持分法とは?全部連結との違い・適用範囲・会計処理を解説
持分法と全部連結の違いを比較表でわかりやすく解説。連結子会社と持分法適用会社(非連結子会社・関連会社)の区分、持分法が適用される議決権比率(20%以上)、持分法による投資損益の仕訳や損益計算書への表れ方まで、連結決算の基礎を図解でまとめました。
連結決算の勉強を進めると、「全部連結」と「持分法」という2つの合算方法が出てきて、どちらがどの会社に使われるのか、何が違うのかで混乱しやすいものです。「持分法 連結 違い」で検索しても、専門用語が多く一読では頭に入ってこない、という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、持分法と全部連結の違いを、比較表を使いながら基礎からわかりやすく整理します。連結財務諸表の意義、持分法・全部連結それぞれの意味、連結子会社・非連結子会社・関連会社の区分、持株比率による適用範囲、会計処理までを一気通貫で解説します。
「持分法とは何か」「全部連結との違い」「持分法適用会社にはどんな種類があるのか」を押さえたい経営企画・経理のご担当者や、M&Aで子会社・関連会社を検討している方が、読み終えたときに全体像をつかめる内容です。
連結財務諸表とは?
まずは、持分法と全部連結の土台となる「連結財務諸表」の意味と役割を確認します。連結財務諸表がなぜ必要なのか、そして子会社や関連会社がどのように区分されるのかを押さえると、持分法と全部連結の違いが理解しやすくなります。
連結財務諸表の役割
かつては親会社単体の決算書でグループ全体を判断していましたが、グループ内での粉飾決算や損失の「飛ばし」が相次ぎ、会計情報の透明性が強く求められるようになりました。
連結財務諸表とは、親会社・子会社・関連会社をひとつの企業グループとみなして作成する財務諸表です。子会社や関連会社を持つ企業が、利害関係者に対してグループ全体の財政状態や経営成績を正しく報告するために用います。
連結財務諸表は、主に以下の書類で構成されます。
- 連結貸借対照表(連結BS)
- 連結損益計算書(連結PL)
- 連結包括利益計算書
- 連結株主資本等変動計算書
- 連結キャッシュフロー計算書
- 連結附属明細表
なお、連結決算が義務づけられるのは原則として上場会社などであり、日本の多くの中小企業では連結財務諸表の作成義務はありません。ただし、グループ経営やM&Aで持株会社を設けるケースなどでは、中小企業でも連結の考え方が関わってきます。
連結の範囲|連結子会社・非連結子会社・関連会社
連結財務諸表は、各社の個別財務諸表を単純につなぎ合わせるのではなく、親会社との関係性に応じてグループ各社を区分し、区分ごとに異なるルールで合算します。区分は大きく次の3つです。
- 連結子会社:親会社が実質的に支配する子会社。全部連結の対象
- 非連結子会社:子会社だが重要性が低いなどの理由で連結範囲から外れる会社。持分法の対象(重要性が乏しければ対象外)
- 関連会社:支配はしないが重要な影響を与えられる会社。持分法の対象
つまり、全部連結が使われるのは連結子会社、持分法が使われるのは非連結子会社と関連会社という振り分けです。この振り分けを頭に入れておくと、以降の説明がスムーズになります。子会社そのものの種類や支配の考え方については子会社化の記事もあわせてご覧ください。
持分法とは?わかりやすく解説
持分法は、関連会社や非連結子会社に対して用いられる合算方法です。ここでは定義と、全部連結との根本的な考え方の違いを押さえます。
持分法の定義
持分法とは、投資会社が被投資会社(持分法適用会社)の純資産と損益のうち、自社に帰属する持分の変動に応じて、投資勘定の金額を連結決算日ごとに修正していく方法です。
個別財務諸表を全額合算する全部連結と異なり、持分法では親会社に帰属する持分だけを反映させます。株式(議決権)を保有する側を「投資会社」、保有される側を「被投資会社(持分法適用会社)」と呼びます。
持分法は「一行連結」|最終利益は全部連結と同じ
持分法は、被投資会社の損益のうち持分相当額を連結損益計算書に1行(持分法による投資損益)で反映させることから、「一行連結(one-line consolidation)」とも呼ばれます。
ここで重要なのは、全部連結でも持分法でも、基本的な考え方としては親会社株主に帰属する当期純利益と純資産は一致するという点です(全部連結では非支配株主に帰属する分だけ当期純利益の総額は大きくなりますが、親会社株主の取り分は変わりません)。違いが出るのは、売上高・営業利益・経常利益といった「途中の各段階の見え方」です。この点は後ほど比較表で詳しく整理します。
全部連結とは?
