収対象の条件やスキームの方向性を固めます。法務・財務・税務の知識が必要になるため、M&A仲介会社やファイナンシャル・アドバイザー(FA)などの専門家を早めに選ぶと安心です。個人や中小の買収では、M&Aプラットフォームを使って自分で探す方法も一般的になっています。
②交渉フェーズ
条件に合う候補先を探し、交渉を進める段階です。候補を絞り込んだら、秘密保持契約(NDA)を結んで詳しい情報を確認し、トップ面談で経営者の人柄や事業の将来性を見極めます。買収の意向が固まった後に意向表明書(LOI)を提出し、基本条件で合意できたら基本合意書(MOU)を締結します。
③最終契約フェーズ
買収対象を詳しく調べ、最終契約を結ぶ段階です。専門家によるデューデリジェンス(DD)で財務・法務・税務などのリスクを精査し、その結果をもとに最終的な価格・条件を交渉します。合意できたら法的拘束力のある最終契約書(株式譲渡契約書など)を締結し、代金決済と経営権の移転(クロージング)を行います。
④統合フェーズ(PMI)
クロージングで手続きが完了しても、買収はそこで終わりではありません。期待したシナジーを生み出すには、両社の経営・業務・組織を融合させる統合プロセス(PMI)が欠かせません。とくに統合後100日間の「100日プラン」が重要で、PMIの成否がM&Aの最終的な成功を決めるといっても過言ではありません。中小M&AのPMIは中小企業庁のPMIガイドラインの記事も参考になります。
企業買収の費用・相場
企業買収にかかる費用は、相手企業の価値によって大きく変わります。ここでは買収価格の決まり方と、それ以外にかかる手続き費用を整理します。
買収価格の決まり方
買収価格は、企業価値評価と売り手との交渉をもとに決まります。企業価値評価には主に「インカム・アプローチ(将来収益から評価)」「コスト・アプローチ(純資産から評価)」「マーケット・アプローチ(類似企業と比較)」の3つがあります。
中小企業の買収では、大まかな相場の算定にコスト・アプローチ(年買法)が使われるのが一般的です。時価純資産に営業利益の数年分を加えて求めます。
たとえば時価純資産3,000万円・年間営業利益1,000万円の会社なら、3,000万円+1,000万円×3年=6,000万円程度がひとつの目安です。詳しい考え方についてはバリュエーション(企業価値評価)や企業価値、年買法の記事もご覧ください。
買収の手続きにかかる費用
買収価格(事業の評価額)に加えて、手続きには次のような費用がかかります。
- デューデリジェンス費用:小規模な案件で50万〜300万円程度
- 仲介会社・アドバイザーへの手数料:業者により異なり、成功報酬は取引金額に応じて計算(レーマン方式)
- 税金:株式譲渡では売り手に譲渡所得の約20.315%、事業譲渡では消費税10%(課税資産分)や法人税などがかかる
これらを合わせると、手続き費用だけで数百万円〜数千万円になることもあります。なお、M&Aプラットフォームを使えば仲介手数料を大きく抑えられるため、とくに個人・中小のスモール買収では有力な選択肢です。会社売却時の税金については会社売却時の税金、手数料についてはM&Aの手数料の記事もご覧ください。
「のれん」と買収価格の関係
買収価格が純資産額を上回るのは、その差額が「のれん」——ブランド力・ノウハウ・人材・顧客基盤など数値化しにくい価値——として上乗せされるためです。ただし、買収後に想定の収益を上げられないと、のれんの減損(価値の引き下げ)で損失が出るリスクがあるため、価格の妥当性は慎重に見極める必要があります。
企業買収のメリット
企業買収には、自社だけでは得にくい成長を実現できる多くのメリットがあります。代表的なものを見ていきましょう。
事業同士のシナジーが生まれる
買収した事業と自社の事業を組み合わせることで、 相乗効果(シナジー効果)による生産性向上や効率的な成長が期待できます。不足する経営資源を補い、自社の弱みを克服できるのも魅力です。シナジーを高めるには、自社の強みを活かせる相手を選ぶことが重要です。
