M&Aソーシングとは?成功に導く手順、手法、最新動向を徹底解説

M&Aソーシングとは?成功に導く手順、手法、最新動向を徹底解説

M&Aソーシングの基本から手順、手法、M&A仲介会社の選び方やAIの活用等の最新トレンドまでを解説。ソーシングはM&A成功の第一歩ですので、成長戦略の一助としてください。

目次

M&Aによる事業成長を目指す上で、「どうすれば自社に最適な候補企業を見つけられるのか」とお悩みではありませんか。
M&Aの成否は、候補企業を探し出す「ソーシング」の質に大きく影響されます。

本記事では、M&Aソーシングの基本的な定義から、具体的な手順、代表的な手法、さらにはM&A仲介会社の選び方やAI活用といった最新トレンドまで徹底解説します。この記事を最後までお読みいただくことで、M&A成功の第一歩であるソーシングへの理解が深まり、自社の成長戦略を加速させるための具体的なアクションプランを描けるようになるでしょう。

M&Aとは?基本知識から種類やメリット、成功のポイントなどを解説
手法
M&Aとは?基本知識から種類やメリット、成功のポイントなどを解説

M&Aの成功へ向けて、各ステップについての注意点や必要期間の目安までを網羅的に解説します。まずはM&Aの全体像を把握し、成功への第一歩を踏み出しましょう。

M&Aの流れを11ステップで徹底解説!準備からPMIまで全手順と成功のポイント
事業承継
M&Aの流れを11ステップで徹底解説!準備からPMIまで全手順と成功のポイント

M&Aは大企業だけでなく、零細企業にとっても事業承継や成長戦略に有効な選択肢です。や具体的な手法、メリット・デメリット、成功に向けた進め方まで、網羅的に解説します。

M&Aソーシングとは何か?定義と重要性

M&Aソーシングとは、M&A(企業の合併・買収)を成功させる上で最初のステップとなる、買収対象の候補企業を探し出す一連の活動を指します。

どのような候補企業を見つけ出せるかがM&A全体の成果を大きく左右するため、ソーシングはM&A戦略において極めて重要な初期段階と位置づけられています。質の高いソーシングは、事業承継問題の解決や新規事業への進出、企業成長の加速といった目的達成の礎となります。

M&Aにはどんな種類がある?株式譲渡、事業譲渡、合併の違い
手法
M&Aにはどんな種類がある?株式譲渡、事業譲渡、合併の違い

昨今は多くの企業においてM&Aが成長戦略として位置付けられています。M&Aと一口にいっても複数のスキーム(手法)があるため、目的によって最適なものを選択する必要があります。株式譲渡や事業譲渡など、M&Aの種類とその特徴について解説します。

M&Aの3つの段階

M&Aのプロセスは、目的や戦略の策定から始まり、契約締結、そして統合後のPMI(Post Merger Integration)まで多岐にわたりますが、中心となる実務は大きく3つの段階に分けられます。
ここでは、「ソーシング」「オリジネーション」「エグゼキューション」の各段階について、それぞれの役割と具体的な活動内容を解説します。

① ソーシング|買収候補企業を探索する段階

ソーシングは、M&Aの出発点であり、自社の戦略に合致する買収候補企業を探し出す段階です。
この段階では、まず自社のM&A戦略を明確にし、どのような企業をターゲットとするかの基準を定めます。

その上で、業界動向や市場を分析し、M&A仲介会社や金融機関、専門家などが持つネットワークを活用して、有望な候補企業をリストアップしていきます。そして、リストアップした企業の中から優先順位をつけ、初期的な接触を通じて情報を収集し、次のステップに進めるかを見極めます。

② オリジネーション|交渉や基本合意を形成する段階

オリジネーションは、ソーシングで見つけ出した候補企業と具体的な交渉を開始し、M&Aの基本的な方向性を固める段階です。
この段階の初期に、候補企業との間で秘密保持契約(NDA)を締結し、より詳細な情報の開示を受けられる準備を整えます。

その後、企業価値の算定(バリュエーション)を行いながら、買収価格やスケジュール、スキームといった主要な条件について交渉を進めます。
双方の条件がある程度固まった段階で、その内容をまとめた基本合意書(LOI)を締結し、独占交渉権を確保することが一般的です。

③ エグゼキューション|契約締結から実行まで進める段階

エグゼキューションは、基本合意書の内容に基づき、最終的な契約締結とM&Aの実行に向けて進める段階です。
この段階で最も重要なプロセスが、デューデリジェンス(DD)です。