全部連結は、連結子会社に対して用いられる合算方法です。「全部連結」は検索でも上位に表示される重要キーワードなので、定義をしっかり押さえましょう。
全部連結の定義と連結子会社
全部連結とは、親会社と子会社の個別財務諸表を100%合算したうえで、最後に非支配株主に帰属する持分を控除する連結方法です。資産・負債・収益・費用のすべてをいったん全額取り込むのが特徴です。
全部連結の対象となるのは、原則として次のような「連結子会社」です。
- 親会社が議決権の50%超を保有している
- 親会社が議決権の40%以上を保有し、かつ取締役会の過半数を占めるなど実質的に支配している
全部連結の対象となる子会社を「連結子会社」と呼びます。連結子会社の財務状況・営業状況は、連結財務諸表に直接反映されます。
非支配株主持分(旧・少数株主持分)
全部連結ではいったん子会社の財務諸表を100%取り込むため、親会社以外の株主に帰属する部分を最後に区分する必要があります。この親会社以外の株主の持分を「非支配株主持分」(2015年の会計基準改正前は「少数株主持分」)と呼びます。
例えば親会社が子会社株式の80%を保有する場合、残り20%が非支配株主持分です。全部連結では、100%取り込んだうえでこの20%分を控除・区分表示することで、親会社グループに帰属する部分を明確にします。持分法にはこの非支配株主持分という考え方が登場しない点も、両者の違いのひとつです。
持分法と全部連結の違い
ここが本記事の核心です。全部連結と持分法は「対象となる会社」も「合算のしかた」も異なります。まずは比較表で全体像をつかみ、そのうえで個々のポイントを解説します。
全部連結と持分法の違い【比較表】
全部連結と持分法の主な違いを、項目ごとに整理すると次のとおりです。
| 項目 | 全部連結 | 持分法 |
|---|---|---|
| 対象会社 | 連結子会社 | 非連結子会社・関連会社 |
| 合算方法 | 資産・負債・収益・費用を全額合算 | 投資勘定を1行で修正(一行連結) |
| 損益計算書 への表れ方 |
売上高・各段階利益にフル反映 | 営業外損益に「持分法による投資損益」のみ反映 |
| 非支配株主持分 | 区分して表示する | 表示しない |
| 内部取引・ 未実現利益 |
内部取引高・未実現利益を消去 | 未実現利益の持分相当額を消去 |
| 最終的な 当期純利益・純資産 |
同じ (親会社株主帰属分) |
同じ (親会社株主帰属分) |
表のとおり、両者は対象会社と合算のしかたが根本的に異なります。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益と純資産は一致するのがポイントです。
損益計算書での見え方が変わる
持分法では、被投資会社の損益のうち親会社の持分に応じた金額だけが、営業外損益の「持分法による投資損益」として計上されます。売上高や営業利益には反映されません。
一方で全部連結では、子会社の売上高や各段階の利益をいったんすべて取り込んだうえで、最後に非支配株主持分を調整します。
そのため、仮に持株比率が低く、かつ業績が突出して良い(または悪い)会社を全部連結してしまうと、営業利益や経常利益が実際の持分以上に見栄えよく(または悪く)表れてしまうおそれがあります。財務分析では最終利益だけでなく途中段階の指標も見るため、「どの会社にどちらの方法を適用するか」が重要になるのです。
最終的な利益・純資産は変わらない
混同しやすいのですが、全部連結と持分法のどちらを使っても、親会社株主に帰属する当期純利益と純資産は同額になります。違うのは「途中経過の見せ方」であって「親会社株主の取り分」ではありません(全部連結では非支配株主に帰属する分だけ当期純利益の総額が大きく表示されます)。
これは、全部連結でいったん100%取り込んでから非支配株主分を控除しても、持分法で最初から持分だけを取り込んでも、親会社グループに帰属する最終的な取り分は同じになるためです。ここを押さえておくと、両者の違いが一段とクリアになります。
持分法適用会社の種類
持分法が適用される会社を「持分法適用会社」と呼びます。持分法適用会社は「関連会社」と「非連結子会社」の2種類に分かれます。それぞれの定義と、連結子会社との違いを整理しましょう。
関連会社と非連結子会社
持分法適用会社とは、持分法が適用される関連会社と非連結子会社の総称です。それぞれの意味は次のとおりです。