時間とコストを節約できる
新規事業をゼロから立ち上げるには、人材・設備・ノウハウの確保に多くの時間がかかります。すでに事業が回っている会社を買収すれば、これらを一度に手に入れ、立ち上げにかかる時間を大幅に短縮できます。買収にコストはかかりますが、将来それ以上のリターンを得られる可能性があります。
スケールメリット・リスク分散が図れる
同じ分野の会社を買収すれば、規模の拡大によるスケールメリットを得られ、業界での競争力を高められます。一方、異なる分野の会社を買収すれば事業が多角化し、特定事業への依存リスクを分散できます。M&Aを活用したスピーディーな成長戦略で、業界トップクラスに駆け上がった企業も少なくありません。買い手目線の目的等についてはM&Aの買い手の目的の記事もご覧ください。
企業買収のデメリット・注意点
メリットの大きい企業買収ですが、選択を誤ると損失を被るリスクもあります。買収前に押さえておきたい注意点を整理します。
買収先との不和・人材の流出
敵対的買収では相手企業との間に軋轢が生まれやすく、買収後の統合がうまく進まないことが多くあります。また友好的に成立した場合でも、労働条件の変化や人事異動によって、優秀な人材が離職してしまうおそれがあります。とくに買収後は、従業員の不安を取り除く丁寧なコミュニケーションが欠かせません。従業員の引き継ぎに関してはM&Aと従業員の記事もご覧ください。
簿外債務・偶発債務の発覚
買収では相手の会計帳簿を確認しますが、帳簿に載っていない債務(簿外債務)が潜んでいることがあります。未払いの残業代や退職金、計上漏れの買掛金などが代表例です。さらに、過去の商品リコールや損害賠償請求といった、買収後に表面化する偶発債務のリスクもあります。これらは買収前のデューデリジェンス(DD)でしっかり洗い出すことが重要です。
「のれん」の減損リスク
買収価格に上乗せされた「のれん」の価値が、買収後に想定を下回ると、減損損失を計上しなければならないことがあります。高額なのれんを計上した結果、買収後に大きな損失を被った企業は少なくありません。のれんの価値が下がる原因は、想定どおりの収益が上がらない、人材が流出する、買収後にトラブルが起きる、などです。
高値づかみ・期待外れのリスク
買収では、支払った価格に見合うリターンが得られるとは限りません。期待したシナジーが生まれなかったり、買収後に市場環境が変化したりすると、投資を回収できない「高値づかみ」になりかねません。買収にかかるコストと、新規事業を自前で立ち上げるコストを比較し、どれくらいの期間で投資を回収できるかを冷静に試算することが大切です。
企業買収を成功させるポイント
企業買収を成功させるには、入念な準備と、買収後を見据えた計画が欠かせません。とくに重要な4つのポイントを押さえましょう。
買収戦略・目的を明確にする
「買収すれば自ずと成長する」という考えは禁物です。何のために買収するのか、買収で何を得たいのか、予算はいくらかを明確にし、自社の事業戦略と整合した買収戦略を立てることが出発点になります。目的が曖昧なままだと、対象企業の選定も買収後の統合もブレてしまいます。
トップ面談で信頼関係を築く
買収の前には、経営者同士の面談の場を持ちます。とくに中小・スモールの買収では、書面に表れない経営者の人柄や事業への想いが決め手になることが多くあります。条件のすり合わせだけでなく、「相手とよい関係を築きたい」という誠実な姿勢が、買収後のスムーズな引き継ぎにつながります。
企業価値・リスクを正確に見極める
企業価値の評価を誤ると、買収後のトラブルや損失につながります。帳簿を眺めるだけでは、隠れた債務や将来のリスクに気づけません。デューデリジェンスを通じて、不明点や疑問点を一つずつ確認し、相手の説明に根拠やデータの裏付けがあるかを見極めましょう。
PMI(買収後の統合)を早期から計画する
買収後の統合プロセス(PMI)に注力しなければ、買収は失敗に終わりかねません。クロージング後に慌てるのではなく、基本合意の前後からPMIの方針を決めておくことが大切です。「100日プラン」などで初期に達成すべきタスクを整理し、想定外の問題にも臨機応変に対応できる体制を整えましょう。なお、案件探しの段階では、仲介手数料を抑えられるM&Aプラットフォームの活用も有効です。