デューデリジェンスでは、弁護士や会計士などの専門家が、候補企業の財務、法務、税務、事業内容などを詳細に調査し、潜在的なリスクや問題点を洗い出します。その調査結果を踏まえて最終的な条件交渉を行い、双方が合意に至れば最終契約書(Definitive Agreement:DA)を締結し、クロージング(決済・株式譲渡)を経てM&Aが完了します。

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近年、大企業や中小企業のみならず、個人事業でもM&Aが盛んになっています。個人事業におけるM&Aのメリットや事業承継の方法、M&Aの基本的な流れなどを解説します。将来、第三者への事業譲渡を考えている個人事業主は、ぜひ参考にしましょう。

M&Aソーシングの流れ・手順

M&Aソーシングを成功させるには、体系的な手順に沿って進めることが不可欠です。
ここでは、M&Aの目的設定から候補企業との初期交渉に至るまで、M&Aソーシングの具体的な流れを5つのステップに分けて詳しく解説します。

STEP1:目標・希望条件の明確化

最初のステップは、M&Aを行う目的と、ターゲットとなる企業の条件を明確にすることです。
なぜM&Aを行うのか、それによって何を達成したいのか(例:新規市場への参入、技術獲得、人材確保、事業承継)という経営戦略上の目的を具体的に設定します。

目的が定まったら、ターゲット企業の業種、規模、地域、財務状況、企業文化など、具体的な選定基準を策定します。
基準を明確にすることで、後のプロセスがスムーズに進みます。

STEP2:候補企業のリストアップ・初期評価

次に、設定した条件に基づき、候補企業を幅広くリストアップします。
M&A仲介会社や金融機関が持つデータベース、業界調査、ネットワークなどを活用して情報を収集します。

この段階で作成されるのが「ロングリスト」です。
ロングリストの中から、公開情報や簡易的な調査に基づき、シナジー効果や財務面の安定性などを評価して、より有望な候補を絞り込み、「ショートリスト」を作成します。

STEP3:候補企業との交渉と打診

ショートリストが完成したら、候補企業へのアプローチを開始します。
アプローチ方法は、自社から直接コンタクトを取る方法と、M&A仲介会社などを通じて間接的に打診する方法があります。

匿名性の確保や専門知見の活用のため、多くの場合は仲介会社を経由します。
相手企業がM&Aに関心を示した場合、更なる情報交換に進む前に、必ず秘密保持契約(NDA)を締結することが重要です。

STEP4:初期交渉・条件調整

NDA締結後、詳細資料を基に初期交渉と条件のすり合わせを行います。
この段階で、買い手側は買収の意向を正式に示すため、意向表明書(LOI)を提示することがあります。

LOIには、買収希望価格の目安、スキーム、今後のスケジュール案などが記載されます。
売り手側がこれに合意すれば、M&Aは次のオリジネーションやエグゼキューションの段階へと進みます。

STEP5:エグゼキューションへの連携

ソーシング段階で候補企業との基本的な合意形成が見えたら、デューデリジェンスや最終契約といったエグゼキューション段階へスムーズに移行するための準備が必要です。

ソーシング担当者からエグゼキューション担当者(または専門家チーム)へ、候補企業の情報、交渉経緯、論点などを正確に引き継ぎます。
円滑な連携により、M&Aプロセス全体が滞りなく進みます。

M&A戦略はなぜ重要?自社の課題や目的、資金調達方法の整理を
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M&A戦略はなぜ重要?自社の課題や目的、資金調達方法の整理を

M&A戦略は、経営戦略と事業戦略に基づいて策定します。目標を明確にした上で、M&A成立後の経営統合プロセスも含めた戦略を練りましょう。戦略策定に役立つ自社分析のフレームワークや、ターゲット選定のポイントも解説します。

M&Aのロングリストはどう作成する?M&A戦略と選定基準が重要
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M&Aの第一のプロセスは、無数の企業の中から自社に合ったターゲットを選定することです。ロングリストはショートリストの前に作成される候補先リストで、基準に満たない企業をふるい落とす目的があります。作成のポイントを確認しましょう。

M&Aで取り交わすLOIとは何か。記載内容や法的拘束力を解説
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M&Aで取り交わすLOIとは何か。記載内容や法的拘束力を解説

M&Aの交渉初期で取り交わされる『LOI』は、基本的な合意内容や価格を定めた仮の契約書です。独占交渉権や秘密保持義務の条項には法的効力があるため、条件をよく確認する必要があります。記載すべき事項や作成方法について解説します。

M&Aソーシング手法は2つ|メリットと注意点

M&Aソーシングの手法は、案件の発生源によって「プル型」「プッシュ型」の2つに分類されます。

それぞれにメリットと注意点があり、自社の状況や戦略に応じて適切な手法を理解し、活用することが重要です。
ここでは、両者の特徴を詳しく解説します。

手法①:プル型ソーシング

プル型ソーシングとは?