【関連会社】
子会社にはあたらないものの、財務・営業・事業の方針決定に対して重要な影響を与えることができる会社です。「会社が他の会社等の財務及び事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合における当該他の会社等(子会社を除く。)」と定義され、主に議決権の保有割合で判定されます。
【非連結子会社】
子会社のうち、例外的に連結の範囲に含めない子会社です。連結決算では全ての子会社を連結範囲に含めるのが原則ですが、重要性が乏しい子会社や、支配が一時的な子会社は範囲から除外できます(実務では重要性の乏しさによる除外が中心です)。ただしグループ全体への影響がゼロではないため、原則として持分法で処理します。
連結子会社・非連結子会社・関連会社の違い【比較表】
3つの区分を、判定基準・議決権・連結方法の観点で比較すると次のとおりです。「連結子会社と持分法適用会社の違い」を一目で確認できます。
| 区分 | 判定の考え方 | 議決権の目安 | 連結方法 |
|---|---|---|---|
| 連結子会社 | 支配力基準 | 原則50%超 | 全部連結 |
| 非連結子会社 | 支配するが重要性が低い・一時的 | 50%超だが範囲外 | 持分法 (重要性が乏しければ対象外) |
| 関連会社 | 影響力基準 | 20%以上 (15%以上+要件も) |
持分法 |
「支配」しているのが子会社、「重要な影響」を与えられるのが関連会社という切り分けが基本です。支配はしていても連結範囲から外れた子会社が「非連結子会社」で、こちらも持分法で処理される点に注意しましょう。
持分法・全部連結の適用範囲と持株比率
「持分法適用は何パーセントから?」という疑問は多く寄せられます。ここでは持株比率(議決権比率)ごとに、どの区分・どの連結方法が適用されるのかを整理します。
持株比率別の扱い【比較表】
議決権比率ごとの区分と連結上の扱いは、おおむね次のように整理できます。
| 議決権比率 | 区分 | 連結上の扱い |
|---|---|---|
| 50%超 | 子会社 | 全部連結 |
| 50%以下でも実質支配している場合 +実質支配の要件 |
子会社(実質支配) | 全部連結 |
| 20%以上50%以下 (子会社に該当しない場合) |
関連会社 | 持分法 |
| 15%以上20%未満 +一定の要件 |
関連会社 | 持分法 |
| 20%未満 (要件を満たさない) |
― | 原則、連結・持分法の対象外 |
ざっくり言えば、原則50%超で全部連結、原則20%以上で持分法が基本ラインです。加えて、40%台でも実質支配していれば子会社(全部連結)、15%以上でも一定要件を満たせば関連会社(持分法)になる、という上下の例外があります。
なお、これらの比率はあくまで目安です。最終的には議決権比率と実質的な支配・影響力をあわせて判断されるため、20%以上を保有していても実質的に支配していれば子会社(全部連結)となる点には注意しましょう。
15%以上20%未満で持分法となる要件
企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」によると、持分法の対象となるのは原則として投資会社が議決権の20%以上を所有する場合です。
加えて、議決権比率が15%以上20%未満の場合でも、次のような事実があり「重要な影響を与えられる」と判断されるときは、持分法の適用範囲となります。
- 代表取締役など重要な役職に人物を派遣している
- 重要な融資を行っている
- 重要な技術提供を行っている
- 販売・仕入れなど重要な営業上・事業上の取引がある
逆に、20%以上を保有していても、これらの影響力が及ばないと認められる特別なケースでは対象外となることもあります。あくまで「議決権比率+実質的な影響力」で総合判断される点を押さえておきましょう。
参考:企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」|公益財団法人財務会計基準機構
持分法による会計処理
ここでは、持分法で実際にどのような会計処理を行うのかを、簡単な数値例で確認します。実務では専門的な判断が必要になるため、詳細は連結会計に詳しい会計士・税理士へご相談ください。
持分法適用会社が利益を上げたときの仕訳