企業買収の事例
企業買収は、大企業の大型取引から、個人・中小企業によるスモール買収まで幅広く行われています。ここでは、大企業の事例から学べる教訓と、TRANBIを活用した身近な買収事例を紹介します。
大企業の買収事例から学ぶ
買収による多角化の成功例としてよく知られるのが楽天グループです。旅行予約サイトの買収から「楽天トラベル」、証券会社の買収から「楽天証券」を生むなど、買収で獲得した事業を主力サービスへと育て、事業の多角化を成し遂げました。
一方で、失敗から学べる教訓もあります。ある住宅設備メーカーは海外企業を買収した際、その子会社の不正会計を見抜けず、大きな損失を出しました。これは、買収前に子会社まで含めて企業価値を精査できていれば防げた事例です。とくに大型・海外案件ほど、関連会社まで含めた徹底した事前調査が求められます。
事例から学べる成功のカギ
成功事例に共通するのは、買収の目的・軸が明確で、相手と誠実に向き合い、引き継ぎを丁寧に行っている点です。逆に失敗事例の多くは、事前調査の不足や、買収後の統合の軽視に原因があります。多くの事例に触れることが、自分の買収を成功に近づける近道です。M&Aの成功事例や失敗事例の記事もあわせてご覧ください。
TRANBIを活用した企業買収の事例
企業買収は、いまや個人や中小企業にとっても身近な選択肢です。ここでは、TRANBIを活用して買収を成功させた3つの事例について、背景・活用方法・結果を紹介します。
予備知識のない会社員が、半年で店舗オーナーに就任した事例
インターネット広告会社で新規事業企画を担当していたSさんは、起業志向がある一方、ゼロから事業を立ち上げる難しさと、打ち込めるテーマが見つからないことに課題を感じていました。
『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』を機に個人M&Aを知り、一般の会社員や主婦も挑戦している実例に触れて自信を得ます。
TRANBIに登録後は、予算500万円以下×実店舗に絞って探索。鎌倉のセルフホワイトニング店を、Google評価やSEOの強さ、競合不在、広告未着手という伸び代から有望と判断しました。150万円の価格差は交渉で解消し、資金調達では日本政策金融公庫向けに30枚のプレゼン資料を用意して信頼を獲得。面談では未経験を正直に伝え、「人柄を気に入ってもらえたこと」が選定の決め手になりました。
興味を持ってから約5か月で成約し、オーナーに就任。営業日やブースの増設で売上は前月比2.5倍へと伸び、店長と本人の2名体制で運営・集客を分担しています。未経験でも、明確な基準と誠実な姿勢があれば短期間で買収を実現できる好例です。
◆成約インタビュー:「予備知識のない普通のサラリーマンでも半年でM&Aはできる!」31歳でホワイトニングサロンのオーナーに就任
「M&Aの軸」を明確にし、実質1ヶ月で成約した事例
Sさんは、事業立ち上げの時間を短縮し、リスクを減らす目的でM&Aを検討しました。当初は探索の軸が曖昧で、案件の選別と交渉が難航していました。
TRANBIでの探索と交渉を重ねる中で「M&Aの軸」を明確化したことで、意思決定の精度が大きく向上。小規模ゆえに精緻なデューデリジェンスが難しいぶん、「人」を重視し、実名で早期に交渉を申し込み、オンライン面談からわずか1週間後に現地を訪問しました。質問はリスト化して相手の負担を減らし、提案はディスカッション型で背景理解を深め、最悪時の最大損失額を見積もるリスク管理も徹底しました。
誠実で迅速な対応と明確な軸により、実質1ヶ月で養殖事業の買収が成約。今後はIT×福祉×養殖を掛け合わせた、より強固なモデルの構築を目指しています。スモール買収における「軸」と「人」の重要性を示す事例です。
◆成約インタビュー:M&Aは、人対人。デジタル世代のマーケのプロが大事にしたM&Aの「軸」とは?