プル型ソーシングは、売却を希望する企業(売り手)が、M&A仲介会社やプラットフォームに自ら登録・相談し、買い手を探す手法です。
売り手側から能動的にアプローチがあるため、「インバウンド型」とも呼ばれます。

売り手の売却意欲が明確なため、情報の信頼性が高く、交渉がスムーズに進みやすい特徴があります。
M&Aプラットフォームに掲載されている案件の多くは、このプル型に該当します。

プル型ソーシングのメリット

プル型ソーシングの最大のメリットは、売却意欲が高い案件に出会いやすい点です。
売り手はすでに売却の意思決定を終えているため、条件さえ合えば迅速に交渉が進展する可能性が高いです。
また、売り手主導で情報提供の準備が進められていることが多く、買い手は整理された信頼性の高い情報を得やすい傾向にあります。

プル型ソーシングのデメリット・注意点

一方で、プル型ソーシングにはデメリットも存在します。
市場に出てくる案件の数が限られるため、自社の希望条件に完全に合致する企業に出会える機会が少ない可能性があります。
また、売り手主導で交渉が進む傾向があるため、価格交渉などで買い手側が不利な立場に置かれることもあります。
提供される情報の質に差があるため、慎重な見極めが必要です。

手法②:プッシュ型ソーシング

プッシュ型ソーシングとは?

プッシュ型ソーシングは、M&A仲介会社などが、買い手企業の戦略やニーズに基づき、売却の可能性がある潜在的な売り手候補企業を発掘し、アプローチする手法で、「アウトバウンド型」とも呼ばれます。
市場には出てきていない独自の案件を発掘できる可能性がある一方で、アプローチした段階では売り手側に売却意欲がない、あるいは低いケースも少なくありません。

プッシュ型ソーシングのメリット

プッシュ型ソーシングのメリットは、潜在的な優良案件を発掘できる可能性がある点です。
買い手は自社の希望条件を仲介会社に伝えることで、その条件に近い企業へ能動的にアプローチできます。
市場に出回っていない企業と接触できるため、競合が少なく、交渉を有利に進められる可能性があります。
幅広い選択肢の中から比較検討したい場合に有効な手法です。

プッシュ型ソーシングのデメリット・注意点

プッシュ型ソーシングの注意点は、アプローチ先の企業が必ずしも売却を検討していないため、交渉に至るまでのハードルが高い点です。
売り手の意欲が低いために、交渉が長期化したり、成立しなかったりするケースも多くあります。

また、成果は仲介会社のソーシング能力やネットワークに大きく依存します。
アプローチが成功した場合でも、複数の買い手候補が現れ、結果的に競争が激しくなる可能性も考慮しておく必要があります。

事業承継のマッチングはどう進める?支援機関の選び方や手順を解説
事業承継
事業承継のマッチングはどう進める?支援機関の選び方や手順を解説

「後継者が見つからない」「廃業は何とか避けたい」という中小企業経営者は、事業承継のマッチングを活用しましょう。マッチングの仕組みや支援機関の選び方、『後継者に選ばれる企業』になるためのポイントを解説します。

M&Aソーシングを効率化する代行サービスやAI活用の可能性

近年、M&Aの件数が増加する中で、ソーシング業務の効率化と精度向上が大きな課題となっています。

ここでは、専門の代行サービスやAIといったテクノロジーを活用することで、M&Aソーシングをいかに変革できるか、その最前線と導入のポイントを解説します。

M&Aソーシング代行サービスとは?