持分法適用会社から取り込む損益は「持分法による投資損益」と呼ばれます。持分法適用会社が利益を上げた場合、投資会社は「持分法適用会社の当期純利益×持株比率」を自社の損益と投資勘定に反映させます。
例えば、投資会社が持分法適用会社の株式を30%保有していて、その会社が当期純利益500を計上したとします。投資会社側では、500×30%=150を「持分法による投資利益」として計上します。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 関係会社株式 150 | 持分法による投資損益 150 |
このように、持分法では投資勘定(関係会社株式)を持分の変動に合わせて増減させる点が特徴です。反対に持分法適用会社が赤字であれば、投資損益と投資勘定を同額だけ減らす処理を行います。
損益計算書への反映(持分法による投資損益)
持分法による投資損益は、連結損益計算書の営業外損益に計上されます。利益であれば「持分法による投資利益」、損失であれば「持分法による投資損失」として表示します。
例えば持分法適用会社の利益貢献額が150であれば、連結損益計算書上は次のようなイメージになります。
| 連結損益計算書(持分法) | 金額 |
|---|---|
| 売上高 | 1,000 |
| 営業利益 | 0 |
| 営業外収益(うち持分法による投資利益) | 150 |
このように、持分法では売上高や営業利益には影響を与えず、営業外損益にだけ持分相当額が現れます。全部連結との「損益計算書での見え方の違い」が、この一点に集約されていると言えます。
なお、持分法による投資損益を営業外損益に表示するのは日本基準(日本の会計基準)での扱いです。IFRS(国際会計基準)を採用している企業では、営業利益の下・税引前利益の区分で「持分法による投資損益」を独立の科目として表示するなど、表示方法が異なります。
持分が増加した場合の貸借対照表
貸借対照表は、左側に「資産」、右側に「負債」と「純資産」を示したもので、資産の合計と、負債+純資産の合計は常に一致します。
持分法では、持分法適用会社の純資産が増えて投資会社の持分が増加した分だけ、投資会社の投資勘定(関係会社株式)の価値を増やし、同額を純資産にも反映させます。
例えば、株式取得時の持分法適用会社の純資産が1,000、投資会社の持株比率が30%だとします。業績が上がり期末の純資産が1,500になると、投資会社の持分は300(1,000×30%)から450(1,500×30%)に増加します。この150の増加を、次のように投資勘定と純資産の両方に反映させます。
| 貸借対照表 | 増加前 | 増加後 |
|---|---|---|
| 資産(うち関係会社株式) | 3,000 (300) |
3,150 (450) |
| 負債 | 1,000 | 1,000 |
| 純資産 | 2,000 | 2,150 |
純資産の増加分150は、持分法適用会社の当期純利益のうち投資会社に帰属する部分です。このように、持分法では投資勘定を軸に持分の変動を反映していきます。
持分法・全部連結のメリットと注意点
全部連結と持分法は、単なる会計ルールの違いにとどまらず、グループ経営や情報開示のうえでそれぞれ意味を持ちます。ここでは両者の特徴を、メリットと注意点の観点から整理します。
全部連結のメリットと注意点
【全部連結のメリット】
- 子会社の売上高・費用・利益をフルに取り込むため、グループの事業規模や収益構造が把握しやすい
- グループ全体の実態を投資家・金融機関へ透明性高く示せる
【全部連結の注意点】
- 内部取引の消去や非支配株主持分の算定など、処理が煩雑になりやすい
- 持株比率が低い子会社まで全額取り込むと、指標が実態以上に見えることがある
持分法のメリットと注意点
【持分法のメリット】
- 投資勘定を1行で修正する「一行連結」のため、処理が全部連結より簡便
- 支配していない関連会社の損益を、持分に応じて過不足なく反映できる
【持分法の注意点】
- 売上高や営業利益には反映されないため、関連会社の事業規模はグループ数値に表れない
- 持分法か全部連結かは会社ごとの実質判断が必要で、区分を誤ると開示の信頼性を損なう
なお、グループ内での持株比率を高めて子会社化し、経営統合を進める場合は持株会社化による経営統合の視点も重要になります。また、M&Aで子会社を取得した際は、取得原価を資産・負債へ配分するPPA(取得原価の配分)や、その過程で生じるのれんの会計処理も連結上の論点となります。