誠実な情報開示で、遠隔地の企業買収を成功させた事例
四国で旅行代理店を営むMさんは、過去に手放したバス事業を再びグループに取り戻したいと考えていました。ただし地元での買収は反発リスクがあり、コロナ禍という不確実な環境下での意思決定も課題でした。
TRANBIでバス事業を中心に探していたところ、コロナ禍で売却を決断されたバス会社の案件を発見。段階的な値下げが進み、当初の3分の1になった時点で交渉に参加し、早期決断を優先して合意に至りました。
地元の反発を避けるため、あえて遠方の甲信越のバス会社を選択。株式譲渡の翌日に従業員説明会を開き、時間無制限の相談会を実施、給与以外の数値データも全面開示して納得感を高めました。
誠実な対話と情報開示で早期に信頼を築き、志を同じくする部長のリーダーシップも得て、事業は早期に軌道に乗りました。今後は主要観光地に基盤を広げ、安定経営を目指しています。買収後の従業員への誠実な対応が成功を支えた事例です。
◆成約インタビュー:M&Aの肝は引継ぎ先従業員への誠実な対応〜購入金額が当初の8分の1に?!四国の旅行代理店が観光バス事業を買収
企業買収に関するよくある質問(FAQ)
企業買収についてよく寄せられる疑問を、Q&A形式でまとめました。
会社を買収するにはどうすればいいですか?
大まかには、①買収の目的を明確にする→②案件を探す→③交渉・面談→④デューデリジェンス→⑤最終契約・クロージング→⑥買収後の統合(PMI)という流れで進めます。かつては仲介会社や金融機関に頼るのが主流でしたが、近年はM&Aプラットフォームを使えば、個人でも全国の案件を自分で探して交渉できるようになっています。
個人でも企業買収はできますか?
はい、個人でも企業買収は可能です。とくに数百万円規模の小規模な会社や事業は、スモールM&A(多くは事業譲渡)として個人に売買されています。会社員が副業・独立目的で店舗やネットショップを買うケースも増えています。未経験でも、目的を明確にし、引き継ぎを丁寧に行えば十分に挑戦できます。
未上場企業の買収はどう進めますか?
未上場企業の買収は、株式譲渡の手続きを経ることが一般的です。多くの場合、譲渡制限の付いた株式を買い手に譲渡します。まず売り手が株主総会や取締役会で株式譲渡承認を得て、譲渡契約を締結し、株主名簿の名義を買い手に書き換えると完了します。上場企業のようにTOB(株式公開買付)を使う必要はありません。
企業買収にはどのくらい費用がかかりますか?
買収価格(事業の評価額)に加えて、デューデリジェンス費用(小規模で50万〜300万円程度)、仲介会社への手数料、税金などがかかります。手続き費用だけで数百万円〜数千万円になることもあります。ただしM&Aプラットフォームを使えば仲介手数料を大きく抑えられるため、個人・中小のスモール買収では費用を圧縮できます。価格の決まり方はバリュエーションの記事もご覧ください。
買収にはどのくらいの期間がかかりますか?
案件の規模や交渉の進み方によりますが、相談開始から最終契約(クロージング)まで、一般的に半年〜1年程度が目安です。検討・準備に1〜2ヶ月、交渉に3〜6ヶ月、最終契約に2〜3ヶ月が一つの目安となります。小規模な案件では、数週間〜1ヶ月程度でスピーディーに成約するケースもあります。
まとめ|企業買収は個人・中小にも開かれた成長戦略
企業買収は、新規事業の獲得や事業の多角化、後継者不在の事業の引き継ぎなど、さまざまな目的で行われる成長戦略です。本記事のポイントを振り返ります。
- 企業買収とは他社の経営権を買い取ること。M&Aの一種で、いまや個人・中小でも数百万円から挑戦できる
- 方法は株式譲渡(会社丸ごと)・事業譲渡(一部・個人向け)・会社分割。中小では株式譲渡が主流
- 価格は中小なら年買法(時価純資産+営業利益2〜3年分)が目安。DD・仲介・税金などの費用も見込んでおく
- メリットはシナジー・時間短縮・スケール。注意点は人材流出・簿外債務・のれん減損・高値づかみ
- 成功のカギは、目的・軸の明確化、トップ面談での信頼づくり、正確な価値評価、PMIの早期計画
企業買収の成否を分けるのは、なんといっても「明確な目的のもとで相手を見極め、買収後の統合まで丁寧に進めること」です。とくに個人・中小のスモール買収では、誠実な姿勢と引き継ぎへの配慮が成功を大きく左右します。
企業・事業の買収を検討するなら、「TRANBI(トランビ)」のような事業承継・M&Aプラットフォームの活用がおすすめです。数百万円規模の小規模案件から数億円規模の案件まで多数掲載されており、仲介会社を通さず、買い手自身が主体的に案件を探して交渉できます。月額プランなら成約手数料もかかりません。まずは、どんな会社・事業が売りに出ているのかを見てみましょう。