M&Aソーシング代行サービスは、企業の代わりに候補企業のリストアップから初期交渉までの一連のソーシング業務を請け負うサービスです。
専門知識と豊富なネットワークを持つ代行会社に委託することで、自社のリソースを割くことなく、効率的に有望な候補企業を探し出すことができます。
代行会社の業務範囲は、リスト作成のみから交渉の初期段階まで様々です。
委託するメリットは大きいですが、依頼先の得意分野や実績、料金体系を慎重に比較検討することが重要です。

M&Aソーシング×AI活用の最前線

AI技術の進化は、M&Aソーシングの分野にも大きな変化をもたらしています。
膨大な企業データやニュース記事をAIが分析し、シナジー効果の高い候補企業を自動でリストアップするマッチングAIや、交渉の初期段階を効率化する生成AIの活用が進んでいます。
これにより、従来は人手に頼っていたリサーチ業務が大幅に効率化され、従来は見つけにくかった候補企業を発掘できる可能性も高まっています。
AIの活用は、ソーシングのスピードアップと精度向上に大きく貢献します。

後継者不足はマッチングサービスが解決。利用時の注意点は?
具体的事例
後継者不足はマッチングサービスが解決。利用時の注意点は?

M&Aのマッチングとは、ニーズの合致する売り手と買い手を引き合わせることを意味します。深刻化する後継者不足の解決策としても、マッチングサービスが活用されているのをご存じでしょうか?サービスを選ぶ上でのポイントや留意点を解説します。

M&A仲介業者にソーシングを依頼する際の7つのポイント

M&Aソーシングを成功させるには、パートナーとなる仲介業者の選定が極めて重要です。
数多くの仲介業者の中から、自社に最適な一社を見つけるために、以下の7つのポイントを確認しましょう。

① 仲介業者の得意分野や業界実績を確認する

仲介業者には、それぞれ得意とする業界や案件規模があります。自社業界への深い知見や、同規模M&Aの成功実績があるかを必ず確認しましょう。

② 売り手と買い手双方のネットワークを把握する

独自のネットワークの広さと質は、ソーシングの成果に直結します。どのような企業とのネットワークを持っているか、特に自社がターゲットとする領域の企業情報に強いかを見極めましょう。

③ 料金体系や成功報酬・手数料を確認する

料金体系は仲介業者によって大きく異なります。着手金や中間金の有無、成功報酬の計算方法を事前に確認し、納得できる体系の業者を選びましょう。

④ 秘密保持契約(NDA)の有無と内容を確認する

M&Aの情報は極めて秘匿性が高いものです。正式に依頼する前に、情報管理体制が徹底されているか、厳格な秘密保持契約を締結できるかを確認することは必須です。

⑤ 情報提供のスピードや柔軟性を見極める

M&Aはタイミングが重要です。マーケットの動向や候補企業の状況について、迅速かつ的確な情報提供を行ってくれるか、要望に柔軟に対応してくれるかを、担当者とのコミュニケーションを通じて見極めましょう。

⑥ 担当者の経験や交渉力をチェックする

担当者の質がM&Aの成否を左右することも少なくありません。担当者がM&Aに関する十分な経験と知識を持っているか、また、複雑な交渉を粘り強くまとめ上げる能力があるかを確認しましょう。

⑦ 案件規模や条件に合った提案力を評価する

自社の希望や戦略を正確に理解し、それに基づいた的確な提案をしてくれるかどうかも重要なポイントです。案件紹介にとどまらず、M&A後の企業価値向上まで見据えた提案力があるかを評価しましょう。

M&AでFAを起用する場面とは。対象の案件や業務内容を解説
用語説明
M&AでFAを起用する場面とは。対象の案件や業務内容を解説

M&AにおけるFA(ファイナンシャルアドバイザー)は、経営陣の意思決定をサポートする補佐役です。高い専門性と交渉力、戦略立案力を持ち合わせており、複雑なM&Aのプロセスをサポートします。FAの必要性や業務内容について理解を深めましょう。

M&Aの仲介手数料の相場は?手数料の種類や両手取引について解説
具体的事例
M&Aの仲介手数料の相場は?手数料の種類や両手取引について解説

M&A仲介業者にサポートを依頼すると、仲介手数料がかかります。手数料には、着手金や中間報酬、成功報酬などがあり、発生するタイミングや相場が異なります。両手取引と片手取引の特徴に加え、メリット・デメリットも押さえておきましょう。

大手M&A仲介会社ランキングTOP5!選び方・手数料まで徹底解説
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大手M&A仲介会社ランキングTOP5!選び方・手数料まで徹底解説

大手M&A仲介会社は実績とネットワークを持ち、複雑な案件にも対応できるため、多くの経営者にとって有力な選択肢となります。自社に最適なパートナー探しのため、まずは各社の特徴を理解し、比較検討を始めてみましょう。