持分法と全部連結に関するよくある質問
持分法・全部連結・連結の範囲について、検索でよく見られる疑問にお答えします。
Q. 持分法と全部連結の違いは何ですか?
A. 対象会社と合算方法が異なります。全部連結は連結子会社の財務諸表を全額合算する方法、持分法は非連結子会社・関連会社の持分だけを1行で反映する方法(一行連結)です。ただし、親会社株主に帰属する当期純利益は、どちらの方法でも同じになります。
Q. 持分法は議決権何パーセントから適用されますか?
A. 原則は議決権の20%以上です。加えて、15%以上20%未満でも、役員派遣・重要な融資・重要な取引など「重要な影響を与えられる」事実があれば適用されます。一方、50%超(実質支配なら40%台でも)は子会社となり、全部連結の対象です。
Q. 持分法適用会社とは何ですか?
A. 持分法が適用される「関連会社」と「非連結子会社」の総称です。関連会社は支配はしないが重要な影響を与えられる会社、非連結子会社は子会社だが重要性が低いなどで連結範囲から外れた会社を指します。
Q. 連結子会社と持分法適用会社の違いは?
A. 連結子会社は親会社が「支配」している会社で全部連結の対象、持分法適用会社は「重要な影響」を与えられる関連会社などで持分法の対象です。損益計算書上、連結子会社は売上高から取り込まれるのに対し、持分法適用会社は営業外損益に持分相当額だけが表れます。
Q. 非連結子会社はなぜ持分法で処理するのですか?
A. 支配下にある子会社でも、重要性が乏しかったり、支配が一時的だったりする場合は連結範囲から除外できます(実務では重要性の乏しさによる除外が中心です)。ただしグループへの影響がゼロではないため、原則として持分法で持分相当額を反映させます(重要性が極めて乏しい場合は対象外となることもあります)。
Q. 持分法と全部連結で最終的な利益は変わりますか?
A. 親会社株主に帰属する分は変わりません。親会社株主に帰属する当期純利益・純資産は、どちらの方法でも同額になります。違いが生じるのは、売上高・営業利益・経常利益といった途中段階の見え方です(なお全部連結では、非支配株主に帰属する分だけ当期純利益の総額は大きく表示されます)。
まとめ|持分法と全部連結の違い
持分法と全部連結は、連結財務諸表を作成する際の合算方法の違いです。親会社との関係性(支配か、重要な影響か)に応じて、連結子会社には全部連結、非連結子会社・関連会社には持分法が適用されます。
本記事のポイントを整理します。
- 全部連結=連結子会社の財務諸表を全額合算し、最後に非支配株主持分を控除する方法
- 持分法=非連結子会社・関連会社の持分だけを1行で反映する「一行連結」
- 振り分け=支配(原則50%超)は全部連結、重要な影響(原則20%以上)は持分法
- 損益計算書=全部連結は売上高から反映、持分法は営業外損益に持分相当額のみ
- 最終利益・純資産=親会社株主に帰属する分はどちらの方法でも同額(総額は全部連結の方が非支配株主分だけ大きい)
連結の考え方は、グループ経営やM&Aで子会社・関連会社を持つ際に欠かせない知識です。事業の譲渡・譲受やグループ再編をご検討の際は、国内最大級のM&A・事業承継マッチングプラットフォーム「TRANBI(トランビ)」もあわせてご活用ください。