M&Aプラットフォームを用いたソーシング

近年、インターネット上でM&Aの売り手と買い手を直接マッチングする「M&Aプラットフォーム」の利用が拡大しています。
仲介業者を介するよりも手数料が低く抑えられる場合が多く、比較的小規模な案件を中心に、利用が広がっています。

国内最大級のM&Aプラットフォームである「TRANBI(トランビ)」は、売り手側は無料で案件を掲載でき、買い手側は月額の利用料のみで成約時の手数料が不要という強みがあります。豊富な案件数と買い手候補の中から、自社の条件に合うものを効率的に検索・比較検討できるというメリットがあります。
ただし、交渉や手続きは当事者間で進める必要があり、専門知識が求められる点には注意が必要です。

M&Aマッチングサイトの特徴は?利用するメリットや注意点を解説
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M&Aマッチングサイトの特徴は?利用するメリットや注意点を解説

M&Aの相手を見つける上で、顧問税理士や取引先の金融機関などに相談する方法や、仲介業者に依頼する方法などがあります。しかし近年は、M&Aマッチングサイトの利用が広まっています。マッチングサイトのメリットや注意点を知っておきましょう。

自営業の後継者を募集する方法は?M&Aマッチングサイトの活用も
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自営業の後継者を募集する方法は?M&Aマッチングサイトの活用も

「後継者が見つからない」「廃業は何とか避けたい」という中小企業経営者は、事業承継のマッチングを活用しましょう。マッチングの仕組みや支援機関の選び方、『後継者に選ばれる企業』になるためのポイントを解説します。

M&Aソーシングに関するよくある質問

ソーシングだけ代行は可能か?

はい、可能です。M&Aのプロセス全体ではなく、ソーシング業務(候補企業のリストアップや初期アプローチなど)のみを専門に請け負う代行会社やコンサルティングファームが存在します。自社のリソースやニーズに合わせて、業務範囲を限定して依頼することができます。

ソーシングとエグゼキューションは同じ会社に頼むべき?

一概には言えません。ソーシングからエグゼキューションまで一貫して同じ会社に依頼すると、情報連携がスムーズで、責任の所在が明確になるというメリットがあります。一方で、ソーシングはネットワークの 広い会社、エグゼキューションはデューデリジェンスや交渉に強い専門家など、各段階で最適なパートナーを別々に選ぶという選択肢もあります。自社の体制や案件の複雑性に応じて判断するのが良いでしょう。

M&AソーシングのAI導入費用・効果は?

AIツールの導入費用は、サービスの機能や規模によって月額数万円から数百万円まで幅広く存在します。
効果としては、リサーチ時間の短縮、人件費削減、従来見つけにくなかった候補企業の発見などが挙げられます。
費用対効果(ROI)を慎重に見極め、自社の課題解決につながるかを検討することが重要です。

まとめ

本記事では、M&Aの成功の鍵を握る「ソーシング」について、定義から手順、手法、最新のトレンドまでを解説しました。
M&Aソーシングは、自社の経営戦略に基づき、最適なパートナー候補を見つけ出すための戦略的な活動です。
そのプロセスには、目標設定、リストアップ、交渉といった段階があり、プル型・プッシュ型といった異なるアプローチが存在します。

近年では、M&A仲介業者だけでなく、専門の代行サービスやM&Aプラットフォーム、さらにはAIといったテクノロジーの活用がソーシングの効率と精度を飛躍的に向上させています。2025年以降、こうした新しい手法をいかに取り入れ、自社に最適なソーシング戦略を構築できるかが、M&Aの成否を分ける重要な要素となるでしょう。
まずは自社のM&Aの目的を再確認し、どのようなソーシング手法が最適か、本記事を参考に検討してみてはいかがでしょうか。

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近年はM&Aのハードルが下がり、個人による事業や会社の買収が増えています。個人向けの案件は、どのような方法で探せばよいのでしょうか?初めてのM&Aで失敗しないコツや、買収資金の集め方などを解説します。

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後継者不足の中小企業が増えている昨今は、買い手にとって会社や事業を獲得しやすい状況です。中には後継者不在で黒字廃業に至るケースもあり、社会的な影響が増大しています。後継者不在に悩む会社の探し方や、M&Aの事例をチェックしましょう。

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M&Aは一定のプロセスに基づいて実行されます。初めて会社を買収する人は、M&Aのフローやかかる期間、取り交わされる契約書の種類を把握しておきましょう。マッチングサイトで売り手を効率よく見つけるコツや、デュー・デリジェンスの重要性も解説します。